夏の星雲・星団(その8-M17オメガ星雲)

前回に続いて4月28日の晩。M16が雲隠れしている間に、近くのM17に浮気したのだが、その結果は・・・

・・・M16がスジ雲に隠されている間に、そのわずかに南側のM17は何事もなかったかのようにちゃんと見えている。すでに薄明時刻が迫ってはいるが、撮影してみることにした。「・・・ことにした」というと熟慮の結果のようだが、見えている星雲にパッと飛びついてしまったというのが本当のところだ。

相変わらず赤道儀の動きはシブいが、ある程度は露光時間を稼ぎたいので、20秒(ISO 2500)露光で4コマ、32秒(ISO 2500-2000)露光で5コマ、40秒(ISO 1600)露光で4コマと、露光時間を延ばしながら撮影した。しかし、夜が明けていくのが早い。駐車場のアスファルトがなんとなく白っぽく見えるようになってきた。そこで、露光時間は15秒でISOを2000から薄明の進行に応じて640まで下げながら、全部で20コマ余りを撮影した。

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積算の露光時間は12分ちょっと。短い露光時間にもかかわらず星が流れて写っているのは、極軸合わせの問題ではなくて追尾自体が不良だったことを物語っている。星雲の明るい本体から淡い部分をたどっていくと、かろうじてΩの形をイメージすることが出来る。

それにしても、この時期の夜明けは早い。真冬だったら、冷え込みに耐えさえすれば、もう1天体は余裕を持って写せるぐらいなのだが、午前4時前に撤収だ。冬の撤収時刻だとラジオでは朝の番組がはじまっていたのが、この夜(いや朝か)はカーラジオからはまだ深夜番組が流れてきた。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-30 13:02 | 星雲

夏の星雲・星団(その7-M16わし星雲)

もう9月も終わろうとしているが、ゴールデンウイーク前半に撮影した夏の星雲星団の写真がまだ残っているので、M11を撮影した夜へと戻る・・・

・・・M11を撮影している間に、夏の銀河が高度をあげて来た。そこで今夜の大本命のM16散開星団に望遠鏡を向けた。お目当ては星団に重なる鷲星雲の方なので、薄明を迎えるまでの間、できるだけたっぷりと露光時間をかけて撮影するつもりだった。ただ、どうも赤道儀の動きが渋くてバランスを調整し直してもあまり改善しない。これは手動ガイドしながら動きのクセを掴むしかなさそうだ。

露光時間をいつものように20秒に設定してコリメート撮影を始める。バックモニターでも赤い星雲が写ってきているのがわかる。30コマ近くを撮影して、ようやく赤道儀の動きのクセがわかってきた。わかってきたのだが、力加減では調整が難しい。それでも露光時間を32秒に延ばしてみた。微動装置と格闘しているうちに、なんだかガイド星が見づらくて追えなくなってきた。バックモニターに現れる星雲もスッキリしない感じだ。

あれっ、と思って空を見てみると、スジ雲がちょうどM16の高さに伸びている。見ているのはガイド星ばかりなので、空の変化には気が付かなかった。いつの間に出てきたのだろう。雲はゆっくりと西から東へ流れてはいるのだが、意地の悪いことにM16は雲に隠されたままだ。しばらく待つが事態は改善されない。それじゃあと、望遠鏡をわずかに下に向けてみると、M17は雲の帯の下にあって見えている。いずれはこちらも雲に隠されるかも知れないが、見えているとなると反射的に接眼レンズにコンデジを装着してガイド撮影をはじめてしまった。そしてM17を追いかけまわしているうちに間もなく薄明を迎えた。

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M16は全部で40コマ以上を撮影したのだが、コンポジットに使えたのは30コマで、その9割が20秒露光だった。積算の露光時間もわずかに11分。そのために星雲の周辺部の淡い部分は出ておらず、羽を伸ばしたワシといよりもムササビか不格好なヒトデのような形に赤い星雲が写っている。それでも、星雲の中にある「創造の柱」という哲学的な名前を持つ構造は、なんとか存在が確認できる。まあ露光時間の短さと追尾の精度を考えたら、こんなものだろう。

