連休前半は川下り!

去年のゴールデンウイークは、インフルエンザで寝込んでしまい、星を観るどころではなかったが、今年は体調も良くてお天気もマズマズで、夜な夜な八ヶ岳周辺で星空三昧だった。

あちこちで同好の志に遭遇し、霧の中での天候回復待ちの間に1時間以上もおしゃべりをしたりもした。初対面でも暗闇だとなぜか打ち解けて色々な面白い話しも聞く事ができ、それはそれでとても楽しかった。お互いに結局顔も知らないまま別れるのも、この趣味ならではなのだろう。

メシエ天体の完走を目指しているのに、春の系外宇宙がゴッソリと残ってしまっている。だから、そこを1つずつ丹念に撮影していくつもりでいたのだが、夜半まで月が残っていて、ちょうど月が沈むと天の川がぼちぼち高度を上げてくるというタイミング。そんな訳で、ついつい夏の華やかな星雲に気持ちが移ってしまう。結局は、天の川の川下りのような感じになってしまった。

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去年の連休の成果!?も組み写真にしたので、今回の成果もやってみた。個々の画像は、またおいおいアップしていくつもりだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-30 23:35 | 手持ち撮影にこだわる訳

春の系外宇宙(その4-NGC4631/NGC4656銀河)

なかなか晴れないと書いたら、4月23日から24日にかけては久しぶりの晴天となった。g-logさんのカッコイイNGC4631の写真に心惹かれ、調べてみたら銀河の長軸が15.5分と思いのほか大きいことがわかった。もちろん、g-logさんのような写真が撮れる訳はないが、直ぐ近くにNGC4656という一風変わった銀河もあり、Nikon 8cmに30mmの接眼レンズだと両者が十分に同一視野内に収まることもあって、トライしてみることにした。

ということで4月24日の晩は、夜半から快晴との予報に備えて仮眠をとり、24時前に八ヶ岳山麓に着くと、やや透明度は低いものの東の空に昇ってきた天の川が確認できるそこそこの条件だった。コルカロリから南に特徴的な星の並びをたどって、ここだろうと思われる辺りに望遠鏡を向けて接眼レンズをのぞくと、針のように細長いNGC4631銀河が眼視でも十分に確認できた。M82を細く引き伸したような見え方で、メシエ天体に入っていないのが不思議なくらい良く見える。一方、NGC4656は眼視でははっきりしなかった。

S95を接眼レンズに装着し、ISOを3200で露光時間を20秒に設定して完全手動追尾によるコリメート撮影をはじめると、NGC4656もちゃんと写っているのがバックモニターで確認できた。20秒露光で20コマほど撮影し、さらに露光時間を30秒に延ばして撮影していると、下界から南風に乗って雲がどんどん上ってくるのが見えた。そうなると追尾装置を握る手にも力が入る。そして、あっと言う間に雲が空全体に広がってしまった。撮影を始めてから1時間足らずの幕引きだった。本当なら露光時間を40秒、64秒と延ばしながらISOを段階的に下げてコマ数を稼ぐつもりだったのだが、仕方がない。

b0167343_015375.jpg全部で32コマをコンポジット処理してみると、NGC4631のほうは細長い非対称の紡錘形に濃淡のある様子が写っていた。また、小さいが伴星雲も写っている。NGC4631はクジラ銀河との別名があるようだが、この写真では爪楊枝のような感じだ。NGC4656は「へ」の字に折れ曲がった不思議な形状がなんとか確認出来る。美しいブルーの色合いも捉えられていて、尾羽を閉じた孔雀のようにも見える。この2つの銀河は、お互いに重力の影響を及ぼし合っているために、このような変わった姿になっているのだという。

露光時間が短い上にフォーカスが甘く、ISOが3200なのにコマ数が不足して画像が粗いため、とうてい満足できるような画像ではないが、意外とよく写っていて驚いた。ぜひとも、またじっくりと撮影してみたいが、時期的に来シーズンのお楽しみということになりそうだ。

それにしても、この夜の気温は3度。つい1ヶ月前には、防寒下着を重ね着し、凍える指をさすりながら氷点下10度前後の条件で撮影していたのと比べると、その点では快適な季節になった。しかし、南風に乗って下界の湿った暖気が上ってきて霧が発生しやすい状況にもなっていて、厳しい条件ではあったが厳寒の中の星空が早くも懐かしく思われる。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-27 00:11 | 星雲

