ミニ・ボーグでオリオン星雲に挑戦

10月20日の晩は、八ヶ岳に沈む夏の大三角に続いて秋の銀河をNikon 8cm本体で撮影するつもりでいた。しかし、季節風が割と強くて、鏡筒をあおられてしまう。考えてみれば霧の温床とも言うべきこの場所が晴れているのも、この風のお陰だった。

そこで、予定を変更して普段はガイド鏡になっているミニ・ボーグにコンデジを装着し、Nikon 8cm本体をガイド鏡にして、1年ぶりにオリオン星雲をミニ・ボーグで狙ってみることにした。この倍率であれば、風にあおられても影響は少ない。せっかくなので、手動ガイドの限界の露光時間にも挑戦してみよう!!

微動装置を肩・肘・手首の可動域の限界までねじ込んで、最長で256秒露光まで頑張ってみた。256秒露光を6コマを含めた31コマの積算露光時間は66分で、1コマ平均が2分を越える露光になった。

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星雲本体の周辺に広がる分子雲の片鱗が写らないか!?との期待も持って撮影したのだが、さすがに無理だった。しかし、背景の星々の光が遮られている感じで分子雲の存在は想像することはできる。ちょうど1年前の画像と比べると、露光時間をがんばった成果はあったようだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-10-29 03:04 | ミニ・ボーグの世界

八ヶ岳に沈む夏の大三角

日曜日の晩は野辺山の奥にある八ヶ岳を一望できる高台に、沈む夏の大三角を撮影しに出掛けた。なかなか好条件の場所なのだが、春から夏にかけて何度か行ってみたものの決まって霧の中だった。今回は雲1つない快晴で、オリオン座流星群の極大日ということもあってか、何台か車が停まっていた。暗闇ではっきりはしないが望遠鏡を出している感じの人はいないようだった。

Nikon 8cmにコンデジを載せてガイド撮影していると、途中でヘッドライトを点灯したまま車が何度か入ってきた。正直「この野郎!!」と思ったのだが、バックモニターに出てくる画像を見てみると、かえって紅葉が写り込んでいて面白い写真になっていた。

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こちらは、40秒露光でガイド撮影した2コマをまずは比較暗で処理しておいて、そこに紅葉が写ったコマをコンポジットしてみたもの。紅葉は割といい感じで写っているが、構図的に地上の景色の割合がちょっと低かった感じ。それに肝心の星空が迫力不足。

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こちらは64秒露光で撮影した6コマを比較暗処理して、地上の景色から街灯りの光跡を消してしまった上に、紅葉が写ったコマを通常のコンポジット処理してみた。露光時間を延ばして撮影した分だけ当然ながら星がたくさん写っているのだが、ヘッドライトの当たり方が不均一だったのが残念!!。

八ヶ岳の反対側には諏訪の街があるのだが、その影響で山容を浮かび上がらせるかのように空が明るく写るのには少々ガッカリした。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-10-24 00:16 | 月・星のある風景

深まりゆく秋(二重星団)

記録的な暑さだった9月も終わり、10月の新月期の星空は秋から冬の星座へとそろそろ主役が交代しつつある。八ヶ岳周辺も急に紅葉が進み、甲府盆地から望む山々も高いところは薄らと雪化粧した。

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写真は、8月下旬に撮影した二重星団。あまり露光時間はがんばらず、20秒露光(ISO 1600) 12コマ、32秒露光(ISO 1600-1000) 16コマ、40秒露光(ISO 800-500) 12コマの合計40コマで、積算露光時間は20分。微光星の集団が視野の両側に位置するため、レンズの収差が比較的目立つのが、これはもうコリメート撮影の宿命だなあ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-10-21 14:31 | 星団

極軸合わせの精度が向上!!(成果のM42オリオン星雲)

