NGC4565銀河 2013

前回のBode銀河を撮影した夜は、引き続いてNGC4565にNikon 8cmを向けた。本当なら、極軸合わせが良好だったので、課題としていた2分超えの露光時間をかけたかった。しかし、高度が微妙で手動追尾の体勢が苦しく追尾エラーが頻発したので、止むなく80秒露光でスタートした。また山向こうのスキー場の明かりの影響だろうか、空が明るいのでLPS-P2フィルターを使ってのコリメート撮影とした。フィルター使用による画像の劣化を補うため40コマを撮影したのだが、コンポジットして画像処理をしてみると・・・
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コマ数を稼いだ割には画質が荒く色彩に乏しい。

時間とともに次第に高度が上がってきたので、フィルターなしとして数コマ撮影しているうちに、スキー場の明かりが消えたようで、空も暗くなった。また、体勢的にも追尾が多少は楽になったので、途中から露光時間を101秒にして撮影した。薄明開始までにフィルターなしで撮影した24コマを、コンポジットして画像処理をしてみると・・・
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こちらの方がコマ数が圧倒的に少なかったにもかかわらず、画質も良好で銀河の色調も出ている。

LPS-P2での画質が期待外れだったので、両者を1:3の割合でブレンドして強調処理した上で、無理に片カブリを補正せずに中心部分だけトリミングして仕上げとした。
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(クリックすると少し大きくなります)
2013年1月新月期 AM 2:22 - 5:22 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
LPS-P2 filter (露光時間80秒; ISO 1000) x 40コマ + No filter (露光時間80秒; ISO 640) x 12コマ積算 + No filter (露光時間101秒; ISO 500) x 12コマ  積算露光時間 90分 
Photoshop Elementsを用いてダーク減算+コンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


LPS-P2の画像は、Bode銀河の場合だとM82の赤いガスの描出に貢献してくれたが、今回のNGC4565ではほとんどメリットがなかったかも知れない。あったとすれば、星像が若干シャープになった程度だろうか。いずれにしても、この画像を見る限り、銀河を横切る暗黒帯の詳しい構造をあぶり出すには、さすがにNikon 8cmに手動追尾の組み合わせでは難しそうだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-28 01:39 | 星雲

M81/M82ボーデ銀河 2013

年末・年始の集中的な画像処理で、撮影時の注意点としていくつか気付いたことがあったので、それを実践してみるべく、1月の新月期の連休に盆地の東部の山間へと撮影に出かけた。

まずは、極軸合わせを慎重に行って、10分ほどしても赤経軸方向のズレがほとんどないレベルになった。ガイド星選びは、サブ望遠鏡のミニ・ボーグでも対象のM81/M82を視野の中央に入れた上で、一番近くにある比較的明るい星をガイド星に選んで視野の中心に持ってきた。絞りは開放〜ッ!コンデジの接続に緩みな〜しッ!と1つ1つ指差し確認していく。テスト撮影しながらピントを追い込んでいくのだが、どうもカブリに左右差が出る。接眼筒、天頂プリズム、固定用のリングと確認していくが、改善しない。まあ、ここは見切り発車としよう。

まだ高度が比較的低くて光害の影響もあるので、LPS-P2フィルターを装着して撮影を開始した。露光時間は128秒でISOを640に設定して撮影を繰り返しながら、ひたすら手動追尾を続けた。約1時間半を費やして25コマを撮影し、コンデジのバッテリーを交換。そろそろ高度も出てきたので、今度はフィルターなしで、露光時間は101秒でISOを500に設定し、同じく1時間半を費やして23コマを撮影したところでコンデジのバッテリーが尽きた。

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まずは、LPS-P2フィルターを装着して撮影した25コマを処理した画像。
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こちらは、フィルターなしで撮影した23コマを処理した画像。

積算の露光時間は前者が53分に対して後者は39分。強調処理の程度が同じではないので一概には比較できないが、露光時間の短かった後者のフィルターなしの画像の方が、特にM81の淡い部分が良く描出されている。また、M82の赤いガズ像を別にすれば、LPS-P2フィルターを装着して撮影した画像は色彩に乏しい印象だ。

両者をブレンドし強調処理を追加して整えたのが、こちら。
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(クリックすると少し大きくなります)
2013年1月新月期 22:32 - 25:44 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
LPS-P2 filter (露光時間128秒; ISO 640) x 25コマ + No filter (露光時間101秒; ISO 500) x 23コマ積算露光時間 92分 
Photoshop Elementsを用いてダーク減算+コンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


今回は、コマごとのズレがほとんどなかったので、コンポジットによる周辺部の星像の乱れは随分と改善された。とは言え、中心部の星像がシャープになった分だけ周辺部の乱れが目立つが、この程度であればコリメート撮影の宿命とも言えるものだから仕方がないか・・・どうにか前回の反省を生かすことができたように思う!
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-22 23:39 | 星雲

