最も美しい散開星団(M11星団)

一口に散開星団というけど、メシエ天体の中にも実に多彩な散開星団があって、それぞれが面白い。その中で最も美しいものを選ぶとすると、星の明るさが揃っていて密集度が高いという規準でなら、M37M52も思い浮かぶが、やはり最も美しいのはM11だろう。しかし、日周運動で星像が流れてしまっては密集した星々の美しさは引き出せないので、追尾することの意義は大きいはずだ。ということで5月14日の晩にM71の次にM11を簡易手動追尾で撮影した。

望遠鏡を向けると、まずはじっくりと眺めてみる。矩形に集まった星々は、一見すると星雲かのように見えるが、目を凝らしてそれが明るさの揃った星の集団であるとわかると「ほーっ」と溜め息が出る。中央にある明るい星が1つアクセントとして効いているし、周囲に散りばめられた天の川の微光星達も星団を引き立ているように見える。

b0167343_2211859.jpgデジカメを装着すると露光時間を3.2秒に設定して撮影をはじめた。追尾がうまくいって日周運動が相殺されて現れる星団の姿は、デジカメのバック・モニターで見ても非常に美しい。しかし、拡大して確認してみると、小さな星が密集しているのでわずかな追尾のズレでも気になる。そうやって厳選した34コマをコンポジット処理してみた。星団が写野の中央から多少ズレていても星が点像になっているコマを優先して選んだので、周辺部の明暗にムラが出てしまったが、M11の密集した美しさはかなりシャープに出せている。

今後は散開星団も簡易手動追尾でどんどん撮影していきたいと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-05-28 02:24 | 星団

月明リニモマケズ・・(M71球状星団)

5月14日の晩に、月が沈むのを待つ間に幾つか星団を撮影してみた。西の空に高度を下げつつある月の反対側にあたる東の空では、月明かりにもかかわらず夏の大三角の辺りの天の川が何とか確認できる。そこで、アルタイルに近い「や座」のM71に望遠鏡を向けてみた。すると天の川を構成するたくさんの微光星に混じって、指で撚った糸屑みたいな星の集まりが確認出来た。

b0167343_2318961.jpg月明かりの影響を抑えるため露光時間を3.2秒と短めに設定し、簡易手動追尾で撮影してみたところ、かなり高い確率で星が点像に写ったコマが得られた。その中から34コマを選んでコンポジット処理してみたが、やはり月明かりの影響で背景がやや青味を帯びている感じだ。それでも以前の写真に比べてM71の姿が小さいなりにもかなり鮮明に写っている。

M71は球状星団に分類されているが、この写真からはせいぜい天の川の星のシミぐらいにしか見えない。しかし、これはこれで面白くなかなか味のある天体だと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-05-22 23:20 | 星団

迫り来る薄明(M20三裂星雲)

5月14日の晩に、月没から薄明開始までの30分間に夏の銀河にある星雲をいくつか撮影しようという算段で八ヶ岳山麓に出かけて、M8干潟星雲に続いて望遠鏡を向けたのは、M8のすぐ北にあるM20三裂星雲だ。時刻を確認すると薄明開始までは残り10分足らず。望遠鏡で覗くと淡い星雲が確認できるが、特徴とされる裂け目のような暗黒帯ははっきりしない、というかじっくりと確認する間もなくデジカメを装着すると、露光時間を3.2秒に設定して簡易手動追尾で撮影をはじめた。

気持ちがはやるせいだろうか、カメラのバック・モニターに現れる画像はどれも星が流れていて追尾がうまくいっていないことを示すものばかり。M8の撮影のときは時々現れるキレイな画像に励まされたのだが、こうなると失敗の画像が多いことの方が気になってくるから、まさに気持ちの問題なのだろう。しかし、ついつい微動装置を握る手にも力がはいってしまう。

撮影を続けながらも東の空が気になる。低い空が少し白みはじめているような気がするが、なかなか満足できる画像の数は増えていかない。そんななか、突然近くの森から小鳥のさえずりが聞こえてきた。朝を待ちわびた野鳥が、僅かな夜明けの気配を感じて喜びの声をあげたのだろう。まだまだ天の川が見えているのだが、もう星を追うものの時間は終わったのだった。

b0167343_23494881.jpg結局、M8と同じように約100コマを撮影したなかで星が点像に近いのは13コマだけだった。星が点像に近くても星雲が写野の中央からズレてしまっているコマもあるが、それも含めてコンポジット処理した。コマ数が少ないので画質が粗く、周辺部の星像の乱れも目立つが、裂け目のような暗黒帯がある赤い星雲の本体に加えて、暗黒帯をはさんで広がる青い星雲も以前の手持ち撮影にくらべてずっと鮮明に写っている。空の条件に恵まれれば、たかだか3秒程度の簡易追尾でもここまで写るのだから、また条件の良い夜にじっくりと撮影してみたいと思う。

こうして画像で見ると実に見事な配色だが、眼視ではこの色合いはまったく感じられないのが残念だ。宇宙船に乗って近くで見ることができたら、さぞかし美しいだろうが、現実には2300光年も彼方の途方もなく遠い世界・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-05-20 23:51 | 星雲

持ち時間30分の夜(M8干潟星雲)

簡易手動追尾の導入によって、星雲の写りが格段に向上することがわかったので、ゴールデン・ウイーク中に夏の鮮やかな星雲達を簡易手動追尾で撮影するのを楽しみにしていたのだが、お天気とインフルエンザで果たせなかった。連休明けも、なかなか天気に恵まれないうちに、どんどん月齢が進んでしまった。