・・・できれば夏のうちに再度撮影をしておきたかったのだが、来年の宿題になった・・・

追記 2013年2月
簡易フラット補正+星マスク処理+HDR処理を施してみた。
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(画像をクリックすると少し大きくなります)
背景がフラットにはなったが、強調処理は控え目にしてある。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-27 22:40 | 星雲

一夜を捧げる・・・第三弾-アンドロメダ銀河

M45で2分超え露光の威力を確認したので、今度は明るい対象ではあるが、これまで思うような撮影が出来ていないM31アンドロメダ銀河の再挑戦の機会をうかがっていた。プレアデス星団を撮影した翌日は微妙な天気予報だったが、夜半過ぎに富士山麓で東側から天候が回復する見込みと出た。衛星写真での雲の動きもそれらしく見えるので、出掛けてみることにした。仮眠を済ませて深夜に甲府盆地を出発した時には全くの曇天だったが、富士五湖方面への峠が近付くと時々星が見えるようになった。しかし、峠を超えてしまうと全くの曇りに・・・。目的地が近付いてもなかなか星は見えてこない。

現地に到着してみると平日の夜なので他に誰もいない。空は東側が2割くらい晴れて星が見えている。そして間もなく北極星も雲間から時々見るようになったので、望遠鏡をセットした。途中でやり直す必要のないように、いつも以上に丁寧に赤道儀の極軸合わせができたのは、まだまだ雲が多くてすぐには撮影に取りかかれそうもなかったからだった。

b0167343_122081.jpg天頂方向が晴れてきたところで、望遠鏡にM31を導きコリメート撮影をスタートした。101秒露光ではじめたが、何度も雲の通過にあった。しかし、確かに東側から空がどんどん良くなってくるのが見えているので、余裕を持って雲をやり過ごした。しかも極軸合わせは過去最高の手応え。空が安定してきたところで、満を持して露光時間を161秒、203秒、そして256秒へと延ばしていった。結局、101秒露光(ISO 500) 10コマ、161秒露光(ISO 400-640) 12コマ、203秒露光(ISO 320) 2コマ、256秒露光(ISO 320) 2コマの合計26コマを撮影した。積算の露光時間は68分で、コマ平均で2分半強という計算になる。

ところが、よりによって最長の256秒露光の2コマのうち1コマに、人工衛星の光跡が2本横切っていた・・・。微動ハンドルを握って肩・肘・手首の限界まで捻りこんで撮影したコマなので、例え1コマでも捨てるのは惜しい。考えた末に2コマ間で比較暗合成を行い何とか航跡を目立たなくして、他のコマとは通常加算でコンポジットした。

前回の撮影は44コマの積算露光時間が30分で1コマ当たりの平均露光は40秒だったが、それと比較すると露光時間が長かった効果は星雲や星々の色に現れている。露光を延ばしたおかげでISOが落とせたので、コマ数が減っても画質はむしろ向上したように見える。星雲はマホガニー調の色合いで、暗黒帯は大理石模様のよう。ちょっぴり格調高く見える。そしてM32の方向はアンドロメダ銀河本体の質感が微妙に変化しており、お互いに引力が働いていることが何となく感じられる。結局この夜も1天体だけの撮影になったが、やはり時間をかければ得るものも大きいことは確かだ。しかし、今夜のような条件ならともかく、雲一つない好条件の夜に同じようにできるかと言えば、それは難しいところだ。

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(画像をクリックすると拡大されます)・・画像処理を追加して差し替えました
この夜は他に誰もいなかったせいか、近くそして遠くに絶えず鹿と思われる獣が動く気配がしていた。長い露光時間でも集中力が不思議と切れなかったのは、5月に近くでクマの目撃情報がニュースになっていたので、ガイド星を見つめながらも絶えず緊張していたせいかも知れない。