極軸合わせの精度向上の手がかりが出来たということで、昨晩はホームグランドの富士見高原に出掛けた。

現地に着いたのは22時少し前だったのが、取り付け道路から駐車場に入ろうとハンドルを切ると、車がたくさん見えた。一瞬、また週末に自転車競技会でもあるのかと思ったが、車の周囲には赤いランプが動いていて、瞬時に同好の志と知れた。ヘッライトは消してスモールランプにすると、おずおずといつもの一番奥に車を停めた。

さて、極軸合わせであるが、結論から言えば傾斜計で確認した通りだった。まあ、紆余曲折はあったのだが、この夜に予定していたメインのM42オリオン星雲を撮影するときには、これまで経験したことのない精度になって、撮影開始から終了までの2時間半で赤経軸の微動ハンドルは数回微調整しただけだった。

その成果のM42オリオン星雲であるが、月の出までの約1時間で1分以上の露光の撮影を行い、月の出から薄明開始までは、露光時間を1分から5秒まで段階的に減らしながら撮影した。露光は最長で2分で最短は5秒。ISOはほぼ800に固定してコリメート撮影した82コマを、早速にコンポジット処理してみた。ちなみに、積算の露光時間は56分だった。画像は、ほとんど強調処理を施していない。

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前回よりもピントがシャープになったので、その分だけ追尾エラーによって星が線状になっている。なにぶん手動ガイドなので、これ以上の精度は難しい。今までは、たぶん極軸合わせが不十分で赤経軸側のズレがあったので、赤緯軸側の追尾エラーがあっても星が肥大するだけで、線状にならなかったのかも知れない。

この夜には駐車場に10台近い車が集まって、それぞれ撮影の合間に情報交換で盛り上がっていた様子だった。参加してみたい気持ちもあるのだが、なにせ手動ガイドは望遠鏡から離れることができない。それに、昨夜は素晴らしい星空で、撮影してみたい対象がたくさんあって、結局6時間ほぼ休み無く微動ハンドルを握りしめていた・・・。

追記
上の画像は、ほとんど強調処理を施していないスッピン状態で少々眠たい感じだったので、手直しした画像をアップします。
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今回は、コマ毎の視野のズレがほとんどなかったので、周辺部をトリミングしていない画像で出しました。接眼レンズの丸い縁がシャープに写っています。小三ツ星を全部入れるにはキチキチで、今回は星雲が中心に来るような構図にしたため、その点が構図的にはやや残念な感じですが、あくまで星雲がメインなので仕方ないかなあ。

追記2
なんちゃってフラット補正を施してみたので、追加でアップする。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-10-13 18:25 | 手持ち撮影にこだわる訳

極軸合わせ覚え書き

Nikon 8cmの赤道儀は緯度が35度に固定(40度に固定された製品もあったらしい)されていて、水準器の位置を見ながら三脚の開き具合で調整するという、シンプルかつ原始的な構造になっている。

以前は大雑把に望遠鏡が北極星に向くように設置していたのだが、手動追尾によるコリメート撮影の露光時間を延ばすようになると、それでは20-30秒も追尾すると星がズレてくるので、もう少し精度の高い極軸合わせが要求されるようになった。

そこで星図を参考にして、北極星と小熊座の小柄杓の位置関係から、真の北極の方向を意識して望遠鏡の向きを調整するようになったのだが、それでも1分を超える追尾だと星がズレてくる。緯度に関しては、観望地の北緯にあわせて水準器の目盛りで適当に調整していたのであるが、実は水準器の目盛りと経度がどういう関係になっているのか知らないままやっていた。

以前にホームセンターで傾斜度を測定する簡単な器具を見つけた。あまり精度の高い測定器ではないが目安にはなりそうだと購入してあったのだが、なかなか時間がなくて放置してあった。しかし、山中教授のノーベル賞受賞のニュースでいくらか気持ちが高揚したのか、ふと思いついて家族が寝静まった夜中に居間に望遠鏡を出し測定してみた。

