2012年の集大成(バラ星雲)

・・・この1年間、振り返ればいくつかの進歩があった。

まず、手動追尾においては極軸合わせに力を入れるようになったこと。露光時間を増やすためには、必然的に正確な極軸合わせが求められるが、以前は露光時間が短かったこともあり無頓着だった。それが、Nikon 8cmの赤道儀の特性を知ることで、以前よりも極軸合わせの精度を増すことができた。その結果、5分程度の時間をかけて調整すれば、1200mmの焦点距離に30mmの接眼レンズの組み合わせで1分半程度の露光なら、手動追尾のエラー以内に収まるような極軸合わせが可能になった。

次に、LPS-P2とV4フィルターの導入がある。青白い散光星雲には効果が弱いかマイナスに働く印象だが、赤い散光星雲には非常に威力を発揮してくれる。LPS-V4フィルターは光量のロスも大きいが、赤い散光星雲での効果は絶大で、そこそこまでなら月夜でも写ることがわかった。

最後に、画像処理の進歩がある。フラット補正は非常に効果があることがわかり、今まで撮影してあった画像が、まるで別の写真かのように蘇った。似非星マスク処理を組み合わせることで、背景の星の飽和による肥大も緩和された・・・

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

そんな2012年の成果を集大成するべく、双子座流星群の極大日も近い12月11日の晩に、仮眠をとって日付が変わるころに八ヶ岳山麓の大泉に出掛けた。この日は寒波の到来で冷え込みが厳しく、弱いながらも季節風があった。北西の空には時々淡い雪雲の流れ込みはあったが、幸い南の空には影響はなかった。

そこで、Nikon 8cmをバラ星雲の方向に向けた。以前の月夜の晩のテスト撮影では、星雲の中心部にあるNGC2244星団を視野の真ん中に置いたが、星雲の中心を外してしまっていた。そこで、今回は慎重に望遠鏡の方向を調整した。準備ができると、最初はフィルターなしで撮影を始めた。もちろんCanon PowerShot S95のコリメート撮影で、泣く子も黙る!?手動追尾である。

2分露光を考えていたのだが、撮影を始めてみると季節風が時折吹き付けて望遠鏡が振動するのと、極軸合わせがベストではなかったため、露光時間は80秒止まりとした。この夜は、冷え込みを覚悟して、国際宇宙ステーションの船外活動だって出来るんじゃあないか!?というぐらいの厚着で来ていた。経験的に氷点下10度を下回っても十分な備えをしてきたのだが、季節風が容赦なく弱点の顔と指先の体温を奪おうとする。しかし、キレイな写真を撮りたい一心で微動ハンドルを握りしめて撮影を続けた。その風の影響で、追尾の精度は低くなりがちで、風で揺れて撮影直後に削除せざるを得ないコマも多かった。

フィルターなしでISOを1000に設定して23コマを撮影したところで、最初のバッテリーが尽きた。やはり冷え込みのために消費が早いようだ。次に、LPS-P2フィルターを装着してISOは1250とし、同じく80秒露光で26コマを撮影して、バッテリー交換となった。最後は、LPS-V4フィルターを装着して、ISOを1600に設定して80秒露光で27コマを撮影したところで、3つ目のバッテリーが切れた。いずれのフィルターでも、対象のバラ星雲から少し離れた場所で、フラット補正用の撮影も行った。4時間あまりをかけて、全部で76コマ(累積の露光時間は約100分)を気温氷点下8度の寒風の下で手動ガイドし続けた。撮影直後の確認で削除したコマも多かったので、実際には100コマ以上を撮影した。

撮影してきたフラット補正用のコマから星を消去したものを使って、各コマのカブリ補正をまず行った上でコンポジット処理した。そして、最終的に3条件の撮影を全てコンポジットして、通常の方法の増感処理と、似非星マスク処理を行った上での増感処理を行い、両者をブレンドした。最終的にはHDR処理も追加して完成とした。風の影響で追尾エラーが目立つのが残念だが、2012年の集大成の画像ということになる ♪  ♪  ♪

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(クリックすると、少し大きくなります)
追記
青ハロを抑制するとともに、圧縮されていた階調に奥行きを持たせ、青雲の色も少し明るくしてみました。
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(クリックすると、少し大きくなります)

最初の2年程は訪れる人も稀だったこのブログも、今ではたくさんの方々に見て頂けるようになりました。嬉しいことに、コンデジのコリメート法による星雲・星団の撮影に興味を持つ仲間が確実に増えてきています。そして、みなさまのコメントに励まされて、ワクワクと楽しく色々と工夫しながら2012年を過ごすことができました。ありがとうございました!