春の系外宇宙(その3-M104ソンブレロ銀河)

4月も中旬を過ぎて新月前後の稼ぎ時を迎えたのに、お天気がさっぱりだ。ということで、春のはじめに撮影した系外宇宙の写真をまた1つ。

天文少年だった頃に飽かずながめたリック天文台の天体写真集で、強く印象に残っているのがM104ソンブレロ銀河だった。他の銀河よりも大きな写真で、紙面からはみ出しそうな円盤状の光の塊は大迫力だった。また、ソンブレロという耳慣れない言葉も妙に魅力的だった。そして、望遠鏡で直接にながめることはないまま天文少年を卒業してしまったために、自分の頭のなかではM104は非常にみかけの大きな銀河星雲だという勝手なイメージができていた。

そのためだろう。M104は望遠鏡で見る度に、その小ささが何だか新鮮に感じられる。現実の姿を知ってしまった失望というのとは違って、ちょっと甘酸っぱいような気持ちといったらいいだろうか。さて、そのソンブレロ星雲は、Nikon 8cmの完全手動追尾のコリメート撮影でどこまで写るのだろうか。

2月29日の晩も遅くいつもの茅が岳の麓に行くと、日付が変わったころにM104にNikon 8cmを向けた。M104は南中しても高度が比較的低く南側にある盆地の街灯りの影響を受けるため、ISOは低めに設定した。撮影を始めると、望遠鏡のバランスには十分に注意したつもりだったが、微動ハンドルがスムーズに動かない。何度も微調整をするがさほどは改善されないのは、もしかしたら赤道儀に何か構造的な問題があるのだろうか。

うまくいかない追尾にストレスを感じながらも、ISOを2000から1000で露光時間を20秒に、さらにISOを800と640で露光時間を32秒に、そしてISOを640と500で露光時間を40秒に設定し、全部で約70コマを撮影した。

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そのなから46コマを選んでコンポジット処理したが、やはり星が東西方向に少し流れてしまっている。しかし、銀河を横切る暗黒帯がほぼ東西方向に走っているために、暗黒帯はシャープに写っている。そして、同じエッジオンでもNGC4565に比較すると中心部に光が集中して腕が短く、金属的な光沢のような質感があって、まさに空飛ぶ円盤といった感じだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-23 00:12 | 星雲

春の系外宇宙(その2-NGC4565銀河)

「かみのけ座」にある散開星団のMel111は、プレセペ星団よりも一回り見かけが大きくて、春の初めの夜半に見上げると肉眼でも空高くにボンヤリとその存在が確認できる。そして、このMel111が高く昇る時間帯には、プレセペ星団はそろそろ西の空に高度を下げ始める。NGC4565は、このMel111の近くにある代表的なエッジオンの系外宇宙だ。スッと伸びた両腕が面白い銀河なのだが、眼視だと中心部の光芒のみが確認できるだけなので、メシエのリストに入っていないのも仕方がないのかも知れない。

このNGC4565は、エッジオンで光が狭い領域に集中しているために、これまでの手持ち撮影追尾なしの撮影でも意外と良く腕の部分が写るのだが、その一方で自転の影響で流れて写るためシャープな姿にならず、大いに不満を感じてきた対象でもある。この銀河を追尾で撮影したら、どこまで写るのだろうか。口径の大きな望遠鏡の撮影だと、中央を横切る暗黒帯の中に弾けた柘榴の実のように細かい構造が見えているのだが、それがNikon 8cmの撮影でも確認できるだろうか?

2月27日の晩に、Mel111が天頂付近に昇り切ったのを待って望遠鏡を向けると、モチベーション高く微動ハンドルを握りしめて追尾を始めた。追尾の精度を高めるために露光時間は欲張らず、露光時間を20秒にしてISOを3200に、さらに露光時間を30秒にしてISOを2000と2500に、そして露光時間を40秒にしてISOを1000と1600に設定すると、全部で約70コマを撮影した。

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45コマを選んでコンポジット処理してみると、銀河の両腕は大口径の望遠鏡で撮影された画像にそう遜色ないぐらいまで長く伸びて写っている。そして、腕の長さだけでなく捻れ具合まで左右で異なる様子がわかる。一方で、中央を横切る暗黒帯の細かい構造は全くと言っていいほど写っていなかった。これは、拡大率や解像度からは仕方がないのだろうが、ちょっとガッカリだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-17 01:39 | 星雲