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赤道儀に固定されている水準器の目盛りの中心に泡が来るように調整して、器具をあてて傾斜を測定してみると、あらビックリ。35°になるハズが35°5'と出た。測定器が正確なら、ホームグランドの八ヶ岳山麓の北緯は35°55'なので、このぐらいがちょうどいいことになる。

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今までは、八ヶ岳山麓では中央から1つ上の目盛りよりも若干上に泡の中心が来るように調整していたのだが、それだと36°5'ぐらいになっていたことになる。これが、極軸合わせが不十分だった原因の1つかも知れない・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-10-10 00:56 | 手持ち撮影にこだわる訳

夏の星雲・星団(番外編-M6とM7)

まだアップしていない画像を見つけた。

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ミニボーグで撮影したM6とM7。天の川の中と外で競い合っている。

青白い星々が群れるM6の中に、1つだけ混じったオレンジ色の星が印象的・・・
ということでM6に軍配かな。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-10-08 01:05 | ミニ・ボーグの世界

夏の星雲・星団(その9-M17オメガ星雲-その2)

4月と5月に撮影してあった夏の星雲・星団も、今夜でめでたく在庫一掃・・・

・・・5月18日の晩は、マウンテンバイクの競技会を翌朝に控えた富士見高原スキー場の駐車場にいた。次々とヘッドライトを灯したまま駐車場に入ってくる車に閉口しながらも、撮影対象の夏の銀河の方向は駐車場の入り口と反対側なので、そのまま居座った。空には見事な天の川が見えているのに、翌朝の競技に備えてなのか、車から降りて星を見上げようという人は皆無に近い。かなりの台数の車が止まっているにもかかわらず、信じられないくらいに静かだった。

M20とM21を撮影した後に望遠鏡を向けたのはM17だ。20秒露光(ISO 800)からはじめて、32秒露光(ISO 1000)と40秒露光(ISO 1000-640)でコマ数を稼いだ後は、64秒露光(ISO 800-640)、80秒露光(ISO 460)と露光時間を延ばして4-5コマずつ撮影した。極軸合わせも赤道儀のバランスも良好だったので、さらに128秒露光(ISO 640-320)から161秒露光(ISO 640-320)と露光時間を延ばしてみた。全部で50コマ余りを撮影して薄明開始を過ぎた午前3時半前に撮影を終了した。露光時間と同じだけダーク減算処理に時間がかかるので、所要時間はちょうど2時間だった。

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44コマを選んでコンポジット処理したが、積算の露光時間は48分でコマ当たり1分を超える計算になったから、前回に薄明間際に慌ただしくM17を撮影した際の4倍の時間をかけたことになった。露光時間の差に見合ったものかは別として、星雲の淡い部分が当然ながら前回よりも良く写っているし、星々の色が出ている(ピントが甘かったなあ)。ここまで写ると、白鳥星雲という別名よりもΩ星雲という本来のニックネームらしくなってくる。

機材の撤収を終えるころになると駐車場には朝の気配が漂って、起き出す人達がそろそろとでてきた。朝焼けのグラデュエーションは美しく何とも爽やかな高原の朝だ。ふと、こんな朝を迎える中を帰ろうという自分は、自転車競技会の参加者からは理解できないだろうなあと思った。それはちょうど、素晴らしい星空に興味も示さず車中泊している自転車愛好者を呆れていた自分の裏返し。どちらが健全か・・・勝ち目は全くない。

追記 2013年1月
簡易フラット補正+星マスク処理+HDR処理を施してみた。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-10-05 23:51 | 星雲

牛舎の朝が早いのなんのって・・・M42オリオン大星雲

9月14日の夜は八ヶ岳方面は晴れる可能性ありとの予報で、いつもの富士見高原に出掛けた。北側は完全に晴れて北極星が見えていたので望遠鏡をセットした。撮影したいと思っていたのはM74とM77。どちらもメシエ天体制覇のためには、この秋のうちに是非とも手中に収めておきたかった。しかし、意地悪な雲はちょうどM74の辺りで一進一退を繰り返している。晴れ間にM74をNikon 8cmに導くと眼視でも存在を確認出来た。そして適当なガイド星も見つかって、さあ撮影となると雲が覆い隠してしまった。そんな追いかけっこのような事を繰り返しているうちに、雲が完全にM74を隠してしまった。その間も北側の空は完全に晴れている。しかし、撮影してみたい対象はM74に限らず全て雲の向こうだ。