2013年も、どうぞよろしくお願いいたします!!

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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-31 00:01 | 手持ち撮影にこだわる訳

秋の銀河星雲(その5- M77とNGC1055)

このところ、以前に撮影した画像の焼き直しばかりだったので、秋の銀河星雲シリーズに年内で区切りをつけることにする。対象は、まだ撮影していなかったメシエ天体の1つのM77銀河。それだけでは随分と寂しいので、近くにあるエッジ・オン銀河のNGC1055も同一視野内に収まるようにした。撮影したのは10月の新月期の晩で、オリオン星雲を撮影する前に1時間ちょっとを費やして撮影した。

眼視では、M77は球状星団のような感じで恒星をぼんやりさせたような見え具合。NGC1055も、その存在は何となく確認することができた。この夜は、極軸合わせが良好だったのだが、どちらも見かけの小さな銀河だったので、たいして写るまいと考えて露光時間は64秒と短めに設定して撮影した。全部で31コマを撮影し、それをコンポジット処理した後に、なんちゃってフラット補正と、似非星マスク処理を行った上で、増感処理してみた。

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(写真をクリックすると、すこし大きくなります)

あとになってから、M77には周囲を淡く取り巻く外周部分があったことを、くっしーさんの写真で知った。そう思って目を凝らしてみても、この露光時間では写っていないようだ。せっかく極軸合わせも赤道儀の具合も良かったのだから、もっと露光時間をかけてみればよかった・・・。

秋の空のメシエ天体には銀河星雲は多くないが、メシエ天体以外にもたくさんの魅力的な銀河があることをg-logさんのサイトで知った。どれも口径8cmの望遠鏡にはなかなか難しい対象だが、その魅力に惹かれていくつかトライしてみた。しかし、風が出たり雲が出たりして中途半端に終わってしまい、画像として完成させることはできなかった。これからは春の銀河の時期になるので、その完成は来シーズンのお楽しみとして、秋の銀河星雲シリーズは終了とする。

(撮影したメシエ天体 通算94/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-30 00:05 | 星雲

画像処理で蘇る星雲!(その4-NGC253銀河Again!)

NGC253銀河には、既に本シリーズの第2弾として「なんちゃってフラット補正」と「似非星マスク処理」を試みた。しかし、フラット補正が中途半端で、依然として星雲が背景カブリに埋もれてしまっており、星雲を持ち上げることが十分に出来ていなかった。

そこで、今度は各コマに「改良型なんちゃってフラット補正」を施した上で、再度コンポジット処理を行い、「似非星マスク処理」とHDR処理も含めた画像処理を施してみた。フラット補正が効いて背景のカブリをかなり押さえ込むことが出来たので、星雲の輝度を十分に上げることができた。
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最初の画像では光害カブリに消え入りそうな貧弱な感じだったが、随分と迫力ある姿になった。NGC253は、満月の大きさに相当する見かけの広がりがあるそうだが、この画像ならうなずける。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-29 01:59 | 手持ち撮影にこだわる訳

画像処理で蘇る星雲!(その3-M31アンドロメダ銀河)

これまでの「なんちゃってフラット補正」は、コンポジット処理後の画像に行っていたのだが、この連休中に更に進めて、「改良型なんちゃってフラット補正」を以前に撮影したM31アンドロメダ銀河に試みた。

b0167343_143414.jpgこれは、単純にコンポジットして強調処理した画像。

周辺減光が顕著で色彩に乏しく、星雲の淡い部分を強調するために微光星まで強調されて、非常にうるさい感じの画像になっている。この画像には、「なんちゃってフラット補正」を施しても、周辺部にドーナツ状にカブリが残ってしまい、その効果は限局的だった。

この撮影の際には、もちろんフラット処理用の撮影などは行っていない。そこで、最近になって撮影したフラット画像を転用して、コンポジット処理前の個々のコマのカブリを1コマずつ補正した。その上でコンポジット処理を改めて行った。さらに「似非星マスク処理」を行うとともに、KameさんからアドバイスしてもらったPhotoshopのHDR(high dynamic range)処理を追加してみた。

その結果・・・・
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いわゆる青ハロがやや目立つものの、星雲の微妙な色彩が浮き出してきている!!コンポジット前にカブリを補正したので背景のムラも少なくなり、視野の端にある伴星雲のM110もキレイに出ている。そして伴星雲のM32とM110の色調の違いも明確に区別が出来るようになった。同じ26コマを使って画像処理したのに、出来映えは雲泥の差だ。

こうなると、これまでコンポジット処理した画像にも、改めて「改良型なんちゃってフラット補正」をやってみたくなる。今度の年末・年始は満月期にあたるので、順次やってみようと思う。

今から楽しみだ!!

