夏空はどこへ・・・

スッキリとした夏空はどこへ行ってしまったのだろう。暑さだけは本格的なのに空はどんよりとして透明度が低く、盆地の周囲の山々すら霞んでよく見えない。

28日は、八ヶ岳山麓の清里でキャンプをする子ども達の集まりに招かれて、天体観測会を行うことになっていた。キャンプファイヤーを楽しむ横で望遠鏡の準備をしていたが、星空どころか雨が降り出してしまった。ということで、室内でのお話し会に予定を変更。これまでに撮りためた写真を使って、夏から秋に天の川の周辺で楽しめる星雲・星団をスライドで紹介したのだが、それなりに楽しんでもらえたようだった。来年の会では、実物を望遠鏡で見てもらえたらいいな・・・。

その中でも紹介した、ミニボーグでのコリメート撮影によるM16とM17の写真をアップする。こちらも、前回と同様に7月16日の晩に撮影したもので、露光時間は1分で16コマをコンポジット処理している。
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これを撮影した時には、もっともっと撮影のチャンスがあると思ったのだが、あれから一度も天候に恵まれないままに2週間が過ぎてしまった。本当に、夏空はどこへ行ってしまったのか?
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by Nikon8cmtelescope | 2012-07-30 00:57 | ミニ・ボーグの世界

大願成就

ミニボーグのコリメートで撮影してみたいと思っていた対象を、ようやく撮影することができた。

連続星なし記録を何とか阻止した翌日の7月16日の晩に、また富士見高原に出掛けてみた。やはり八ヶ岳には雲がかかっていて北極星はほとんど姿を見せなかったので、極軸合わせはかなり適当になってしまった。しかし南に低いほど雲の影響が少ないという条件だった。もう1つ対象として頭に描いていたアンタレス付近を撮影するには時間が遅すぎたので、ミニボーグにM8とM20を導くとNikon 8cmをガイド鏡にして手動ガイドしてみた。

64秒露光にしたが、ミニボーグに30mm接眼レンズの組み合わせだと、不十分な極軸合わせにもかかわらず星はちゃんと点像に写った。ISOは500と320という控えめ設定で撮影した20コマをコンポジット処理してみた。

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う〜ん、ピントが甘かったのが残念。M20の暗黒帯はピンボケ気味だ。それでも夏の季節感タップリという画像にはなったと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-07-19 23:38 | ミニ・ボーグの世界

連続星なし記録は50日目でストップ

Breeze is nice.

これは沢木耕太郎の深夜特急に、フェリーの上で海風に吹かれながら同行のネイティブが口にしたとして紹介されている有名なフレーズ。

昨晩は、久しぶり、本当に久しぶりに八ヶ岳山麓で星空の下に立つことができた。ちょっぴり湿気を含んだ夜風に吹かれながら、雲の隙間の夏空を見上げていると、このフレーズが脳裏に蘇った。

b0167343_1512775.jpgさて、肝心の撮影はといえば、これはもう散々な部類に入る。北極星が雲に覆われてしまうことが度々で、極軸合わせが十分に出来なかったので、ミニ・ボーグにコンデジを装着して、M8とM20という夏の定番を狙ったものの、1コマを撮影しただけで雲に覆われてしまった。

そこで、低空の雲の上に顔を出していたM11付近を狙ってみたが、慌てて撮影したのでピントが大甘。おまけに、こちらもしばしば薄雲に覆われ、しばらくすると本格的に雲に隠されてしまった。

b0167343_1523699.jpgだんだんと追いやられるように天頂付近に望遠鏡を向けて、今度はデネブに近い北アメリカ星雲の撮影を始めたが、こちらも雲の襲来が度々で、まともに撮れたのはほんの2コマだけという有様で、とうとう雲に隠されてしまった。

そんな散々な夜ではあったが、久しぶりにガイド星を追いかけるのは気分が良かった。日常から解き放たれた快感と、広い空間に一人でいるという寂寥感が夜風の心地よさと相まって、体の芯からリセットされる感じだった。写真はまたこの次でいいさ!

家に戻ってくると、東の空には細い月と金星そして木星が見えていて、アッと気が付いた。15日が木星食だったことを完全に失念していたのだった。もともとは大阪に出張の予定だったので諦めていたのだが、いろいろで出張が直前にキャンセルになって、その時間帯は木陰にはびこっている庭の雑草と、太陽を避けるようにして格闘していたのだった・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-07-16 15:10 | ミニ・ボーグの世界

夏の星雲・星団(その3-M27亜鈴星雲)

星空なし生活の連続記録は、もう少しで50日というところまできた。当地は10日の夕方が久しぶりに見事な天気だったのだが、夜に外で会合があった。会合が終わってから再び職場へ。22時過ぎだったが、街中からでも薄らと天の川が確認できた。そんな中を職場に向かっていると、星空が虚しくて下を向いてトボトボと歩いてしまった。

