2011年総括の1枚(M3球状星団)

日中を大掃除に励んだ12月29日の晩は、ビールの栓を開けたいのをグッとこらえると、月没を待って八ヶ岳山麓に出掛けた。着いた時には雲が広がり小雪が舞っていたが、予報より少し遅れて午前2時ごろから晴れてきた。しかし、季節風がなかなか収まらない。順調に手動ガイドがいっていても最後のところで強風に望遠鏡が煽られてブレてしまうようなこともあって、思うような写真が撮れないまま薄明を迎えようとしていた。

これが最後と、望遠鏡を天頂付近に昇ったM3球状星団に向けると、自分の体で望遠鏡を風から守るようにして、露光時間を20秒に設定して手動ガイドを行なった。ISOは2000から800まで薄明の進行とともに落としながら撮影をした。半分以上は風の影響でガイド・エラーが目立ち使い物にならなかったが、まあまあの18コマを選んでコンポジット処理し、さほど期待もせずに増感処理を施した。できた画像は、ビックリするぐらい周辺部まで星が広がっていた。今年の夏に、簡易手動追尾法で3.2秒の露光で撮影した写真とは、同じ対象とは思えない程だ。これからは明け方に続々と球状星団が高度を増してくるので、いったいどんな風に写るのか楽しみだ。

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ということで、正真正銘の今年最後の画像で2011年を締めくくることにする。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-12-31 19:47 | 手持ち撮影にこだわる訳

原点回帰(M51子持ち銀河)

話しを戻して12月4日の晩。薄明を前に急激に風が弱まったので、Nikon 8cm屈折望遠鏡を昇ってきた北斗七星の柄の先にあるM51子持ち銀河に向けた。なんと言ってもNikon 8cmと30mm接眼レンズの組み合わせでの長秒露光による手動ガイドの対象は、この銀河だと考えていた。眼視でも、2つの明るい中心部が並び片方の周囲に淡い光芒があるのが見てとれる。薄明が迫っていることを別にすれば条件は悪くない。

ということで、露光時間を40秒に設定してISOを1200から600まで段階的に落としながら手動ガイドによるコリメート撮影をはじめた。幸いに風は完全におさまっており、鏡筒があおられることもなかった。背景が薄らと明るくなるまでに撮影した中から、28コマを選んでコンポジット処理してみた。

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若干の追尾エラーで恒星が伸びて写っているが、昨シーズンのブラインドでの簡易手動追尾による集大成作品とは、全く別次元の写りだ。渦巻きの濃淡も何となく見てとれるし、小さな渦巻きがとっても可愛らしい。薄明前の40秒露光でこれくらいまで写るとなると、露光時間をもう少し延ばしてまた撮影してみたくなる。

秋はミニ・ボーグでの撮影がメインになって、Nikon 8cmは完全にガイド鏡に成り下がっていたが、これから春の銀河を撮影するにはやっぱりNikon 8cmで頑張らなくちゃな・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-12-27 23:51 | 星雲

アメリカからの土産

b0167343_23442231.jpg空き時間にニュース・スタンドで棚を血眼になって探したら、やっと見つけることができた。天文少年の頃から名前を知っていた「Sky&Telescope」誌を生まれて初めて手にした。

紙質が薄いせいもあってかペラペラした感じだった。袋に入れられており、すぐには内容を確認できないので、手にした時には正直かなり期待はずれだった。

ところが、開いてみると全部で86ページあって、全ページがカラー刷りで内容もなかなか濃い。広告の数は少なくないのだが、どれもコンパクトでウエブ・サイトへと導く内容になっているため、雑誌全体に広告の占める割合は低い。

いわゆるDeep skyの観望案内のコーナーが2カ所あって、記事の記載も具体的でぜひ見てみたいと興味をそそられる。
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読者の写真コーナーもあるが掲載されている写真は全部で6枚だけだった。しかし、オンラインのギャラリーが別にあって、そちらには沢山の写真が掲載されていた。
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値段は$5.99で、日本の天文雑誌よりもちょっと安かった。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-12-20 00:06 | 天文少年の頃

カリフォルニア星雲

この機会を狙っていたわけではないが、カリフォルニアへの出張の合間に、以前に撮影してそのままになっていたカリフォルニア星雲をアップする。

撮影したのは八ヶ岳山麓で11月1日の晩。ミニ・ボーグに30mm接眼レンズを組み合わせたコンデジによるコリメート撮影だ。もちろんNikon 8cm望遠鏡による手動ガイドで、露光時間は32秒と64秒でISOは3200から800までを段階的に試みた合計47コマをコンポジット処理してある。

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全体として淡いものの、赤いサヤエンドウのような輪郭の濃淡が捉えられている。カリフォルニア星雲の名前の由来は、その形が文字通りカリフォルニア州の地形に似ているところから来ているようだが、このカリフォルニアの地に暮らす大抵の人々は、この星雲の存在など全く知らないことだろう。


海岸沿いの公園を散歩していたら、繋留されているボートにもクリスマスの飾りが施してあった。写真は、トナカイとソリの飾りがしてあったボート。
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海岸線は温暖なカリフォルニアも、少し内陸に入れば雪が降る。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-12-13 22:51 | ミニ・ボーグの世界

カリフォルニアからの月食観望記

出張でアメリカ西海岸の都市に来ているため、時差の関係で月食は諦めていた。早起きは大の苦手なのだが、時差ボケのため12月10日の明け方に目が覚めたのは現地時間の午前4時半過ぎ。何気なく窓から外を見ると満月が見えるではないか。幸運にもホテルの部屋は西向きだったのだ。