番外編:画像処理でも蘇らなかった天体(その2-M81/M82銀河)

今回は、昨年11月の新月期の明け方近くに八ヶ岳山麓で撮影したM81/M82ボーデ銀河の画像。二晩かけて80秒露光で86コマを撮影したのだが、コンデジの固定が緩かったのかコリメートの光軸が少々ズレていて、思うような画像処理ができずに放置してあった。これをフラット補正することで、片カブリ状態を改善させられないかと、年末・年始に画像処理をやり直してみた。

こちらはコンポジット後に従来の増幅処理を行った上で、汎用のフラット画像を使って補正してみた画像。
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Nikon 8cmに30mmの接眼レンズという組み合わせは、眼視だとM81とM82が程よい間隔で同一視野内におさまるのだが、コリメート撮影をすると周辺部には収差が出るため2つの星雲がともにその影響を受ける形になる。特に星雲の周囲にある輝星で収差が目立つと、余計に見苦しい仕上がりになってしまう。この輝星の収差は、星マスク処理することで、ある程度は目立たなく出来ると考えた。片カブリについては、4コマのコンポジットの段階でフラット補正を行った上で、それらの画像を再度コンポジット処理することで改善できると期待してやってみた。その結果は・・・・
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星の膨化は抑制されて周辺部の星像の見かけは改善したが、肝心のM81銀河の淡い腕の構造と色彩がフラット補正で随分と削られてしまった。また、その割に片カブリ状態も改善されていない。実は、この撮影では極軸合わせがやや甘かったのと、ガイド星にM81/M82から少し離れた星を選んでしまったために、時間を追って視野がズレてしかも回転してしまった。もちろんコンポジット処理の際には星が重なるように微調整しているのだが、ズレた画像を重ねることで収差が強調されて周辺部の星像の悪化を助長してしまっていた。

当然ながら画像処理でのカバーには限界があるので、撮影の段階で最大限の注意を払うことが成功の秘訣というのが、年末・年始の集中画像処理から得た教訓になる。ということで、画像処理をして改めて気がついた星雲・星団のコリメート撮影時の注意点10か条の覚え書き。
(1)極軸合わせは成功のための第一条件
(2)ガイド星は出来るだけ対象の近くを選ぶ
(3)ピンボケは画像処理では修正に限界があるので、ピント合わせは慎重に行う
(4)コンデジの絞りが開放になっていることを確認する
(5)片カブリの補正は難しいので、コンデジの接続に弛みがないか十分に確認する
(6)ダーク減算処理をしない画像だと惑わされやすいので、対象が中央にあるか十分に確認する
(7)フラット画像によるカブリ補正には限界があるので、ISOは低めに設定した方が良さそう
(8)コマ数が多い場合には時間とともに光害カブリの状態が変化するので、最初・中間・最後にそれぞれフラット画像を撮影しておく方が良さそう
(9)赤い星雲以外の対象では、LPS-P2フィルターを使うと色情報の変化と画質の劣化というデメリットが強く出る印象
(10)以上の9点に十分留意の上で、露光時間をタップリとかけてコマ数を稼ぐこと
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-19 23:57 | 手持ち撮影にこだわる訳

真夜中の狙撃手

1月の新月期は、あまり出かけることが出来ずにいたので、2月の最初の週末に下弦の月が夜半に昇ってくるのを承知で出かけることにした。相変わらず八ヶ岳方面は季節風が強い予報で、さりとて富士山麓まで出かけるのにはもう時間が遅い。そうなると、このところホームグラウンドのようになってしまっている盆地の東部山間部が唯一の選択肢となった。街明かりの影響は強いのだが、自宅から30分ちょっとという手軽さと、山が迫って空が狭い分だけ季節風の影響が少ないというので、このところよく足が向くようになった。

家を出たのが遅くて月が昇ってくるまでの持ち時間は1時間ちょっとだったので、最初はフィルターなしでコリメート撮影し、月が昇ってからはLPS-V4を使って撮影した。しかし午前2時を過ぎると、月明かりでハッキリと地面に影が出来るようになったので、さすがに撮影を諦めかけたのだが、ふと思いついてコリメート撮影の様子を撮ってみることした。

普段の撮影では、焦点距離1200mmのNikon 8cm本体に天頂プリズムを付けた上で、接眼レンズにはタカハシのLE30を組み合わせて(倍率でX40)アダプターでコンデジ(Canon PowerShot S95)を装着している。ガイド鏡は、親亀子亀でNikon 8cmの上に載せたミニ・ボーグ(口径5cm、焦点距離250mm)に、2倍バローレンズと天頂プリズムを併用してミニ・ボーグの焦点距離を825mmまで延ばした上で、12.5mmの暗視野照明付きの接眼レンズを組み合わせている(倍率でX66)。

