鹿の声を聞きながら・・・(その3-M81/82)

資格試験の準備に追われ、試験が終わったら終わったで後回しにしてあったモロモロに飲み込まれてしまい、気が付けば2週間近くも更新できずに過ぎてしまった。あまり状況に変わりはないのだが、撮りためた写真がたくさんあるので、またいつものペースで更新していこうと思う。

b0167343_1242622.jpg復活!?の最初の一枚はM81/M82のBode銀河だ。11月5日の晩も更けてくると北斗七星が高度を上げて来た。そこでM81/M82に30mm広視野接眼レンズを付けて望遠鏡を向けてみた。すると、期待通り2つの銀河が余裕を持って仲良く同一視野に見えている。これは嬉しい。早速、デジカメを接眼部に手持ちで押し付けると、日周運動の影響を受けにくい北天の利を生かして露光時間を8秒と長く設定して撮影した。いつもの通り16コマを選んでコンポジットしてみたが、M81の明るい中心部を取り巻く淡い渦巻きから細い2本の腕が伸びている様子まで写ったのは期待以上の成果だ。これも嬉しい。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-11-30 01:28 | 手持ち撮影にこだわる訳

鹿の声を聞きながら・・・(その2-M33)

11月5日の晩の次なる対象はM33銀河。前回の撮影では露光時間を欲張ってしまい日周運動の影響で像が流れてしまった。

b0167343_0552812.jpgそこで今回は露光時間を4秒に設定して手持ち撮影を始めた。本当は、もう少し短くしたかったのだが、3.2秒露光だとデジカメのモニターで確認しても中心部が何とか見えるかどうかなので、不安になって4秒にした。16コマを選んでコンポジットしてみたが、前回の8秒露光に比べると銀河は非常に淡く、渦巻き状の腕をたどることは難しい。しかし、何とも捉えどころのない姿がかえってM33らしく思われる。星像の流れも、それほどは気にならない。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-11-18 00:57 | 手持ち撮影にこだわる訳

秋から冬の散開星団(その4-M38星団)

秋から冬にかけての散開星団の中で何と言っても際立つのは、「ぎょしゃ座」にあるM36、M37、M38の3つの星団だ。空が暗いと、双眼鏡でも「ぎょしゃ座」の五角形を貫くように、3つの星団が一定の間隔で直線上に並んでいる様子が楽しめる。その3つの星団の中で、五角形の中心に位置するのがM38だ。

双眼鏡で見ると、3つの星団の中でM38が一番目立たない印象を受ける。それはM36には比較的明るい星が多くM37では暗い星が密集しているのに対して、M38は比較的暗い星が密集せずに広がっているからだと思われる。ところが、望遠鏡を向けて見るとM38もなかなか面白い。十字型をした星の並びが日周運動とともに視野の中を移動していく様子は、鳥か飛行機がゆっくりと進んでいくかのようにも感じられる。

b0167343_143388.jpg30mm接眼レンズで露光時間は2.5秒に設定して手持ち撮影した16コマをコンポジットしたが、星団を構成する星が十字型ないしギリシャ文字のψ(プサイ)のように並んで、それと重なるように微光星が広がっている様が写っている。この十文字の星のならびは、通常の天体写真では微光星に埋もれてしまい目立たなくなってしまうのだが、手持ち撮影だとはっきりと確認できるところが面白い。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-11-15 01:06 | 星団

鹿の声を聞きながら・・・(その1-M31)

11月に入り天気が安定し毎晩のように星空が広がるようになった。それとともに冷え込みも増してきて、以前のように気軽に望遠鏡を出してのぞくことはできなくなってきた。防寒をしないと体が持たない。しかし、せっかく防寒をするぐらいなら自宅のベランダよりも条件のよい場所へ行こうか、という気持ちになる。

