ダーク減算が入らない!!(その1-M51子持ち銀河)

1月29日の晩は、購入したCanon Power Shot S95にCHDKを入れて、Nikon 8cmでのコリメート撮影に挑戦した。ところが、その積もりは全くなかったのに撮影してみるとダーク減算処理が行なわれない!!??。コンデジのメニュー画面を見直しても、なぜそうなるのかは分からなかったが、いずれはダーク減算なしで撮影してPC上でまとめて減算処理を行なうことを考えていたので、そのまま前倒しでテスト撮影することにした。

望遠鏡をM51に向けると、露光時間を40秒にISOを1600にそれぞれ設定し撮影してみた。いつもなら、ダーク減算処理の間は手動追尾を休むことができるので、セルフタイマー機能を使って4-6コマを連続して撮影している。しかし、今回はコマ間の休みなしで撮影することになるので、2コマ連続撮影の設定にして撮影し、一呼吸ついてまた2コマを撮影するというパターンでやってみた。やはりコマ毎の減算処理が要らないので、いつもよりコマ数が稼げる感じだ。しばらくすると疲れのせいか追尾の精度が落ちて来たので、露光時間を20秒に減らしISOを2000に上げて撮影を続けた。そして、また元気になったところで、最後に2分露光でISOを640に設定して数コマ撮影してみた。減算処理用のコマも条件を変更する度に望遠鏡にキャップをして撮影しておいたが、熱カブリは露光時間やISOに比例して強くなった。

結局、全部でダーク減算用のコマも含めて約50コマを撮影したが、要した時間は1時間ちょっとだった。撮影したコマの露光時間を積算すると約35分なので、従来通りコマ毎にダーク減算が入れば、倍の時間を要するから単純計算で70分になる。撮影のインターバルも含めれば最低でも1時間半はかかったハズだ。

b0167343_1644186.jpg撮影した各コマを、望遠鏡にキャップをして同一設定で撮影したコマと重ねた上でPhotoshopの「差の絶対値」を使ってダーク減算処理を行なったが、操作は簡単で手間はほとんど気にならない。肝心の画質であるが、減算処理でスジ状の熱カブリが消失してはいるものの、減算処理後もスジ状のムラがわずかに見えている。このムラは全てのコマで同じ場所に残ることになるが、コマ毎に対象の位置が多少はズレているので、対象に合わせてコンポジット処理をすれば目立たなくなると思われる。

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40秒露光で撮影した20コマから16コマ、20秒露光で撮影した20コマから14コマ、2分露光で撮影した6コマから4コマを選んで、合計34コマをコンポジット処理した画像を、そのまま反転せずにアップしてみた。ガイドエラーで星がいくらか線状に延びて写ってはいるものの、星雲の腕に重なって見える微光星もハッキリと確認できて、やはり2分露光のコマが効いていているようだ。キレイな天体写真を撮るための最大の要因は、十分な露光時間なのだと改めて思う。

ただ増感処理したためもあって、縦にスジ状のムラが残ってしまっている。ダーク減算処理なしの撮影は短時間でコマ数を稼げることは大きな魅力だが、やはりいくらかは画質が低下することは避けられないようだ。対策としては、コンポジットの際の手間は増えるが、数コマごとにカメラを90度ずつ回転させながら撮影していくことが考えられる。

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最後に、前回12月初旬に40秒露光で撮影した28コマともあわせてコンポジット処理してみたところ、若干は鮮明度が落ちたが画像の粗さはかなり解消された。

コンデジの撮影時でのダーク減算の有無について、どちらが良いかはもう少し検討が必要だろう。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-02-26 16:51 | 手持ち撮影にこだわる訳

2012年写し初め(その3-M101銀河と超新星)

1月2日の晩の最後はM101銀河だ。冷え込みの中での手動ガイドはやはり大変で、M1の撮影を切り上げた時点で寒さに負けて帰ろうかなと思っていたのだが、試しに望遠鏡をM101に向けて見ると、その淡い姿を眼視でも十分に確認することができた。M101には秋に超新星が出現して以来ずっと気になっていたのだが、八ヶ岳山麓は季節風の影響で北側の空には雲がかかることが多く、ここまで撮影する機会がなかったのだった。超新星の光度は次第に下がってきてはいるものの、まだまだ写真に写る明るさを残しているようだ。富士山の側から伸びてくる薄雲も、ギリギリ北斗七星の手前までで留まっている。よし、もうひと頑張りしてみよう。