追記
なんちゃってフラット補正を施してみたので、追加でアップする。
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追記2 2013年1月
簡易フラット補正+星マスク処理+HDR処理を施してみた。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-21 01:26 | 星雲

気分転換・・・

開設以来「恍惚ネコ」のスキンにしてきたけど・・・
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・・・今回初めて変更してみた。


オジさんのブログとしては乙女的なので少々抵抗感はあるのだが・・・
実生活ではできない冒険!?をちょっぴり味わうということで・・・。

それに星座と地上の風景のカンケイが許せないのではあるが・・・
そこは、まあメルヘンの世界ということで・・・。

実際のところ、こちらの方が背景が暗いので天体写真には向いているかと・・・
そう、それだけの理由・・・。

イヤイヤ、変化を求める潜在意識の表れかも・・・。

・・・皆様の憶測を封じるため、今回のコメント欄は不可となっております。

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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-18 23:59

一夜を捧げる・・・第二弾

9月の新月期を迎えて、2分を超えるド根性手動追尾の効果を早く確かめたくて、腕をさすって機会をうかがっていた。9月12日の晩は、雲が多いながらも秩父山系の方向は晴れそうな予報だったので、夕食後に仮眠をとって瑞牆山の麓まで行ってみることにした。実は、8月の新月期にも同じような予報で出掛けたことがあったのだが、星1つ見えないドン曇りに遭遇していた。今回は、その時よりも更にピンポイントでの晴れ間の予報だったので、ハズレを覚悟の上で出掛けたのだった。

韮崎の辺りまで来て空を見ると、八ヶ岳方面は雲がかかっているが、確かに瑞牆山の方向は星が見えている。期待感は高まり、深夜になって対向車が全く来ない山道を黙々と走る。しかし、運転席からも明るい木星が時々確認できていたのが、塩川ダムまで来ると完全な曇天になってしまった。そうなると、とたんに後悔の気持ちが強くなってくる。全く平日の深夜に何をやっているのだろう・・・。それでも、もしかしたら・・・という小さな期待を捨てきれずに山間の道を登っていった。

間もなく目的地に到着。意外と多くの車が停まっていて驚く。みなさん山登りが目的なようで、同好の志と思われる車はなかった。一番奥に車を停めて、外に出てみるとビックリ。ほぼ全天にわたって晴れているではないか。大急ぎで機材を組み上げると、長い露光に備えて極軸合わせを入念に行った。撮影の対象は、最初からプレアデス星団と決めていたので、早速にコンデジを装着して手動追尾を始めた。しかし、30秒も追尾しないうちにガイド星が十字線からズレていくのが分かり、極軸合わせからやり直す。結局、納得が行くレベルに追い込むのに1時間近くかかってしまった。

それからは微動ハンルを握りしめて、ガイド望遠鏡を覗きこんでガイド星を十字線に重ねることに集中する。露光時間は101秒から始めて、128秒、161秒、そして203秒の設定まで延ばしながらコマ数を重ねていった。やはり2分を超える露光時間だと、肘関節と手首を精一杯まで捻りこんで追尾することになるが、ただただキレイな写真を撮影してみたいという欲望に身を委ねていた。結局、101秒露光(ISO 640) 4コマ、128秒露光(ISO 400-640) 8コマ、161秒露光(ISO 320) 5コマ、203秒露光(ISO 250-320) 7コマの合計24コマを撮影したところで、仕事のことが脳裏をかすめて終了とした。全部で24コマの積算露光時間は60分強で、1コマ当たりの平均は実に2分半になった。