1時間ほど待った挙げ句に思い切って撤収し、もう少し北側の原村方面に移動してみる事にした。車で走っていると果たしてグングンと晴れ間が広がってきた。以前に八ヶ岳自然文化園の駐車場に行って入れなかったので、今回は西側の牧場で適当な場所を探すつもりだった。しかし、牧場への道はどれもゲートが下りていて入ることができず、牛舎の間のちょっとした広場をみつけて車を停めた。南東側の低い空を別にすれば見事な星空だった。

残念ながらM74は天頂で望遠鏡が三脚につかえてしまうため、対象をNGC891に変更して撮影をはじめた。最初は牛舎独特の匂いが少々気になったが、ガイド星を追いかけるうちに慣れてしまった。しかし1時間もしないうちに、日周運動でNGC891が高度を上げて望遠鏡が三脚につかえてしまってthe end。折からオリオン座が高度を上げつつあったので、望遠鏡をM42オリオン大星雲に向けてみた。気流が比較的安定していて、トラベジウムの星々がスッキリと見えるのに重なって、ベールのような星雲が楚々として広がっている。その美しさは、毎回のことながら息を飲むようだ。その魅力に抗する事はできず、そのまま撮影をはじめた。時刻は午前3時ちょっと前。問題は牛舎の照明が何時に灯るかだった。早朝から作業がはじまる事は予想されたが、どんなに早くても午前4時過ぎだろうと想定して、それまでなら十分な露光時間とコマ数を稼げると考えた。薄明が近付いたら露光時間を落として星雲の中心部を撮影していく算段だった。

ところが、星雲をしっかりと視野の中心に据えることと、ピントを追い込むのに思ったよりも時間がかかってしまった。32秒露光(ISO 1250-1000)で始めて11コマ、40.3秒露光(ISO 640-1000)で12コマと露光時間を延ばしながら撮影をしていると、ガイド星を覗く目に外から光が当たっているような気がした。顔を上げても特に灯りは点いてはいない。おかしいなあと思いながら、またガイド星を覗き手動ガイドしていると、やはり望遠鏡の視野外に眩しさを感ずる。顔を上げてよく見ると八ヶ岳の峰々の上に煌々と金星が輝いており、その眩しさだった。

露光時間を64秒(ISO 640)として4コマを撮影し、もう少し露光時間とコマ数を稼ごうと思っていた矢先に、牛舎の照明が点いた。時刻は午前4時少し前だった。照明の影響は心配した程ではなく、最初に考えた通り露光時間を落としながら星雲の中心部を撮影することも十分に可能な感じだったが、直ぐ横で仕事を始めているのに道楽に浸っている自分がとっても後ろめたく感じられて、コソコソと撤収した。まだまだ朝の冷え込みは大したことはないが、この地で薄明前からの作業となると冬の間は言葉にならないくらい大変だろうと察せられた。いずれにしても、この場所は次からは止めておこう。

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ということで、撮影した27コマの積算露光時間は18分だった。1分超えの露光のコマもなければ、中心部を狙った短時間露光のコマも無いと言う中途半端な撮影になってしまったが、出来上がった画像は十分に美しく、さすがはオリオン大星雲だ。昨シーズンに撮影した時よりも追尾は良好なのだが、ピントはやや甘かったようだし、やはり星雲の中心部が飽和してしまっている。これからのシーズンでまだまだチャンスがあるだろうから、次こそは完全手動ガイドによるコリメート撮影の限界まで引き出すような撮影をしてみたいと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-10-02 00:40 | 星雲