露光時間を64秒に設定するとISOは1600と2400で撮影を始めた。足許から冷えて来るので、靴の中で足指を握ったり開いたりしながらも、微動ハンドルを握りしめてガイド星を追いかけた。午前4時前から撮影を始めたて、50コマ強を撮影したところでバッテリーが尽きかけて終了。時刻は5時半過ぎだった。機材を片付けて、クルマのエンジンを掛けると、外気温の表示は氷点下11度だ。手足が凍えるのも無理はない。

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その寒さのなかで微動ハンドルを握りしめ続けた成果の画像であるが、30コマをコンポジットしてみたものの、やはりもう少し露光が欲しかったというのが毎回のように同じ反省。それに色彩に乏しいのも、寂しい感じを増強している。

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そこで、昨シーズンに簡易手動追尾で撮影した写真を引っ張り出して並べてみた。矢印が新星なのだが、去年の写真は新星が出現する数ヶ月前の撮影なので、新星の周囲の他の星は確認できるが、今回の新星が写っている部分には当然ながら星は写っていない。こうしてみると、去年の写真と比較すれば今回の画像はそれでも天体写真らしくはなってきている。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-02-23 01:32 | 星雲

2012年写し初め(その2-M1カニ星雲)

1月2日の晩も日付が変わってしばらくすると、月が沈み空の暗さが増して来た。M97に続いて望遠鏡を向けたのはM1かに星雲だ。M1は、この時期には夜半に天頂方向に位置していて撮影するには好条件なので、冬のはじめから撮影の機会をうかがっていた。ところが、風が強かったり雲が出て来たりと望遠鏡を向けるのに何か必ず妨げがあって、ここまで撮らずにきてしまっていた。思えば、M1はこれまでも望遠鏡で確認するのに難渋しているし、せっかく確認できたのに結露に悩まされたこともあった。

さて、この夜はと言えば望遠鏡の眼視でも存在を十分に確認することができた。そこで早速にコンデジをセットすると、露光時間を64秒に設定してISOは1600と2400で撮影を始めた。ところが、富士山側から張り出してくる薄雲が、時折オリオン座を越えて広がってM1を覆ってしまい、その度に撮影を中断せざるを得なかった。それでも1時間半ほどかけて全部で約50コマを撮影したところで、コンデジのバッテリー切れになった。

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その中から、薄雲の影響を受けずガイドエラーの目立たない32コマを選んでコンポジット処理した。星雲の全景としては、以前の写真とそう大きく変わらない感じだが、星雲の一端が赤くなっていて、フィラメント状の赤いガスの吹き出しの一部が写っているようだ。ただ、ちょっとフォーカスが甘かったなあ。

ところで、この晩に撮影していた場所は、高さ2メートルほどの金網を隔てて南側は灌木と草原が混ぜこぜにになった原野が広がっているのであるが、撮影中に金網を隔ててすぐの辺りから、微かにポキポキと枯れ草を踏みしめる音や獣の気配がずっとしていた。おそらく鹿が金網の直ぐ向こうに来ていたのだろうと思う。本来なら落ち着かない気分で、こちらは手動ガイドどころではないような場面なのだが、金網が一枚あるので腹をくくって微動ハンドルを握り続けていた。向こうもきっと同じような感じで、こちらの存在は重々知りながら、金網があるので安心して餌でもあさっていたのであろう。この不思議な緊張関係は30分程続いていたが、やがて向こうが静かに去っていった。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-02-15 00:46 | 星雲

2012年写し初め(その1-M97ふくろう星雲)

既に2月も半ばだが、2012年の写し初めは1月2日の夜だった。本当は1日の晩にも月没を待って出掛けたのだが、素晴らしい星空は望遠鏡を組み上げた途端に雲で覆われてしまった。天気予報の通りだった。そこで、3日の晩はまだ月があるうちに出掛けて準備を整えた上で月没を待つ事にした。季節風が強まる予報だったので、「八ヶ岳下ろし」を受けるいつもの八ヶ岳山麓は避けて、富士山麓に出掛けた。