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(画像をクリックすると大きくなります)
こうして出来上がったコンポジット画像は、ご覧の通り。ようやく星々を包み込む淡いガス星雲の存在を、F15という暗い光学系でそれらしく捉えることができた。前回の撮影では、累積露光時間は68分で今回よりも若干長いくらいだったのだが、1コマ平均にすると1分だった。淡い天体を写すには、1コマ当たりの露光時間が長い方が有利なことは、この画像で一目瞭然になった。ただ、構図的にはアルキオネをもう少し左側に置いた方が良かったなあ・・・。

ところで、2分越えのド根性手動追尾の威力を知ってしまったのは、果たして幸せなのだろうか。ちょっと思い悩んでしまう。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-16 18:02 | 星団

野鴨星団-ミニ・ボーグ編

先日にアップしたM11野鴨星団は、ミニボーグでも撮影しておいた。

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(クリックすると画像が大きくなります)
元画像だと、拡大すれば星団が個々の星に分離するのだが、アップした画像は容量の関係でちょっと厳しい。背景の天の川の星々がスゴすきて、画像処理で明るさをどうしたらいいのか困ってしまった。

こうして見ると天の川という、おおきな緩やかな流れの中に群れをつくって遊ぶ野鴨達の姿に見えなくもないかな・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-15 11:38 | ミニ・ボーグの世界

夏の星雲・星団(その6-M11野鴨星団)

そろそろ月も下弦を過ぎて、夜を迎えるとソワソワするようになってきたが、またしてもゴールデンウイーク前半の撮影記録である・・・

・・・前の晩に続き4月28日の晩も富士見高原に向かった。今度は野辺山には寄らずに真っすぐに富士見高原に行った。夜半前に着くと、昨晩と同様に駐車場は賑やかだ。東よりの一番奥に車を停めた。連休なので昨夜からそのままここに止まっての撮影という人が多いのだろう。仲間同士の楽しげな声が聞こえる。

月没を待って望遠鏡を向けたのは、「たて座」の散開星団のM11。明るさの揃った星々が密集して群れる様は、全天でも指折りの美しさの散開星団だ。それほど暗い対象ではないので、露光時間は20秒に固定してISOは2000から640までといろいろな条件で手動ガイドした。30分程で50コマ余りを撮影した。赤道儀の具合はマズマズで、比較的気持ち良く手動追尾できた。

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全部で50コマをコンポジット処理してみたのだが、コマ数の割に星像が粗い印象を受けるのはなぜだろうか。コマ数が半分になってしまっても、もう少し露光時間を費やしたほうがキレイな像が得られたのかも知れない。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-11 00:10 | 星団

夏の星雲・星団(その5-M8干潟星雲)

今回も引き続きゴールデンウイーク前半の星空へ・・・

・・・ゴールデンウイーク前半の4月27日の晩は、趣向を変えて八ヶ岳山麓の野辺山側に入り、八ヶ岳を西側に望む小高い丘に出掛けた。着いた時点では北側だけ晴れていて望遠鏡の極軸を合わせることはできたのだが、間もなく空全体が霧雲に覆われてしまった。時々霧の晴れ間から見事な星空が見えるのだが、ほんの一瞬で、すぐに霧の世界に戻ってしまう。しかし月没までは少し時間があって、ゆるやかに風が吹いているので、極軸合わせも終わっているし霧が晴れるのを期待して待つことにした。

しばらくすると、月が八ヶ岳の向こうに沈んだことが霧の切れ間から確認で来た。しかし、なかなか霧は晴れない。もう限界だ、移動してみよう、と機材の撤収をはじめたところで霧がぐんぐん晴れてきた。ちょうどその時に、車が一台丘をのぼってきて停まった。同好の志のようだ。なんと運がよい人だろうか。さあ、目指す天体を導こう!と望遠鏡を振っていると、みるみる間に霧がひろがって星は全く見えなくなってしまった。霧に包まれたせいだろう、周辺の音も遮断されて静寂の世界だ。同好の志も動かない。

