秋の散開星団(M29)

8月4日の晩には、秋の散開星団も幾つか撮影した。まずは「はくちょう座」のM29星団だ。はくちょうの十字の真ん中の星に近い星団で、双眼鏡でも存在がわかる。

b0167343_1172556.jpg望遠鏡で覗くと、7つの星がちょうどスバル星団のような感じで群れている。視野の半分には天の川の星々だろうか、にぎやかに星がばらまかれているのも印象的だ。ISOは3200で露光時間は3.2秒で撮影した16コマをコンポジットしてみたが、写っている星団の星の数は眼視とあまり変わらない。ただ昨年の秋に撮影した写真と比べてみると、随分と暗い星まで写るようになったことがわかる。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-30 01:19 | 星団

秋の球状星団(M2)

さて、ふたたび8月4日の晩に撮影した球状星団であるが、今度は「みずがめ座」のM2だ。M15よりも少し南にある。光度も見かけの大きさもM15とほぼ同じ規模だ。M15もM2も南中した高度が高いので、街灯りの影響が少なくて空が暗いので見ていて気持ちがよい。

b0167343_192943.jpgいつものようにISOを3200に露光時間は2秒に設定して撮影した16コマをコンポジットした。M15にくらべると星団の隅々まで星が満ち満ちている感じで、周辺部の星が一部分離して写っている。密集度がIIとM15より高い分、迫力が感じられる。改めて球状星団の不思議を思う。いったい星団のなかはどんな景色なのだろうか。

これでメシエ天体の球状星団のなかで残すは「うさぎ座」のM79だけになった。望遠鏡が戻ってくるのが楽しみだ。

(撮影したメシエ天体 通算75/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-27 01:11 | 星団

やはり重症だった・・・・

Nikon 8cmを購入して三十数年を経ているが、社会人になってからの十年余りは実家の湿気の多い物置に仕舞い込んだままになっていた。この間に対物レンズの内側に大きなカビの塊が2カ所付いてしまった。幸いなことにレンズの縁だったので、光学的にはさほど影響はないだろうと無視していた。とっくにNikonは望遠鏡の製造を止めていて、補修を依頼しようにもできないと諦めてもいた。

この夏に望遠鏡の見え具合がサッパリしないのは、結露のためかと思っていたのだが、ライトを当てて対物レンズを上から覗いて見たところ、レンズの内側に無数の小さな付着物があって言葉を失った。これは放置しておく訳にいかない。そこで、テレスコ工作工房さんに紹介していただいた熊本にあるヨシカワ光器研究所に補修をお願いすることにして、厳重に包装を施し宅配便で送り出したのが先週末のことだった。

一週間が経ち、先方に届いた望遠鏡の精査が終わったので結果を報告したいとのメールをいただいて、ドキドキしながら電話で様子をうかがった。社長さんは「今までみたNikon 8cmで一番カビが酷い状況です」と淡々とした口調でまずおっしゃった。予想通り状況は厳しいと覚悟した。「ここまでカビが付くと、通常はカビを落とすと一緒にレンズのコーティングが剥げ落ちてしまいます」と「通常は」というところを少し強調して続けられた。どこか救いのある言い方に、落胆せずに次の言葉を待った。「幸いNikonのこのレンズはコーティングが特殊なので、開発した薬液の中でレンズを回転させて、ゆっくりとカビを溶かしていけば、時間はかかるがコーティングが剥げ落ちることなくカビが落とせます」と結んだ。

鏡筒の内側の塗装もブヨブヨに水分を含んでいる状況だと付け加えられた。簡単に結露してしまうのは、それが原因だったようだ。これを全て剥がし、新たに開発した塗装を施せば「数十年は大丈夫です」と。医師から身内の病状説明を受けて、重症で少し時間はかかるけれどもちゃんと治りますと言われたような気持ちだった。

10月の連休前までには補修が済んで帰ってくる見通しとのこと。キレイになって戻ってくる日を楽しみに、しばらくは撮り貯めた写真の整理をしながら帰りを待つことにしたい。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-22 00:47 | 天文少年の頃

秋の球状星団(その1-M15)

メシエ天体には全部で29の球状星団がリスト・アップされている。そのうち冬の星座にあるのは「うさぎ座」のM79だけで、残りは春から秋までの星座に位置している。今年の冬の終わりから本格的に始まった球状星団巡りだが、夏の銀河に散らばる比較的暗い対象も曲がりなりにも手持ち撮影することが出来た。そして、M79を別にすれば残すところは秋を代表する球状星団であるM2とM15の2つになった。この2つの球状星団には何度も望遠鏡を向けたのだが、その度に途中で雲が出て阻まれていた。そんな訳で8月4日の晩は満を持して臨んだ次第だ。