11月5日金曜日の晩は、防寒を整えると機材を車に積み込み八ヶ岳山麓まで出かけた。盆地の底では、快晴にもかかわらず3等星ぐらいまでしか見えないどんよりした感じの空だったのが、標高1000Mまで来るとさすがに満天の星空だ。最高の透明度という程ではないが、その分だけ気流が安定している。別荘地のどんづまりにある野菜畑沿いの道路に車を止めて望遠鏡を出した。

夜も更けて周囲に何軒かあるペンションの灯りも消え、鹿が甲高い声を上げながら何度となく近くを通り過ぎていく。もちろん姿は見えないが鳴き声が次第に近付き遠ざかってゆく。こちらの存在に気付いたのか、時々思いもかけない程の近さで「ギョッ」という威嚇するような鳴き声を聞くが、相手は鹿なのでこちらは別段驚くでもない。静かにしていれば、鳴き声は次第に遠ざかってゆく。

前回10月10日のテスト撮影で新しい広角30mm接眼レンズでの手持ち撮影の感じがつかめたので、今回は視野の中心に確実に対象の天体を置いて、接眼レンズとデジカメの光軸を合わせることと、露光時間を欲張らないことに留意して、代表的なメシエ天体で手持ち撮影のおさらいをしていった。

b0167343_0213199.jpgまずは銀河星雲の横綱M31アンドロメダ銀河。露光時間を2.5秒と3.2秒に設定して手持ち撮影した中から、それぞれ16コマを選んで全部で32コマをコンポジット処理してみた。コントラストを以前よりも抑え気味に画像処理してみたのだが、お供のM32星雲のあたりまで銀河が広がって写っていて、長軸方向の広がりは完全に視野からはみ出している。またM32の反対側には暗黒帯が2本並んでいるのもわかる。露光時間を抑えたので、中心部の星はほぼ点像に近くなっている。色彩に乏しいモノトーンな世界ではあるが、銀河のグラデュエーションが華やかな雰囲気を醸し出している。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-11-12 00:25 | 手持ち撮影にこだわる訳

秋から冬の散開星団(その3-M34星団)

ペレセウス座のM34は、昨年の秋に以前のデジカメを用いてISO 1200で1秒露出という相当に控えめの条件で手持ち撮影している。その時は、星団の明るい星が幾つか写った程度だった。

前に見たM52星団とは対照的に、見かけの大きさもかなりあり、逆に言えばやや散漫な星団でもあるのだが、中央部に緩い集団を形作る星団を囲むように円形に星が並んでいるのが、星団が宝石箱におさまっているかのようで印象的だ。

b0167343_2352167.jpg30mm接眼レンズで露光時間は3.2秒に設定して手持ち撮影した16コマをコンポジットしたが、星団を構成する星が放射状に並び、比較的明るい星は青味を帯びて写っている。そして、星団を構成する星ではないのだろうが、周囲を楕円に縁どるように星々が並んでいる。周辺の星にはオレンジ色が目立ち、星団と合わせて打ち上げ花火のようにも見える。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-11-10 00:04 | 星団

秋から冬の散開星団(その2-M52星団)

カシオペヤ座の散開星団M52は夏にも撮影したが、薄明の中での撮影であり、10月10日の晩にもう一度望遠鏡を向けた。天頂にあると望遠鏡の三脚が邪魔をして思うように望遠鏡を向けられないのがもどかしいが、視野に導くとその美しさに苛立は吹き飛んでしまう。

見かけの大きさが小さくて、特に30mm接眼レンズでは星が密集して見えるため、星団全体が星雲のように感じられる。淡いベールのような光芒が微光星から成る姿は、小望遠鏡で楽しめる散開星団のなかではM11星団やM37星団と並んで最も美しいと言ってよいだろう。

b0167343_0205413.jpg手持ち撮影は北天にある利点を生かして5秒の露光時間にして16コマをコンポジットしたが、それでも星は点像に近く写っている。前回の写真は薄明の影響で背景の空は青味がかってしまったが、今回は黒く引き締まった空に星団が浮かび上がっている。視野の中心にこじんまりと在る星団は可愛らしく、視野全体にはたくさんの星が写っていて幾つかのオレンジ色星がなかなか魅力的だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-11-07 00:22 | 星団