追記
くっしーさんから、星の輝度のバランスについてコメントをいただいた。確かに、上の画像だと星が暗過ぎる印象を受ける。そこで、星が肥大したりしない範囲で微光星の輝度を上げてみた。ついでに青ハロの修正も試みたのでアップする。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-26 02:03 | 手持ち撮影にこだわる訳

秋の銀河星雲(その4- M74)

9月の新月期に、まだコリメート撮影で捉え切れていなかったメシエ天体の撮影を試みた。

うお座のM74に撮影した晩はコンデジのSDカードが不調で、コマ数を稼げずにいるうちに雲が出てきてしまった。M74は非常に淡い銀河で、Nikon 8cmの眼視では辛うじてその存在が出来る程度。それなのに1コマ当たりの露光時間が1分と短い上に、19コマのみのコンポジットとなってしまった。

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画像処理には、なんちゃってフラット補正と似非星マスク処理も施したのだが、腕が1本長く伸びている様子が何とか確認できる。

ネット上の画像をみると、M74は非常に美しい渦巻き銀河だ。しかし、Nikon 8cmでのコリメート撮影では、たとえ2分露光で40コマ程度を撮影できたとしても、銀河の構造まで捉えるのは難しそうだ。

(撮影したメシエ天体 通算93/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-22 18:52 | 星雲

秋の銀河星雲(その3- NGC891)

師走も気が付けば半ばを過ぎて、2012年のカウンド・ダウンが始まろうかとしている。それなのに、まだ秋のうちに撮影した銀河星雲がいくつかアップされずにいた。

b0167343_0193468.jpgさて、エッジ・オンの銀河と言えば、春のNGC4565が代表格だろう。メシエ天体にこそリスト・アップされていないものの、銀河の中心部分は小望遠鏡でも眼視で確認することができる。それに対して、秋のエッジ・オンの銀河と言えば、このNGC891が真っ先に挙げられるのではないか。

ということで撮影を試みたのは9月中旬、八ヶ岳自然文化園の近くの牧場で、牛小屋の香りにつつまれつつ撮影したのだった。いつも通りNikon 8cmに30mmの接眼レンズを組み合わせて、手動ガイドでCanon Power Shot S95によるコリメート撮影を1分露光で試みた32コマをコンポジットしてある。ちなみに従来の方法での画像処理がこちら。淡い銀河の姿を浮かび上がらせようと強調処理を施した結果、肝心の銀河は周辺の星々に埋没せんとしている。

そして、「なんちゃってフラット処理」と「似非星マスク処理」を施したのが、こちらの画像。褐色を帯びた銀河が、星マスクのおかげで周辺の星々に埋没せずにしっかりと確認できる。ちなみに、眼視ではその存在すら全く確認できなかった。
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ネット上で出てくる画像だと暗黒帯がジグザグに走っており、幼少の頃に風呂で毎晩見上げていた父のお腹の手術痕が彷彿とさせられる。しかし、この画像では、そこまでの詳細な構造は判別できない。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-19 00:27 | 星雲

ふたご座流星群2012

12月13日の晩は仮眠をとって夜半過ぎに家を出ると、既にスキー場の人工降雪機がフル稼働なため、その照明の影響を避けて八ヶ岳山麓でも里に降りた場所に陣取った。夜半の時点での気温は氷点下7-8度だったが、この季節としては奇跡的に季節風が止んでいた。

ふたご座流星群の極大日ではあるが、流星見物は後回しにした。というのも、秋から晩秋にかけて2晩を費やしながら成果の得られていないM78星雲を、何としてもモノにしておきたかったからだ。機材を組み上げると、ガイド望遠鏡越しにガイド星として選んだアルニタクを睨み、Nikon 8cm赤道儀の微動装置を握りしめて手動ガイドを始めた。