まず「ペガスス座」にあるM15であるが、同一視野内に6、7等星が幾つか見えて賑やかな感じを受ける。M15も6等の明るさを持つが、眼視でも辺縁がぼんやりとしていて周囲にあるこれらの恒星とは明確に異なっている。夏の銀河にある球状星団は、見かけが大きいM22M55は密度が比較的低く、密度の高いM75M80は逆に見かけが小さいために、8cmの口径では「ボールの様に星が密集している」というイメージはなかなか抱けない。それに対してM15は、見かけも比較的大きく密集度もIVとなかなかの規模があり、実際に眼視でも中心部が球状で周囲に淡い光が取り巻く光芒として見えている。

b0167343_23375172.jpg写真はISO 3200で露光時間は1.6秒とかなり短く設定して手持ち撮影し、16コマをコンポジットしたものだ。中心部は相当に明るいが意外と小さく、逆にかなり広い範囲にまで淡い光芒が取り巻き、それが暗い星々からなる様子がうかがえる。眼視では、この明るい中心部もモアッとした立体感を持って感じられるのであるが、写真では中心部は明るくつぶれてしまっている。

(撮影したメシエ天体 通算74/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-19 23:39 | 星団

南天のアンドロメダ銀河(NGC253)

猛暑が続く中で微かな秋の気配を探すように日々を送っていたが、9月14日の夜は空が高く澄み渡り夜半過ぎに昇ってきたオリオン座をはじめとする星々が瞬いて見えた。水平線から顔を出したシリウスが眩く瞬いている様には、秋の夜空を通り越して冬の気配すら感じられた。ああ、もう厳しい暑さも終わりだなあと、ホッとしながら秋から冬の星座を見上げた。

さて、写真の方は8月4日の晩に撮影した天体の続きになる。星図ソフトのStellariumを見ているうちに、南天にメシエ天体としてリスト・アップされていない鋭利な紡錘形をした規模の大きな銀河があることに気が付いた。調べてみると、「ちょうこくしつ座」にあるこの銀河は、NGC253としてリスト・アップされていて南天のアンドロメダ銀河とも呼ばれていることがわかった。

そこで8月4日の晩に、アンドロメダ銀河に続いて「南天の」アンドロメダ銀河に望遠鏡を向けてみた。まず双眼鏡で、ここと思われる辺りをながめてみると確かに光芒があるようだ。初めて見る対象に鼻息も荒く望遠鏡を覗き込む。すると、横長で両端がかすれるような光芒が見えている。

気持ちを落ち着けて観察してみると、紡錘形というよりも両端がはっきりしない板状で、M31のような中心部の膨らみは感じられない。星雲には気の毒だが、ボロ雑巾のような感じだ。高度が低いために街灯りの影響を受けているのもさえない一因だろうか。

b0167343_23274488.jpg露光は4秒で16コマをコンポジットしてみると、紡錘形をした立派な銀河星雲であることがわかる。また中心部に濃淡があって、それがボロ雑巾のような印象を与えていたことがうかがえる。

それにしても双眼鏡でも見えるこの天体に、なぜメシエは気付かなかったのだろうか。近くには8.1等の球状星団NGC288もあって、こちらもリストには入っていない。NGC253の南中時の仰角は約30度でM22M30とほぼ同じで、M7の仰角18度に比べると十分な高度がある。だから望遠鏡を向けさえしたら気付いたハズなのだが・・・。この星雲が宵に南中する季節は、かの地では天気が不安定だったのかも知れない。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-17 23:35 | 星雲

真夏の夜の夢(M33)

代表的な銀河宇宙と言えばM31アンドロメダ銀河だが、それに次ぐ見かけの大きさを誇るのが「さんかく座」のM33だ。満月の2倍の広がりを持つと言うのだから、なかなかの規模だ。ところがM33は銀河をほぼ正面から見ていることもあって非常に淡い。

8月4日の晩は夏の夜空としては条件が良かったので、市街地にある自宅の庭でも双眼鏡でM33の存在を確認することができた。そこで望遠鏡を向けてみると、銀河の中心部が淡く見えているのがわかった。周辺部の銀河の腕にあたる部分は見えているようないないような、しかし全体としては非常に淡い楕円形の光芒が中心部を取り巻いているような感じは受ける。

b0167343_2141563.jpgいずれにしても眼視で存在が確認できるのなら、手持ち撮影でも絶対に写るはずと、喜び勇んでデジカメを接眼レンズに押し付けて撮影した。ISOは3200で、露出時間は星が流れて写るのは覚悟の上で5秒と長めに設定した。16コマをコンポジット処理したところ、なんとか銀河の腕に当たる部分が淡く捉えられているようだ。その様は、幽霊がラジオ体操の体側伸ばしをやっているような、脱皮したカニの抜け殻を見ているような、いずれにせよなかなかユーモラスな格好に見える。

条件の良い晩に郊外でアメリカン・サイズの接眼部を使って撮影すれば、手持ち撮影でも銀河の腕がかなり写るのではないか。そんな期待を抱かせてくれる写真になった。

(手持ち撮影したメシエ天体 通算73/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-14 02:16 | 星雲

山羊の角!?(M30)

「やぎ座」の球状星団M30は、この夏に何度か望遠鏡を向けたのだが、写真に撮り始めるとその度に雲が出て来て中途半端に終わっていた。夏休みの宿題を中途半端に放置しているような、そんな後味の悪さを引きずっていた。