春の系外宇宙(その1-M101銀河)

淡い天体を写す時には、どうしても露光時間を長くしたくなるが、手動追尾だと露光時間に比例して追尾エラーが多くなってしまう。先の散開星団の撮影で、露光時間を抑え目にして追尾エラーの少ない画像を選んでコンポジットすることで、かなり鮮明な画像を得ることに成功したので、系外宇宙でも同じ手法で撮影を試みた。

まずは回転花火の異名を持つM101。春の系外宇宙のなかでは、見かけの大きさがある分だけ星雲も淡い天体だ。2月19日の晩の夜半過ぎに露光時間を32秒にしてISOを1000から3200に、さらに露光時間を40秒にしてISOを1250から1600に設定すると、全部で約70コマを撮影した。要した時間は1時間40分ほどだった。

その中からガイドエラーの少ない53コマを選んでコンポジット処理した。やはり全体的に露光時間が短いので、腕の淡い部分はかろうじて追えるかどうかという写りだが、ガイドエラーが少ないため星が点像に近く写っている。

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超新星は、お正月に比べると暗くはなっているが十分に存在が確認できる。きれいなブルーに写るとして話題になっているが、言われてみると確かに青い。超新星の周囲まで青緑に見えるのは、淡い銀河の腕を浮き立たせるために強調処理をかなり強く効かせたので、超新星の輝きが滲んだのだろうか。

追伸
さすがに上の画像は強調処理が過ぎたので、もう少し控えめに処理してみた。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-12 23:40 | 星雲

早春の散開星団(その4-M35星団)

2月18日の晩に続き、2月19日の晩も茅が岳山麓から散開星団を眺め撮影した。今回は「ふたご座」の足許にあるM35だ。この星団は、所属は異なるが「ぎょしゃ座」の五角形の中にあるM38とM36から、五角形の外にあるM37を経る緩やかな弧の延長上に存在しており、この4つの散開星団でセットのような感じがする。ちょっと調べてみると、地球からの距離は順番に2,850年、2,750年、3,700年、3,600年なので比較的揃ってはいるが、相互に直接は関係はないようだ。

さて、このM35の面白いのは、低倍率で同一視野にNGC2158という散開星団が入ってくるところだ。ただしNGC2158はかなり暗く小さいので、条件がよくないと眼視で確認するのは難しい。この夜はまずまずの透明度で、30mm接眼レンズの40倍でM35本体を視野の中心に置くと、視野のはしの方に星雲状のNGC2158の存在が確認出来た。

レンズの収差の影響を避けるため、NGC2158があまり端にならないようにM35本体を少し視野の中心からズラした上で、コンデジによるコリメート撮影を始めた。M37やM67と同じで、露光時間を20秒にしてISOを1000に設定し、さらに露光時間を30秒にしてISOを640に設定して、全部で約60コマを撮影した中から26コマを選んでコンポジット処理した。

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そうしてみると、M35が青白くいかにも若々しい力が感じられる星々からなるのとは対照的に、NGC2158は赤褐色を帯びて弱々しい感じながらも、ちゃんと星団であることが確認できる。NGC2158がM35より暗くて小さいのは、当然ながら前者がより地球から遠いからに他ならない。そう思ってこの写真を見直すと、平面的な世界から立体感のある世界へと、急に宇宙の奥行きが感じられるようになるから面白い。さらに星の色合いの違いは、NGC2158がM35よりも年老いた星々から成ることを意味しているのだろうと思う。そう考えると、宇宙の立体的な広がりだけでなく、時間的な奥行きも感じられてくる。望遠鏡で切りだした小さな視野が、実はとてつもなく大きな空間なのだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-08 00:11 | 星団

早春の散開星団(その3-M67星団)

さて、また本来のNikon 8cmの世界に戻ろう。

2月18日の晩に、M45とM37の次に撮影したのは「かに座」のプレセペ星団の足許にあるM67星団だ。眼視だと、M37が一見すると星雲状に感じられるのに対して、M67は星々が上品に程よく集まった美しい星団だとわかる。やはり星を線で結ぶというよりも、全体として何かの形に例えたくなる、そんな密集度だ。

M37と同様に、露光時間を30秒にしてISOを640に設定し、さらに露光時間を20秒にしてISOを1000に設定して全部で約60コマを撮影した中から、26コマを厳選してコンポジット処理した。