さてさて、いたずら半分で望遠鏡の接眼レンズにコンデジを押し付けて手持ちで撮影し、写ってビックリだったのがM57M27だった。今から3年前のことだ。以来いろいろなステップアップがあって、こうしてコリメートによる手動追尾での星雲・星団撮影のスタイルが確立された。冬の終わりから春にかけて主な撮影対象となる系外宇宙は、コンデジで撮影する分には色彩に非常に乏しい世界だった。だからこの季節は色彩に飢えている。春の銀河を追いかけて撮影している最中なのに、夏の大三角が高度を上げてくると、鮮やかな緑と赤のM27が無性に恋しくなって、ついつい望遠鏡を向けてしまう・・・。

4月23日の夜に、長野県の富士見高原にあるスキー場の駐車場で、春の系外宇宙を撮影していると、天の川が東の空に高度を上げてきた。そこで、久しぶりにM27を撮影してみることにした。しかし、アメリカン・サイズ用の天頂プリズムの取り付けネジが緩んできていることに気が付いたのだが、工具箱をうっかり持って来ていない。ちょうどその頃、広い駐車場の反対側に同好の志と思われる車が入ってきていた。しばらくすると発電機の音が聞こえはじめたので、これは本格的な装備の上級者だとわかった。それならきっと工具類も備えているハズだ。勇気を出して声をかけてみることにした。

聞くところによると、当地の天候が良さそうなので1泊して明日も撮影する予定で東京から遠征してきたと言う。装備を見て話しをしているうちに、天体写真を撮影する人にとっては、今やその予報はご神託として崇められているAstroGPVを作成し、関東一円に晴れの予報の観望地があらば長距離ドライブも厭わず遠征して、すごい写真を撮りまくっている「ぴんたんさん」ではと思い当たった。聞いてみると果たしてその通りだった。

ぴんたんさんが気持ちよく工具を貸して下さり無事にネジも締まったので、早速にNikon 8cmをM27に向けて見た。すると、特有な亜鈴状くびれの外側にも淡いガスの存在が何となく感じられて、空の透明度の高さがうかがえる。まだ東の空に高度が低いので、露光時間は20秒(ISO 2000)で撮影をはじめて、その後に32秒露光(ISO 2000-800)として、一時間弱で約60コマを撮影した。コンデジのバックモニターに緑を帯びた星雲の姿が現れると、寒さで鼻水を垂らしながら手動ガイドしていても、夏だあ!という気分になってきた。

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その中から48コマを選んでコンポジット処理してみた。コマ数をかなり稼いだので画質は比較的シャープで星雲と重なって10個程度の微光星が写っている。しかし、露光時間が30秒止まりなので星雲の彩度がやや低い印象だ。いずれ露光時間をたっぷりとかけて撮影し直してみようと思う。

追記 2013年1月
簡易フラット補正+星マスク処理+HDR処理を施してみた。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-07-14 23:20 | 星雲

夏の星雲・星団(その2-M57リング星雲)

新暦の七夕を迎えたが、星なし生活も今日で連続40日目。仕方がないので、3月に撮影した写真まで遡る・・・。

2月後半も夜半過ぎになると、北東の空に明るい一等星が昇ってくるようになる。「こと座」のベガだ。しかし、冬の王者オリオンこそ沈みかけてはいるものの、まだまだシリウスは西の空で眩い輝きを放っている。オリオンを追い立てて春の夜空の主役たらんとする「しし座」もまだ天空を登り切ってはいないし、北斗七星からアークツールスを経てスピカへと至る春の大曲線とて、まだ東の空にある。そんな夜空にあって、夏の大三角の一角を担う星がもう姿を現していることに「えっ!?」と思うのだが、その先に美しい天の川が控えていることに想いを馳せると、まだまだ厳しい冷え込みも心なしか体の中から和らいでくるように思う。

3月24日の晩に南中したM83を追いかけているうちに、北西の季節風に流れてきた雪雲に隠されてしまった。しばらくは雲が消えるのを待ったが、一向に回復の気配はない。すると、東の空にベガが随分と高く昇っているのが眼を惹いた。ためしに「こと座」の惑星状星雲M57に望遠鏡を向けて見ると、可愛らしいリングがはっきりと確認できた。ちょっと気が早いが、撮影してみることにした。

M57は、30mm接眼レンズそのままでコリメート撮影すると、小さなリングがつぶれてしまうので、少しだけズームをかけて撮影することにした。同じ夜にM83の時には気持ちよく動いた赤道儀が、望遠鏡の向きを変えたことでバランスが崩れたのか、はたまた軸に偏りがあるのか、とにかく動きが渋い。ズームをかけた分だけ、いつもより高い精度の手動追尾が要求されるので、一生懸命に微動ハンドルを握りしめ手加減を調整してみるのだが、なかなか思い通りにいかない。