そんな訳で8月4日の晩に難敵だったM73とM72をクリアすると、望遠鏡を今度は東に振ってM30に望遠鏡を向けた。M72に比べると明るく大きいが、メシエ天体の球状星団としては平均的な規模と言えるだろう。

b0167343_00862.jpgISOを3200に設定して露出時間は3.2秒で手持ち撮影したコマの中から16コマを選びコンポジットした。やや東西に長い楕円形をした光芒から、山羊の角を思わせるような複数の突起状の構造物が見える。これは星団を形作る星が列を成している様子を捉えたもののようだ。

この突起のような星列は、十分な露出時間をかけた写真では、星団を形成する微光星に埋もれてしまい判らなくなってしまうらしい。これが写真に写るところが手持ち撮影の面白さだとも言えよう。

(手持ち撮影したメシエ天体 通算72/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-12 00:02 | 星団

それなりの画像よ、万歳!!

知り合いの方からメールをいただいた。「・・月刊星ナビ10月号に入選作品が掲載されていました・・おめでとうございます・・」

先月号に掲載されなかったので選外になったのだとすっかり諦めていた写真が、1ヶ月遅れで入選していたのだとわかるまでには、しばらく時間がかかった。

b0167343_062467.jpg夜になってから書店に駆けつけると、雑誌を小さく覗き込むようにして開いて自分の写真を探した。小さいが確かに載っていた。顔がニヤケそうになるのを押し殺すようにしてレジを済ませた。

戻ってきて、大きく息をして選評を読む。「・・・表面輝度の低い天体にはきびしい小口径屈折式望遠鏡による作品ですが・・・手持ち撮影でもそれなりの画像が得られるようになりました・・・」とある。「それなりに」という枕言葉がついてはいるが、好意的なコメントに少しホッとする。

b0167343_064895.jpgしかしデジカメの手持ち撮影で月や惑星が写ることは、それほど驚くことではないだろう。実際に同じ号の記事に、木星の撮影方法としてデジカメの手持ち撮影が紹介されている。次はメシエ天体の写真を載せられるよう、また挑戦してみたいと思う。

天文雑誌に自分の名前が載ったのは、思えば中学生の頃に投稿した文章が掲載されて以来のことだ。30年以上を経ても、その喜びは全く同じだ。

ああ、嬉しい!!
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-09 00:15 | 手持ち撮影にこだわる訳

夜更かしの前ぶれ(M72)

M73から望遠鏡をほんの少し西に振ると「みずがめ座」の球状星団のM72に至る。M72もM73と同様に暗い天体だが、視野に入れば球状星団に特有の雰囲気を持っているのがわかる。

このM72は球状星団としては密集度が最も低く分類されているが、眼視ではそこまではわからない。密集度の高い球状星団は暗い天体でも面積を持った星のような風合いなのだが、そういう密集度の高さが感じられないのは確かだ。

b0167343_0305374.jpg写真は、いつものようにISOを3200に設定して露出時間は3.2秒で手持ち撮影したコマの中から16コマを選びコンポジットした。写真にしても淡いが、その割には面積を持っているので、確かに密集度が低いことがうかがわれる。

このような暗い天体を首尾よく望遠鏡に導きデジカメに収めることができると、今夜はなかなか調子がいいぞという気分になって、ついつい夜更かししてしまう事になる。果たして、この8月4日の晩も薄明を迎えるまでタップリと星雲・星団をハシゴすることになった。

(手持ち撮影したメシエ天体 通算71/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-07 00:33 | 星団

これぞメシエ天体(M73)

「みずがめ座」には3つのメシエ天体があるが、8月4日の晩にまずM73に望遠鏡を向けた。実はM73には、それまでにも望遠鏡を向けている。しかし、これがM73だと確信できる天体が見つからなかった。

星図と照らし合わせて、小さな暗い星の位置を手がかりにM73と思われる辺りに望遠鏡を向けると、眼視だと星が一塊になっているのかどうか何とも言えない光芒がある。Stellariumではopen cluster(散開星団)とされているが、接眼レンズにカメラを押し付けて写真に撮っても3つの星が寄り添っているようにしか見えない。しかし、他の星との関係から位置は間違いないなさそうだ。

そこで、ISOを3200で露出時間は3.2秒で撮影して16コマを選びコンポジットしてみた。やはり3つの暗い星が一塊になって写っているだけで、これを星団と呼ぶのはかなり無理がある。日周運動で星が長く伸びているので、—_—の顔のようにも見える。調べてみると、星団とは呼ばず星群と分類している場合もあるようだ。これらの星々が三次元的にも一塊を成しているのか、たまたま方向が同じで一群に見えるのかは記載がみつからなかった。

b0167343_1102815.jpgこのM73をメシエ天体のリストに含めないという意見もあるようであるが、そもそもメシエが彗星探しで紛らわしい天体をリスト・アップしたのであるから、M73のような天体が含まれているのは不思議でもなんでもない。むしろ、一目で星雲・星団と判るような天体が含まれるよりも自然だとも言える。見て美しい対象ではないが、ある意味で「これこそメシエ天体」と言えるのではないだろうか。

(手持ち撮影したメシエ天体 通算70/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-09-05 01:12 | 星団