思い切って声をかけて立ち話を始めた。八ヶ岳との星景写真が撮りたくて神奈川方面から来たのだという。特にペンタクスのアストロトレーサーを購入して以来ハマッタのだそうだ。暗くてお互いの顔はほとんど見えないのだが話が弾んで、かれこれ1時間近くおしゃべりをして過ごしただろうか。この間、時々ちらっと天頂方向にスゴイ星空が顔をのぞかせるが、まるで夢でも見ていたかのようにスッーと霧にかき消される。さすがに機材を撤収して帰路につくことにした。神奈川氏は、朝までがんばると言うことだった。

帰路につくと時折フロントガラス越しに星が見える。やはり、雲が動いているようだ。そこでダメもとで小淵沢側までまわってみることにした。しかし、八ヶ岳の尾根筋と沢筋の地形を丹念に辿って走るカーブだらけの道路は完全に霧に包まれてしまい、最短距離で帰らなかったことを後悔したりもした。それでも富士見高原への道の分岐点まで来る直前で霧の世界を脱出したので、ハンドルを切って富士見高原のスキー場へと向かった。

スキー場の駐車場に入ると数台の車が集まっていて、ちょっとしたスターパーティーの様相だ。邪魔にならぬようにヘッドライトを消して駐車場の一番奥まで入ると車を停めた。外に出てみると、あらビックリ、完璧な星空だった。それからは大急ぎで望遠鏡を組み、夢中でガイド星を追いかけて手動ガイドした。

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撮影したのはM8干潟星雲。露光時間を20秒(ISO 2000-800)で34コマ、32秒(ISO 800-640)で14コマ、40秒(ISO 800-640)で8コマの合計52コマをコンポジットした。積算露光時間は24分で、1コマあたりの平均露光は28秒と短かめだったが、さすがに明るい対象だけあって星雲の中心部はもちろん、周辺部のヒダのような部分も赤く写り、散在する暗黒帯もシャープだ。手動ガイドも良好だったようだ。

それにしても、この天候の違いはどうだ。山の反対側の神奈川氏は星空が見えたのだろうか・・・。

追記 2013年1月
簡易フラット補正+星マスク処理+HDR処理を施してみた。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-08 00:01 | 星雲

夏の星雲・星団(その4-M20三裂星雲)

9月に入った。撮影する対象は今や完全に秋の天体だ。しかし、ゴールデンウイーク前の新月期に撮影した夏の天体が、そのままになっている。ということで、7月半ばにアップしたM27撮影の顛末の続きへ・・・

・・・M27を撮影している間に4月23日の夜も更けて、天の川が高度を増してくると夜空はいよいよ夏の気配だ。射手座の柄杓が姿を現したので、Nikon 8cmをM20三裂星雲に向けた。眼視では、淡い光芒の中程に何となく暗黒帯の存在が確認できているような気がする。空の透明度は良好だ。

早速に手動追尾を開始するが、赤道儀の動きが渋くてガイド星が十字線のあっちとこっちを行ったり来たりしてしまう。これでは、あまり長い露光時間はかけられそうもない。しかも、刻々と薄明が近付いてきている。

まずは20秒露光(ISO 2000)で撮影を始めて、多少は赤道儀の動きのクセを掴んだ上で、露光時間を32秒(ISO 1250-800)から40秒(ISO 800-500)へと延ばした。しかし間もなく薄明を迎えたため、露光時間を20秒(ISO 1000)に戻してコマ数を稼いだ。午前3時42分に終了。ここまでの所要時間は1時間弱だった。

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68コマをコンポジット処理してみたが、既にアップした5月18日にM21と一緒に撮影した時のM20の画像に比べると、星雲の色合いが華やかさに欠ける印象だ。それから、星雲の周囲の星々の色調も淡白だ。この時の積算露光時間は68コマで28分だったのに対して、5月18日は32コマで32分だった。だから積算の露光時間は遜色ないのだが、1コマあたりの露光時間は、5月18日の半分以下ということになる。コンポジットの枚数を多くして積算の露光時間を稼いでも、1コマあたりの露光時間が短くては彩度が出ないと言うことが、2回の比較ではっきりと確認できた・・・