現地着は23時過ぎ。既に同好の志が撮影の準備を整えていた。松林が北西の季節風よけになるように考えて、西寄りに車を停めると望遠鏡を組み上げた。月が西の空にまだ明るく出ていたので、月からは比較的遠いM97ふくろう星雲に望遠鏡を向けた。年末にはM108銀河と一緒の構図で撮影したが、今回はM108を視野外に追いやってM97を真ん中に置いて撮影をはじめた。

例によって、Nikon 8cmに30mm接眼レンズを組み合わせ、コンデジの露光時間は64秒に設定すると、ミニボーグでガイド星とにらめっこしながら完全手動ガイドで撮影をしていった。月明かりの影響があるので、最初はISOを600から始めて、月が高度を下げるにしたがってISOを800、1000と段階的に上げていった。幸い季節風の影響はほとんど受けずに手動ガイドに集中できたので、ガイド不良も比較的少なかったが、約1時間半をかけて全部で40コマ弱を撮影したところで、バッテリーの残量が尽きてしまい終了とした。厳しい寒さの影響でバッテリーの持ちがかなり短くなっている。撮影を終えるころには月はかなり高度を下げていたので、本当ならISOをもう少し上げてコマ数を稼ぎたいところだったが、やむを得まい。

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ということで、ガイドエラーの少なかった22コマを選んでコンポジット処理してみたが、月明かりを考慮してISOを相当に下げていたこともあって結果から言えばやはり露光不足だった。それでもフクロウの目玉はもちろん、2つの目玉の間に小さな星が1つ、ちょうどクチバシのように写っているは確認できる。ガイドが比較的うまくいって星々は点像に近く写ったので、コマ数を増やせれば、もう少しハッキリと対象を捉えられたハズだ。デジカメのバッテリーを入れ替えるとセット・アップがやり直しになるので、その労を惜しんだばっかりに、せっかくの好条件での写真が中途半端になってしまった。

追記
3月下旬にPower Shot S95で再び撮影を試みたが、この夜は雲に阻まれて16コマだけの撮影に終わった。そこで、2回分の撮影をコンポジットしてみた。
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星雲の見栄えが多少は改善したように思うが、2回の撮影でレンズの収差の向きが異なっているために、周辺部の星像がかなり乱れてしまった・・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-02-12 00:47 | 星雲

速報 ギャラッド彗星とM92球状星団

以前にも書いたことがあるが、サクラと富士山、松と城壁、紅葉と古寺・・・と組合わさると心惹かれるのが日本人というもの。天体でも同じで、月と惑星の接近なんていうとジッとしていられない気分になる。まして、彗星とメシエ天体の組み合わせになると放っておくわけにはいかないハズだったのが・・・すっかり失念していた。

2月3日の晩は厳しい冷え込みではあったが、季節風が弱まる上に快晴の予報だったので、月没は午前3時過ぎと遅いものの週末だし出掛けることにした。月没の頃には南天のω星団やNGC5128、そしてM83がある程度は高度を上げるハズなので、冬の高い透明度を生かして撮影してやろうという算段だった。行った先は、八ヶ岳の手前の茅が岳の麓にあるいつもの場所。ここは、季節風が吹き抜けるのが難点なのだが、八ヶ岳よりは家から近く雪も少ない。それに、アッベクや車好きの若者が訪れることも稀なのが好都合な場所だ。予報通り季節風は弱かったが、万が一に備えて公園の端っこにあるトイレを風よけにして望遠鏡をセットした。

そのうちに、駐車場の反対側に珍しく車が止まった。エンジンを切っていることからアッベックではないことはうかがえたが、距離があるので何をしているのかよく判らなかった。そうこうしているうちに月が沈んで空が急に暗くなった。ω星団が遠くの電線の下に確認できたので、撮影を始めようと準備を始めたところ、向こうから人が駆け寄って来た。どうやらトイレに来たようだ。その瞬間に同好の志だと確信して声を掛けた。聞けば、東京からギャラッド彗星を撮影しにここまで来たのだと言う。そうだ、忘れていた!!今夜がM92と最も接近する晩だったんだ。