秋から冬の散開星団(その1-M45すばる星団)

10月10日の晩も夜半を過ぎると冬の星座が次々に昇ってきた。そして冬と言えば散開星団の季節だ。それなら、今夜はとことん散開星団を巡ってみようと考えた。

その一番手は有名なスバル星団だ。メシエは、彗星と紛らわしい天体をリストアップしてきたハズだったのだが、リストを世に出す段になって色気が出たのか、40番台には以前から知られていた天体を加えて45番目までを発表したらしい。そのおかげでスバル星団もM45としてリストに入れられたということだ。

このM45は星団の全容を見るには、望遠鏡で覗くよりも肉眼や双眼鏡で見るほうがいいのだが、この星団には明るい星々と重なって、美しい青いガス星雲がハケで掃いたかのように広がっている。それを手持ち撮影で捉えることが出来ないだろうかと、望遠鏡を向けてみた。

b0167343_233832.jpg広視野30mmの接眼レンズでも、明るい7つの星を全て視野に収めることはできなかったが、従来の接眼レンズよりは随分と広い範囲が見えており、なかなか見応えがある。空の透明度は抜群だが、さすがにガス星雲の存在は眼視ではわからない。

そこで羽子板の柄の部分に当たるアトラスは諦めて視野の外に置き、4秒露光で手持ち撮影した11コマをコンポジット処理してみた。すると、一番明るいアルキオネそしてメローペとエレクトラの周辺が青みを帯びて写っているのがわかる。

これが、果たしてガス星雲なのか断定はできないが、Wikipediaには「メローペを囲む散光星雲(IC349)は、1859年にテンペルが口径10cmの望遠鏡で発見した」と記載されている。手持ち撮影の感度は経験的に眼視よりも随分と高いので、口径10cmの望遠鏡の眼視で確認されているのであれば、口径8cmの手持ち撮影でなら捉えている可能性は高いと思う。
(撮影したメシエ天体 通算81/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-11-04 23:39 | 星団

ついに見えた(M1)その2

10月10日の晩も、おうし座が高く昇るとM1に望遠鏡を向けた。眼視では淡い光芒が見えるものの、形をとやかく言えるような見え方ではない。小望遠鏡でも「佐渡島のような・・」とか「トランプのダイヤのマークをずらして重ねた感じ・・」という記述もされているが、形を確認しようと見つめると存在自体も怪しくなる、そんな見え方だ。これまで確認できなかったのは、写真で見たイメージに比べて暗く小さいので、視野に入っていても気付かなかったのだろう。

b0167343_0474379.jpg広視野30mmの接眼レンズで露光時間を6秒に設定して手持ち撮影した16コマをコンポジットした。結果から言えば、やはり露光時間が長過ぎたようで、背景の星といっしょに星雲も流れてしまっている。それでも以前の写真に比べると、それらしい形には写っているようだ。星雲には濃淡があって一様ではないらしいこともわかる。しかし、カニ星雲と呼ばれるに至った特徴的な姿までは、この口径でしかも手持ち撮影となると捉えるのはなかなか難しいのだろう。ただ、この晩は空の透明度は最高だったが風が強かったので、気流が安定した条件で露光時間を抑え気味に撮影すると、もっとよい写真になる可能性はある。また続けて狙ってみようと思う。

念願のM1を手持ち撮影することが出来て、これで曲がりなりにも80個のメシエ天体を撮影してきたことになる。残りの30個弱の天体もM1と同様に難しい対象が多いが、ここまで来たら完走を目指したい。
(撮影したメシエ天体 通算80/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2010-11-02 00:48