・・・こうしてみると既にこの時点で、先日にアップしたプレアデス星団の撮影と同じ結論に達していたことになる。

追記 2013年2月
簡易フラット補正+星マスク処理+HDR処理を施した。
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バックが引き締まり、HDR処理で色彩が豊かになった。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-05 00:56 | 星雲

一夜を捧げる・・・(M45プレアデス星団)

コンデジのコリメート撮影のウリは、なんと言ってもお手軽撮影!というところにある。だから、一晩に5つも6つも星雲・星団を撮影できるのが嬉しい。そして思い描いていた天体を全部撮影することができた夜明けの達成感と言ったら、他にはちょっと思いつかないぐらい高揚した気分になる。その一晩をたった1つの天体に費やすなんて、美術館に出掛けて絵を一枚だけ見て帰ってくるような、まあ贅沢と言えば贅沢と言えなくもない暴挙だ。そこまでするなら、コンデジのコリメートにこだわる必要はないのではないか???

8月26日の晩の月没は翌27日の午前0時半過ぎだったが、この新月期のラストチャンスということで八ヶ岳山麓へ。車の中では、メシエ天体完全制覇のためにM74を撮影するつもりでいた。幸いにも透明度はマズマズで、難関のM74を眼視でも確認することが出来た。ほど良いガイド星も見つかっていざ撮影という時に、東の空から雲が現れどんどんと広がってしまった。そこで雲が消えるのを待ったのだが、なかなか雲が動かない。そうこうするうちに北東の空から雲が切れて、プレアデス星団が雲間から顔をのぞかせた。よし、予定変更。朝までやってみよう!!と一大決心をした。

それと言うのも、冬の終わりに撮影した時の写真が消化不良状態だったからだ。あの時は40秒露光でコマ数を稼ぐ戦法だったのだが、すでに西の空に高度を下げつつあって透明度も悪く、星団を取り巻く青いガス星雲の美しさは捉えることが出来なかった。その経験を踏まえて、今回は薄明まで時間を使い段階的に露光時間を延ばしながらコマ数を稼ぐことにした。

撮影開始は午前1時半。まずは32秒露光(ISO 1000)でスタートし12コマを撮影した。極軸合わせはマズマズのようだが、赤道儀のバランスがイマイチで手動追尾の手加減を掴むのにちょっと苦労した。手動追尾に慣れてきたところで40秒露光(ISO 800)にして13コマ、さらに64秒露光(ISO 800と640)で27コマを稼ぐ。集中力が切れてきたが、気合いを入れ直して80秒露光(ISO 500)まで延ばして9コマを、そして薄明前の追い込みに100秒露光(ISO 400)で7コマを追加したところでタイムアップ。撮影した全68コマの累積露光時間は68分。もちろん今までで最長となった。一晩を費やしたとは言っても、上弦の月が沈んでから夜明けまでの正味2時間なのだが、それでも気分的には大冒険だった。

出来上がった画像は、メローペ以外の明るい星々の周囲にも複雑なガス星雲の片鱗が淡く捉えられていて、前回とは比べ物にならないぐらい良く写っている。
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でも、結論から言えばトータルのコマ数が減ったとしても100秒以上の露光時間のコマ数を入れる方が良かったようだ。64秒露光までに費やした40分で、2分露光を10コマ撮影していたら、もっと繊細な光も捉えられたのではなかったか・・・。次回は、多少コマ数は減っても長秒露光のコマを増やしてみようと思う。えっ!?コンデジのコリメートで、そこまでやるのかって? ・・・・・
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by Nikon8cmtelescope | 2012-09-02 22:22 | 星団