そして目を凝らすと月の上半分が薄らと暗いような・・・・えっ!これって、もしかしたら半影食???。そして現地時間の午前4時45分に月は上から欠け始めた。日本との時差は17時間なので、時刻はまさに日本時間で21時45分。月食は日食と違って地球上の全ての場所で同時に始まることを実感した。

月は林立するビルの隙間の空に見えていて、食の進行とともに段々とビルに近付いていく。そしてととう皆既の直前に、上半分が赤味を帯び下端だけ白く輝いた月は高度を下げてビルに隠れていった。すると間もなく薄明を迎えた。

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重なった幸運に感謝しての観望だった。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-12-11 07:49 | 月・星のある風景

5分露光に挑戦

12月4日の日中は素晴らしい青空だった。南アルプスの山々もとうとう冠雪して白く輝いていた。月が沈む夜半過ぎには雲が増えるという予報だったが、深夜になっても比較的お天気が安定していたので思い切って出掛けることにした。時間も遅いので車で30分ほどの郊外の観望地を選んだ。

現地に着いたのは午前2時過ぎ。着いた時点ではほぼ無風だったのだが、望遠鏡を組み立てている間に季節風が吹き始め、時間とともに強さを増してきた。それとともに北の空からみるみる薄雲が伸びてきて空の半分を覆ってしまった。そうなると選択肢は、帰るか南天の対象を選ぶかの2つ。しかし何の収穫もなく帰るのはシャクなので、オリオン座を長時間露光でガイド撮影してみることにした。

今回は月明かりがないので、コンデジのレンズをズームで55mm(F値は3.2)にした上で露光時間を思い切って322秒設定にすると、手動ガイドした。ISOを最初は250にしたが、それではさすがに暗すぎたので400と500で撮影してみた。途中で薄雲が西の空まで伸びて写野の下側を被ってきただけでなく、時々オリオン座本体も非常に薄い雲に覆われることがあったが、そうやって撮影した4コマをコンポジットしてみた。

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前回の撮影は、下弦の月ではあるものの月明かりもあって露光時間を1分弱に設定せざるを得なかったが、それと比較すると今回はコンポジットした枚数は少ないにもかかわらず、バーナードループの存在がかなり明確になった。ここまで写るのであれば、夏の銀河など対象となる領域は多い。コンデジで直に撮影するのであれば追尾に高い精度は要求されず、多少は粗くガイドしても画像的には問題ないので、5分の手動ガイドもそれほど苦痛ではない。

5分間露光を試しているうちに、吹き続けていた季節風に強弱が出てきて、次第に風の間隔が開くようになってきた。そうなると、風の吹き始めと逆の順番で雲も減ってきた。いつの間にか時刻は午前4時を過ぎたが、こうなったら薄明までの時間に8cm本体でのコリメート撮影を1つやってから帰ろうと心を決めた。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-12-09 01:36 | 月・星のある風景

久々のNikon 8cm登場(M78星雲)

せっかくの新月期を出張のためにこのまま逃すのは何とも悔しいと、11月29日の晩は夜なべ仕事を終え日付が変わってから、冬の間の観望地探しを兼ねて八ヶ岳山麓へ出掛けた。以前から候補地として考えていた場所に出掛けてみたところ、この夜は寒気が後退して妙に暖かだったためにほぼ無風で、一番懸念される季節風の影響が確認できなかった。しかもスキー場の人工降雪機も止まっていて、その照明の影響も確認出来ずじまい。まあ考えようによってはラッキーだったのだが、観望地探しの課題は持ち越しとなった。

しかも北東側が曇っていて北極星が見え隠れしている。北極星が顔を見せた瞬間を狙ってササッと赤道儀の向きを合わせたのだが、これが意外とドンピシャだった。それならばと、久しぶりに8cm本体でのコリメート撮影に挑戦することにした。頭の中にはBode銀河が対象としてあったのだが、雲に隠れてしまっていたので、一番空が安定している南天のM78星雲に望遠鏡を向けてみた。

眼視で確認して30mm接眼レンズにコンデジをつないでセットアップし、まずは64秒露光で手動ガイドしてみたところ、ガイド星は視野の中心からほとんど外れなかった。適当にやった割には極軸合わせはバッチリだったようだ。そこで80秒からさらには128秒まで露光時間を延ばしてみたが、手動追尾に伴うエラー以上の星のズレはなかった。ただ、肉眼ではなんとか冬の銀河が見えてはいたのだが、どうも暖かだった分だけ上空の水蒸気が多かったようで、ISOを相当に下げていっても背景の空が黒くならなかった。

最終的には、64秒露光でISOが1600から800までの17コマ、80秒露光でISOが640の5コマ、128秒露光でISOが800から500の8コマの、合計30コマ(単純合算で累積露光時間は40分強ということになる)をコンポジット処理したのだが、背景が白っぽいために画像処理で星雲の淡い部分との折り合いがつけられず透明感に乏しい画像になってしまった。

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それでもM78本体と暗黒帯をはさんで流れるガス星雲の濃淡もかなり良く写っているし、ISOを落とした分だけ画質も良好だ。手動ガイドのエラーで星が若干は流れているが、星雲のかなり微細な部分まで写っている。ミニ・ボーグでの撮影はお手軽ではあるのだが、長秒露光が可能になってみると解像度の面では8cmとは勝負にはならない。こんなに写るなら透明度の良い晩に再挑戦してみたいが、今度はM78本体を少し中心から外し気味して、暗黒帯の反対側の星雲も含めて中心部に来るような構図になるように注意したいと思う。

追伸
追尾エラーの比較的少なかった16コマを選んで、画像処理からやりなおしてみたので、改めてアップする。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-12-04 01:47