撮影しているM78は既に南中時刻を少し過ぎており、ガイド望遠鏡に天頂プリズムを使っているので、手動ガイド中に顔は北西側を向いている。そして、ガイド望遠鏡のアイピースの丸い視野の向こう側には、少しだけ肉眼で夜空を感ずることができる。驚いたことに、その狭い空の範囲を幾度となく流れ星が横切るのがわかった。1コマあたり2分前後の露光時間をかけていたのだが、続けて3コマの手動ガイド中に流星の気配を感ずることができたこともあった。

午前4時を過ぎるとM78星雲の高度が低くなり、体勢的にガイド望遠鏡を覗くのが難しくガイドエラーが頻発するようになったのでコリメート撮影は終了とした。機材を撤収しながら、夜空を見上げていると、流星群はなかなか活発な様子。そこで、コンデジを沈み行くオリオン座の方向に向けて15秒露光の固定撮影をしながら、しばらく流星見物をすることにした。

生姜湯で作ってきたミルク・ティーをポットからマグ・カップに入れて、凍えた手をカップで温めながら見ていると、流れる!流れる!!多くはコンデジがダーク減算処理中だったり、セルフタイマーが切れた後だったりしたが、それでも15秒露光で60コマを撮影する間に、相当に明るい流星がカメラの前を4-5個は横切った。

そのうち、午前4時28分から43分にかけて撮影した30コマ弱に、3つの明るい流星が確認できたので、比較明合成をしてみた。ダーク減算やタイマー切れのため星像は切れ切れの写真になってしまったが、流星群の雰囲気は出ている。

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寒かったけれど、なかなか楽しい夜を過ごすことができた!!これで、本命のM78星雲もキレイに写っていると嬉しいのだが、果たして・・・・。

追記
「やまねももんが」さんがアップされていた方法を参考にさせていただき、合成画像を作製しましたのでアップします!!
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鳳凰三山に突き刺さっている流星のコマをベースに、前後の6コマを星の位置が重なるようにコンポジットして星像を安定化させます。しかし、地上風景がズレて重なるため、最後のコマの地上の景色を「投げ縄」機能で切り出して合成し、基本画像を作製しました。それに、3つの流星の周囲を切り出して、星の位置が重なるように置いて、明るさを調整し合成しました。さらに、簡易フラット補正を加えた上で完成画面としています。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-15 23:39 | 月・星のある風景

画像処理で蘇る星雲!(その2-NGC253銀河)

「なんちゃってフラット補正」と「似非星マスク処理」の第二弾は、南天のアンドロメダ銀河ことNGC253

低空のため光害カブリが強く、以前にアップした画像はこちら。
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今回の補正による画像はこちら。カブリが改善されるとともに、星の膨化が抑制されてシャープな印象になった。
b0167343_2121574.jpg


星雲の色を出すため、ちょっと強調し過ぎたかも・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-11 02:15 | 手持ち撮影にこだわる訳

画像処理で蘇る星雲!(その1-M20三裂星雲)

簡易フラット補正は、光害カブリを改善してくれる有効な画像処理技術であることは間違いない。しかし、やっているうちに新たな問題に直面した。

カブリを補正することで淡い天体を強調しやすくなったのだが、強調処理を進めると星が肥大し飽和してしまうため、出来上がりの画像は期待した程に見映えしないのだ。この問題は、以前から認識していたのだが、フラット補正によって自分の中で改めてクローズアップされてきたという訳だ。

その解決方法として、星マスクという処理方法の名前は一応は知ってはいるものの、紹介されているサイトを読んでも理解できない・・・。しかし、くっしーさんのアドバイスでフラット補正用の画面を作製する過程で、レタッチ機能を使って輝星を消しているうちに、ふとアイデアが浮かんだ。そこで、5月に撮影したM20&M21の画像を使って試してみた。

コンポジット処理しただけの元画像はこちら。
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この元画像からレタッチ機能を使って輝星を1つ1つポチポチと消していき、「星なし画像」を作製する。ただ、際立って明るい星は、合成後が非常に不自然になるので、敢えて残してある。大変な作業のように思われるが、やってみると意外と短時間で出来上がる。出来上がりは、こんな感じ。
b0167343_1635833.jpg


この星なし画像を白黒化した上で簡易フラット画像を作製するのだが、残した明るい星とM20の部分は、それぞれの周囲で背景カブリが同程度の辺りを適当に小さくを切り抜いて、それを星と星雲の上にそれぞれコピー&ペーストして覆い隠してしまい画像を合成する。消し残った微光星は「ぼかし」機能を使って消すのだが、以前はガウスの数値を最大にしていたのだが、これだと明度の勾配が崩れて中心部が明るくなり過ぎるので、40ピクセル程度に設定する。これを「簡易フラット画像」とする。出来上がりは、こんな感じ。
b0167343_16352928.jpg