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王冠に例えられるという話しも読んだ事があるが、そう言われてみると星団の近くにある星をちょうど右上を向いた目と口に見立てれば、なんとなく冠を被った人の顔が見えてくる。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-05 01:37 | 星団

メシエマラソンを記録する

メシエマラソンは、全部で110個あるメシエ天体を一晩で全て見ることを目指したお遊びで、メシエ天体が春の夜空に比較的多い一方で秋の夜空に少ないことから、この時期に行なうのが最適とされている。

前日にスタパオーナーさんからお声をかけていただき、3月28日の晩に沈み行く冬の星座を気にしながら八ヶ岳山麓のスタパに駆けつけた。21時過ぎに到着するとオーナーさんが準備を整えて待って下さっていて、即スタート。ただし、西側に木立があることもあって、秋の天体だけでなく「おうし座」や「オリオン座」の星雲星団も残念ながら対象外になってしまった。

スタパのメイン機はミードの40cmシュミカセで、もちろん自動導入で自動追尾ができる。焦点距離が4メートルもあるので、いつもは2インチの40mm接眼レンズで観望するところを、今回は無理をお願いして、コリメート撮影できるように愛用の焦点距離30mmのLE30にしていただいた。100倍ちょっとの倍率から130倍強に上がった分どうかなと心配したが、かえって背景が黒く引き締まって40mm接眼レンズよりは見やすいのでは、というのが一緒に参加された写真家の牛山俊男さんのご意見。オーナーさんも、全く同じことをおっしゃったのでひと安心した。

自動導入とは言え対象を視野の中心に調整する必要があるので、オーナーさんが苦しい体勢でコントローラーを使って微調整してくださり、こちらはそれをただ覗き味わうという楽々マラソン。眺めた後はアダプターでコンデジを接眼レンズに装着し、そのまま15秒の露光時間でコリメート撮影するという流れ。

スタートはM44プレセペ星団で時刻は21時16分だった。冬の散開星団をどんどんとこなし、春の銀河星雲へと進む。特徴に乏しい系外銀河が密集する「おとめ座」から「かみのけ座」のあたりはメシエマラソンで一番の難所だが、スタパオーナーさんの水先案内で順調に通過した。この夜は透明度とともに気流も良好で、途中で土星と火星も観望した。特に夜半前後で気流がどんどん安定してきたということで、牛山さんが土星の動画撮影も行なった。引き続きオーナーさんも土星を撮影。その画像がアップされているが、条件の良さが引き出されている。

この後は主に初夏の球状星団を堪能して休憩を入れると、宝石箱をひっくり返したかのように賑やかな夏の天体を味わい、薄明が進む中で初秋の天体をラストスパート。91番目のM15は確認できたが、その次に導入されたM2は背景の明るさに埋もれて確認できず、最後の難関M30も残してタイムアップ。時刻は午前4時48分だった。

91天体を見た順番に撮影時刻も入れて組み写真にした。隙間には、休み時間に撮影したスタパのドームの写真を入れた。基本的にISOが3200の15秒露光で一枚撮りだが、薄明の進行とともに露光時間とISOは減らしていった。また、M51、M64、M20、M8は2コマをコンポジット処理した。
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せっかくなので、メジャーどころをもう少し大きくした組み写真も作ってみた。倍率が高いので規模の大きなM8などが視野からはみ出ているのは、ご愛嬌。
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M51とM64は、もう少し大きな画像もアップしてみる。口径40cmの分解能と集光力は抜群で、それに15秒の自動追尾が加わるとコンデジのコリメート撮影でもここまで写るのだ!!という驚きの画像。こりゃあスゴイの一言に尽きる。もちろん眼視でもグリングリンのM51の渦巻き構造や、ちょっと不気味なM64の暗黒帯は十分に楽しめた。
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b0167343_2353466.jpgそして、超新星が現れたM65の画像もアップする。この明るさなら眼視でも十分に存在を確認できたはずだが、眺めている間は新星のことはすっかり失念していた。ただ、写真でも銀河の外周部分の腕がほとんど写っていないために、銀河内に出現したという感じが非常に乏しい。

見て大満足、そしてコンデジのコリメートの威力を再確認して意気揚々のメシエマラソンだった。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-04-03 00:01 | 手持ち撮影にこだわる訳