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そこで、機材のバランスを調整し直したりしながら、露光時間を20秒と短くしISOを2000から640まで変えながら全部で50コマ余りを撮影した。その中で、なんとかコンポジットに使えたのは19コマだった。コンポジットしてみると、やはり追尾不良のため星が少し流れて写ってはいるが、可愛らしいリング状の星雲は露光時間が短かったにもかかわらず割合と色も出ている。

冬の終わりに夏の天体を撮影したり、夏の終わりに冬の天体を撮影したりと、天体写真をやっていると季節を随分と先取りすることになる。それじゃあ季節感が狂ってしまいそうだが、どうしてどうしてこれはなかなか味わい深い楽しみなのだ。寒さの中で爽やかな夏の夜風をイメージしたり、風が凪いで夜露に濡れる明け方に凛とした冬の大気をイメージしたり。例えて言えば、真冬のストーブの部屋でアイスクリームを食べたり、炎天下で熱い露天風呂につかったり、そんな贅沢が手軽に味わえる奥深い趣味なんだな。ただし晴れれば・・・の話しだけれども。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-07-08 00:07 | 星雲

夏の星雲・星団(その1-M5球状星団)

メシエ天体の中に球状星団は29あるのだが、手持ち撮影ではあるものの一昨年のうちに完走していた。完全手動追尾になってからは、M3M13そしてω星団などのメジャーなところをポツリポツリと撮影していた。しかし、空が暗い条件の良い晩だと、どうしても星雲の優先順位が上がってしまい、球状星団は後回しになってしまう。

5月13日の晩は、「マルカリアンの鎖」を追いかけているうちに月が昇り、そうこうしているうちに、その「マルカリアンの鎖」も高い木々の梢の向こうに隠れてしまった。そこで、M5球状星団に望遠鏡を向けてみた。実は、4月28日の晩も月が沈むのを待つ間にM5を撮影していたのだが、これがとんでもないピンボケだった。そこで、今回のフォーカス合わせは慎重の上にも慎重を期して進めていった。ところが、そうなると疑心暗鬼になってしまい、なかなか「これで良し!」と決断ができない。

1コマ撮影する毎にフォーカスを前後に少しずつ追い込んでいるつもりなのだが、却ってフォーカスが甘くなっているような気がしてくるから困ったものだ。それまでに何時間もひたすら十字線とガイド星を睨み続けた上で、老眼の進んできた目にムチ打ってのフォーカス合わせだから、カメラではなくて自分の眼のフォーカスが合わなくなってきているようだ。

ええいーままよ!もういいわい!と、開き直り区切りをつけて撮影してみるが、また10コマも撮影すると未練がましくフォーカスを少しいじってみたりする。月は次第に高度あげてきて足許にクッキリと自分の影が出来るようになってきた。沢山いたハズの同好の志も大部分は帰路についてしまった。時折吹きよせる季節風には心をかき乱され、冷たくて鼻水が垂れてくる。それでも、手はしっかりと微動ハンドルを握りしめてガイド星を追いかていける。気力はとっくに尽きて本能だけで撮影している感じだ。これが本能って、オレの前世はいったい何だったのだろう・・・・。

というわけで、50秒(ISOは640-400)露光からはじめて、月明かりを考慮して40秒(ISOは800-400)、32秒(ISOは2000-500)、20秒(ISOは640)と次第に露光時間を短くし、最後は15秒(ISOは640)露光として合計50コマを撮影した。

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その中から43コマを選んでコンポジット処理してみると、心配したフォーカスはかなりシャープだった。やはり、ボケていたのは自分の目の方だったのだろう。月明かりの影響で、あまり強調処理が出来ないが、よく見ると周辺部のかなり広い範囲にまで星団の構成成分だと思われる微光星が写っている。

気力も尽きての撮影だったのに、これで終わりで帰るのかと思うと物足りない。もっとたくさんの対象を自分の手でカメラに収めてみたい。よっぽど欲深い質なのだと思う。それこそ前世は何だったのだろうか。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-07-03 00:22 | 星団

無題

この週末前までは、あまり感じなかったのだけれども、今夜になったら急につらくなってきた。雨音を聞きながら、たとえ晴れたとしてもここから2週間は月明かりがあることを思ったら、耐えられない気がしてきた。

b0167343_23362987.jpg静かに星空を見上げてみたい。
日常の全てを忘れて、ただただ微動装置を握りしめ、ひたすらガイド星を追う事に没頭したい。

この画像は5月末に撮影したもの。

山で夜風に吹かれながら天の川を見上げてから、もう1ヶ月以上が過ぎた。
あれは現実逃避なんかじゃあなくて、毎日を元気に前向きに過ごす原動力だったんだ!と実感。

ネオンなんかじゃあ全然癒されないからなあ・・・。
代りになるものはないものなあ・・・。

美女の瞳の奥に密やかに輝く星なら少しは癒されるかなあ・・・と変な想像をしていたら、思いついた。

そうだネコに遊んでもらおっと。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-07-01 23:53