さて、ここで元画像から「星なし画像」を減算して「星だけ画像」を作る。出来上がりはこんな感じ。
b0167343_16353553.jpg


そして、「星なし画像」を使って強調処理を行う。その際に、先に作った「簡易フラット画像」でカブリを減算した上で、軽めに強調処理を行う。こうして出来た画像を、ここでは「星なし強調画像」と呼ぶ。

こうして出来た「星なし強調画像」と「星だけ画像」を比較明処理で合成すると、淡い対象だけ強調した画像が出来上がる。ここでは「簡易星マスク強調画像」と呼ぼう。ただ、この「簡易星マスク強調画像」は明るい星の周辺が不自然な出来上がりになってしまう。

そこで、この不自然さを目立たなくするために、元画像から「簡易フラット画像」でカブリ補正しながら、通常の強調画像を作製する。ここでは「星あり強調画像」と呼ぼう。

最後に「簡易星マスク強調画像」と「星あり強調画像」をブレンドする。以上の作業で、「なんちゃってフラット補正」と「似非星マスク処理」が出来たことになる。この画像を使って、色調など細かい補正を加えて、画像を仕上げる。こうして出来上がった最終画像は、こちら。
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ご覧の通り、結果は大成功!!
ちなみに、以前の画像処理による画像は、こちら。同じ元画像から処理したものとは思えない!?。
b0167343_16403572.jpg


コリメート撮影の最大の弱点は、星が膨化して特に周辺部の星がレンズ収差で線状になってしまうことであるが、画像処理で淡い天体を持ち上げると一層目立ってしまって仕上がりを醜くしていた。これが「似非星マスク処理」のお陰で、星像の乱れを目立たせずに、淡い対象を強調できる。しかも「なんちゃってフラット補正」のお陰で、カブリの中の淡い対象を浮き上がらせることが出来て軽めの強調処理で済むため、自然な仕上がりになるという訳。

今までに撮影してきた画像に、これから改めて「なんちゃってフラット補正」と「似非星マスク処理」を施して、その成果を順次アップしていこうと思っている。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-09 16:51 | 手持ち撮影にこだわる訳

星野写真もフラット補正

富士山麓に撮影に行った折に、Canon Power Shot S95で撮影したオリオン座の写真を2つ。
最初は、10秒露光で固定撮影した4コマを星の位置が重なるようにコンポジットしてみたもの。
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星に合わせてコンポジットしたので、景色がブレて見えている。月明かりがあるでもないのに、富士山が明るく照らされたようになっているのは、街明りの影響による。それから、富士山の向こう側が明るいのは静岡県側の街明りだ。季節風に伴って薄雲が流れ込んでいる影響で、西側が特に明るくなっている。

このような条件下で、今度はコンデジをNikon 8cmの赤道儀に搭載し、Nikon 8cm本体で手動ガイド撮影した。6分露光で撮影した4コマをコンポジットした画像を、そのままトーンカーブのみで調整したものがこちら。
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画面左下にはダーク減算後も残った熱カブリと街明りの影響が出ており、右下には街灯りの影響が出ている。
b0167343_23491919.jpg
この影響を補正するため、画像を白黒に変換して「ぼかし」処理をしてフラット補正用の画面を作ってみた。しかし、画面左側(東側)を縦に流れる銀河の光も背景として拾われてしまっている(少し濃淡を強調してある)。
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そこで左半分を斜めにマスクする補正を追加した画面を作製した(少し濃淡を強調してある)。
b0167343_23535586.jpg
さらに、画面中央部分をマスクする補正を追加した(少し濃淡を強調してある)。

この最後のフラット補正用画像を使用して処理を行ってみた。
b0167343_23584383.jpg
(クリックすると大きくなります)
右下の暗い星がかなり失われてしまっているものの、街灯りと薄雲の影響が緩和された分だけ、強調処理が可能になったので、バーナードループやエンゼルフィッシュなどの赤い星雲も薄らと確認できる。

ということで、なんちゃってフラット補正は、星野写真の光害カブリの緩和にもある程度の効果は持つようだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-06 00:06 | 月・星のある風景