それでも、まだω星団の撮影をしていたのだが、再びこちらに来てくれてNikon 8cmでも十分に同一視野に入る近さだと教えて下さった。自身はオートガーダーに任せて撮影中だと言う。そこで慌てて望遠鏡を向けてみると、見事に同一視野内だ。一見すると、どちらが彗星でどちらが球状星団なのか区別がつかない。メシエが彗星発見で紛らわしい天体としてリスト・アップしたのも、さもありなんと合点がゆく。しかし、どうやら彗星の方は尾がうっすらと見えている感じだ。

ということで、コリメート撮影を始めた。最初は45秒露光にしたのだが、寒さで体が震えて手動ガイド・エラーが続発したのと薄明が近付いてきたのとで、露光時間を20秒にした。ISOは1250から薄明を過ぎてからは800に設定して撮影した。その中から、ガイド・エラーの少ない16コマを選んでコンポジット処理してみた。時間が限られており撮影しながら対象を中央に持ってくるように調整していったので、コマごとに対象の場所がズレてしまいコンポジットすると周辺部の星に収差が出てしまったため、周辺部を20%ほどトリミングしてある。それでも、M92と彗星は星像があまり乱れずに済んだ。それから、以前に手持ち撮影したハートレー彗星よりも移動速度がかなり遅く、ギャラッド彗星もたいして流れずに写ってくれた。ちなみに最初のコマが4時48分で最後のコマが5時21分の撮影だった。

b0167343_111346.jpg出来上がった画像は彗星が球状星団にビームを発しているようで、なかなか面白い感じになった。眼視だと彗星の色や球状星団の個々の星々までは確認できないが、概ねこの画像のイメージだ。彗星の全容は、この晩にご一緒したfornax8さんが業界では有名な天体写真用反射望遠鏡で撮影し、独特の画像処理を施した画像をブログにアップしておられるので、そちらをご覧あれ!

それにしても、万が一fornax8さんが教えて下さらなければ、厳寒の晩に出掛けていながら貴重な天体ショーをあやうく見逃すところだった・・・。fornax8さん、どうもありがとうございました!
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by Nikon8cmtelescope | 2012-02-06 01:15 | 彗星

緊急レポート Canon Power Shot S95によるノーガイド撮影(その4-Ninja320編)

Canon Power Shot S95のローライト機能によるコリメート撮影は、画質が粗いものの、それなりの成果が得られることが確認出来たので、いよいよ本命のNinja320でのテスト撮影となった。1月29日の晩に東京出張から戻ってくると、季節風も弱まって空もマズマズな様子。ということで、車に久しぶりにNinja320を積んで家を出た。

少しでも早くNinja320の反射鏡が外気温に順応するようにと、車のヒーターは入れずに後の窓を全開にして高速道路を走る。厳冬の晩に、すっかり着膨れして毛糸の帽子に手袋まで身につけ、怪しい筒を座席に積んで窓を開けて運転しているのだから、これほど怪しい車はないだろう。ひと昔前なら料金所で通報されたかも知れないが、ETCのお陰で料金所も素通りして、無事に?!いつもの場所に辿り着いた。車の温度計は氷点下5度を示していた。

さて、Ninja320を組み立てて確認してみると、半年間のブランクにもかかわらず懸念された光軸は以前と変わらない様子だった。宣伝文句の通り、確かに安定した機材である。しばらくは筒内気流が収まるのを待って双眼鏡で空をながめていた。天頂方向の空はマズマズだが冬らしいシャキっとした空という訳ではなさそうだ。北西から南にかけての山々の上には雪雲がかかっており、シリウスよりも低空の空は靄がかかったように見える。オリオン座にも時々薄雲がかかるが、こちらはすぐに消えてしまう。状況は異なるものの、総合的にはNikon 8cmで撮影した晩の空の条件と同じようなものだろう。幸いに風は弱く、Ninja320の鏡筒が煽られるようなこともなかった。

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頃合いをみてS95をNinja320に装着すると、ローライトでの撮影を始めた。そして撮影した中からISO 12800を108コマ、6400を60コマ、3200を51コマ選んでコンポジット処理した上で、増感処理は加えずに組み写真にしてみた。上段に並べたNikon 8cmでの画像に比較すると、下段に並べたNinja320の画像の方がやはり星雲の淡い部分まで写っているのがわかる。