そんななか5月14日の晩は好天に恵まれたうえに黄砂の影響も少なく、月さえなければ夏の星雲を見るには格好の空になった。インターネットで確認すると、月没が午前2時半で天文薄明の開始が午前3時と、月のない夜空は僅か30分間だけ。薄明の開始時刻は4月初旬に比べると1時間も早くなっている。しかし、この機会を逃すと梅雨明けまでお預けなんてことにならないとも限らない。よし、出掛けよう。日付が変わる頃に車に機材を積んで、八ヶ岳山麓に向かった。

月はだいぶ西に傾いたものの、足許に影がクッキリと見えるほどの月明かりだ。それでも、夏の大三角の辺りには天の川が見えており、この時期としては非常に良い条件だとわかる。月から遠い東の空にある球状星団や散開星団を撮影しながら月没を待った。月が高度を下げるにつれて天の川が次第に濃さを増して、月没後には南北に空を二分してクッキリと見えるようになった。折しもM8干潟星雲が南中した。

望遠鏡にM8を導いてのぞいてみると、星雲の中央を暗黒帯が横切る様が鮮明に見えた。急いでデジカメを装着して、露光時間はあまり欲張らずに3.2秒に設定し簡易手動追尾で撮影をはじめた。かなり冷え込んで来て、微動装置を持つ手が冷たく鼻水も垂れてくるが、追尾がうまくゆくとカメラのバック・モニターに驚くほどにクッキリと星雲が現れるのに励まされ、ひたすら撮影を繰り返した。

b0167343_013416.jpg約20分間で撮影した100コマほどの中から、32コマを選んでコンポジット処理したのが、この画像だ。昨年の春まだツアイス・サイズの接眼部を使っていたころに自宅で手持ち撮影した時の画像はもちろんだが、32cmのドブソニアンで露光時間を1.3秒に設定して撮影した画像よりも鮮明に写っている。ドブソニアンで撮影した時は、M8の高度が低くて条件があまり良くなかったので単純に比較はできないが、追尾の効果は絶大だと言える。

それにしても美しい姿だ。眼視では透明感のある美しさなのだが、写真だと何だか官能的な感じがする。恐るべし簡易手動追尾。次の好条件の夜が待ち遠しい。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-05-16 00:17 | 星雲

連休中の成果!?・・

インフルエンザに罹って4日目の5月4日、熱もようやく下がってきたが、まだ出掛けるわけにも行かない。縁あって一時的に家で預かっていた1000個の積み木を1つ1つと積みはじめたら、だんだん形になってきて、いつの間にか夢中になり真剣に積み上げた。全部を積み上げてふと我に帰ると疲れが一遍に出てグッタリしてしまった。

出来上がった積み木の横で、床に寝転がってゴロゴロしながら下から見上げていたら、何だか見える世界が違って来た。そこで、コンデジを出してきて、いろいろな角度から撮影してみた。

星の写真は一枚も撮れなかった連休の唯一の成果ということで・・・
b0167343_23211744.jpg

お許しあれ。

この積み木は・・
木楽舎つみ木研究所
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by Nikon8cmtelescope | 2011-05-14 00:09

ドブソニアンで巡る星空

b0167343_123765.jpgもっと深く星雲・星団を味わいたいと購入した32cmのドブソニアン望遠鏡ですが、コリメート撮影した写真を紹介するサイトを立ち上げる準備を少しずつ進めてきました。

そしてこのほど形式がだいたい整いましたので、ここにご案内させていただきます。

ドブソニアンで巡る星空

写真は、ドブソニアンで観望している様子を昇ってくる夏の大三角と銀河と一緒に写したものです。

このNikon 8cm屈折望遠鏡で巡る星空の旅も、まだまだ続けていくつもりです。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-05-10 01:05 | 手持ち撮影にこだわる訳

展示パネル写真 春編

b0167343_1110443.jpgしばらくのご無沙汰でご心配下さった方もいらして申し訳ない限りであるが、連休前のバタバタの後で季節外れのインフルエンザに罹り寝込んでしまった。40度の発熱はさすがに辛く、少々大げさだが体中の骨を砕かれて氷水に投げ込まれたような感じだったが、連休中はひたすら布団のなかで過ごして、ようやく元気を取り戻すことができた。

さて、写真のお手伝いをさせてもらった展示パネルは、4月中旬の週末に郊外にあるショピングモールでの催しで展示された。ということで最後に春のパネルを紹介させていただく。いずれもパネルに使っていただくお話しを頂いた後に撮り直した写真のなかから、M13球状星団M51子持ち銀河M65/M66銀河M104ソンブレロ銀河の4つが選ばれた。

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イベントは、なかなか盛況だったそうで、呼び物の自作望遠鏡キットは用意された60セットが全て出払ったという。展示パネルの写真を見て「宇宙にはこんな天体が浮かんでいるのですか・・」といったような反響もあったそうで、私の写真もお役に立てたようで嬉しい限りだ。企画されたウィルシステムデザイン社から当日の様子の写真をいただいたので、紹介させていただく。

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b0167343_111216.jpgこの連休は新月期と重なるので、楽しみにしていたのだが、まずまずの天候だった前半は出張があった上にインフルエンザに罹ってしまった。残念ながら後半はお天気がスッキリせず、結果的には悔しい思いをしないで体調の回復に専念できることになった。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-05-07 11:21