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最終的に3つの条件で撮影した219コマをコンポジットした上で、多少の増感処理を施してみた。Nikon 8cmで撮影した画像の方が強く増感処理を施したので、一見するとそれほど差がないように見えるが、解像度や星雲の淡い部分の描出は明らかにNinja320に軍配が上がる。しかし、8cmと32cmの口径差ほどには画像に差がないのは、コンデジの光学上の制限が32cmの明るさを生かし切れていないということなのだろう。

一方、Nikon 8cmは赤道儀に載っているので、ノーガイド撮影とは言っても微動ハンドルで絶えず対象を視野の中心に置けるが、Ninja320は筒を二軸方向に微妙に手動で動かして対象を視野の中心に据える必要がある。このため、Ninja320では対象が微妙に中心をズレるコマが増えて、コンポジットすると周辺部に収差が目立つという弱点も、2つの画像を比較すると見てとれる。

とにもかくにもS95のローライト機能はそこそこ使えそうな感じなので、またNinja320の世界も切り取っていこうと思う。

追加
Nikon 8cmとNinja320の最終的なコンポジットを、同じレベルで増感処理した画像を追加します。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-02-04 23:51 | 手持ち撮影にこだわる訳

緊急レポート Canon Power Shot S95によるノーガイド撮影(その3-Nikon 8cm 編)

さて、注文したS95が届いてからというものの、せっかくの新月期をはさんでお天気は荒れ模様が続いた。1月21-22日の週末は盆地の底の当地は季節外れの雨降りだったが、日曜日の夕方には天候が回復してきた。21時を過ぎる頃に外に出て確認してみると思ったよりも星がよく見えている。そして暖かい。ということで、急遽出掛けてみることにした。本当はNinja320を持って行きたいところだが、天気予報があまり良くなくてNinja320が気温に順応して筒内気流がおさまるのを待っている余裕はなさそうだったので、出してスグに観望可能なNikon 8cmを車に積込んだ。

盆地の縁にあるゴミ焼却場の前を通ると、通常ならこの時期は季節風に煽られて煙突から煙が真横に流れているのだが、この夜は真っすぐ上にしかもそのまま漂っているように見えた。季節風がないために盆地の中の空気が停滞していることがうかがわれ、本来なら標高の高いところまで行きたいところだ。しかし、雪の影響も懸念されたので八ヶ岳山麓手前の観望地にした。幸い、その辺りまでは日陰に少し雪が残っている程度だった。肝心な空はと言うと、冬の銀河の存在が何となく確認できるものの、かなり湿度が高く靄が薄らとかかっているようだった。

望遠鏡をM42オリオン星雲に向けて、30mm接眼レンズにS95をセットすると、さっそくローライトでISOを12800に設定し、露光時間は1秒でコリメート撮影を始めた。追尾はせずに、デジカメのセルフタイマー機能で4コマを連続的に写しては、微動ハンドルで対象を視野の中心に導いて再び撮影する、ということを繰り返した。さすがにISOが12800ともなると、モニター上でも画質が粗いのがわかる。そこでISOを12800で約200コマを撮影したのに続いて、ISOを6400と3200に落として各60コマほど撮影した。この間に靄が濃さを増してきたのと、望遠鏡の筒に付着した靄が凍結し始めたため、早々に撤収した。これだけのコマ数を撮影するのに要した時間は40分程度だった。

b0167343_2237231.jpg
撮影したコマのうち、フォーカスが甘いコマを除いて、ISO 12800で103コマ、ISOが6400と3200で各43コマをそれぞれコンポジット処理したのが上段の画像で、それぞれに同じ強調処理を施したのが下段の画像になる。わずか1秒の露光時間だがISO12800だと星雲のかなり淡い部分まで写っており、ISO 3200との差は歴然としている。画像の粗さは半端でないが、100コマ以上をコンポジット処理すれば、多少の強調処理には耐えられる。

b0167343_22404775.jpg全189コマを最終的にコンポジットして整えたのが、上の画像になる。追尾して撮影した画像に比較してみると、星雲の赤い部分に比べて白っぽい部分がほとんど写っていないのは、この日の透明度の悪さが影響しているかも知れない。それでも追尾なしの1秒露光でここまでの画像になるとは驚きだ。

こうなると口径32cmのNinja 320では、いったいどのくらいまで写るのだろうか・・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-02-02 22:43 | 手持ち撮影にこだわる訳