右手でフレキシブル微動ハンドルを握りしめ捻りながら追尾し、左手は微動ハンドルの付根を軽く支えて微動装置の回転を安定化させるようにしている。微動ハンドルを一番スムーズに動かせるように立ち位置を工夫し、その上でガイド鏡をのぞきやすいように、脚の開き具合で頭の高さを調整する。目の位置が少しでも動くと、十字線とガイド星の見え具合が微妙にズレるので、臍のあたりの腹筋を締めるような感じで体を安定化させて、体勢を維持するように心がけている。天頂方向の対象を撮影する時だけは、子供たちが小さかった頃に使っていた高さを変えられる椅子を使っている。

完全な手動追尾なので、どんなに冷え込みが厳しくても撮影中は望遠鏡を抱くようにして微動ハンドルを捻り続けなければならない。当然ながら寒さで体が震えたら画質に大きく影響するので、防寒対策が重要になってくる。下は防寒下着を2-3枚重ねて履いた上に登山用のズボンを履き、その上にキルティングの防寒ズボンと雨着のズボンを重ねている。上半身も同様に重ね着して、頭は目出し帽の上にさらに毛糸の帽子を重ねる。靴下だって冬物を3枚重ねて履いている。これだけ重ねると、風さえなければ氷点下10度でも汗をかくほどだ。

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この写真、目出し帽を着用という出で立ちに加えて周囲の景色の加減なのか、どことなく中央アジア辺りで闇夜に紛れて活動する狙撃兵のようにも見える。最新鋭の機材を備えた某国に、前時代的な機材で無謀にも抵抗を試みる姿!?・・・

・・・改めてこうしてみてみると、機材はいたってシンプルだ。なんと言ってもコードが1本もない。だから、コードを1本忘れたばっかりに撮影ができないなんて悲劇とは無縁だ。追尾の動源は最近はハシより重いものはほとんど持っていない右腕一本で、ガイド鏡のCCDカメラないしWebカメラは老眼の進行が著しい右の目玉、オートガイダーは人の名前がなかなか思い出せない錆び付いた脳みそ・・・。精度は低いが、原因不明のトラブルなんてマズない。寒さや疲労が大敵だが、人には見せられないような厚着と「キレイな写真が撮れるかも・・・」という妙な期待感でカバーしている。弱点は、撮影中は話もままならないこと。おしゃべりしながらだと、老眼CCDカメラと錆び付き脳みそオートダイダーが機能不全に陥ってしまう・・・。

こんな格好で撮影している姿を見かけたら、どうぞ声をかけて下さい。ただ、追尾を機材に委ねて皆様とゆっくり談笑という訳には参りませんので、お許しを。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-17 00:41 | 月・星のある風景

番外編:画像処理でも蘇らなかった天体(その1-M42オリオン星雲)

年末・年始休暇に、画像の再処理で見違えるようになる星雲の姿に励まされて、さまざまな天体の画像処理をせっせとやり直した。もちろん効果の程度には差があったが、概ね良好な結果が得られて、ショボショボする目を擦りながら、パソコンの画面を前に独りニヤニヤしていた。パソコンにへばりついて目を凝らしてばかりいたので、その代償として老眼がさらに進行したことは間違いない。その一方で、ウ〜ンそうかあ・・・と再処理の結果に幻滅した対象がいくつかあったことも確かだ。その代表がM42オリオン星雲だった。

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このM42を撮影したのは、昨年の10月の新月期。この夜は、Nikon 8cmの赤道儀のクセをつかむことで、極軸合わせの精度が向上して、最長で2分までの手動追尾を行った。その一方で、極軸合わせの精度が上がった分だけ赤経軸側のエラーが解消され、かえって追尾エラーが目立つようになってしまってもいた。さらに、星雲中心部はiPhotoの「ハイライト」機能で浮き上がらせたので、一番明るいハズの中心部がやや暗くなって不自然な仕上がりになっていた。

視野全体に分子雲が広がっているため、以前に中途半端にフラット補正を行ったところ、視野周辺部の淡いガス像が年輪状になってしまい画像を醜くしてしまっていた(上の画像は補正前のもの)。それなら、個々のコマに立ち返ってフラット補正を施してからコンポジットすれば、周辺部のガス像のマダラは解消されるのではないかと考えた。さらに、この画像に似非星マスク処理を行うことで、追尾エラーによる星像の乱れの過度な増幅が抑制できるとも期待された。

そんな訳で、明るい星雲の中心部を写すために行った短時間露光のコマは別にして、30秒以上の露光時間のコマは全て改めて汎用コンポジット画像を用いてカブリ補正を行った上で、再度コンポジットを行った。さらに似非星マスク処理とともに、星雲の中心部にもマスク処理を行った。最終的にHDR処理もブレンドして完成とした。
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結果はこの通り。簡単にまとめると・・・
(1)周辺減光は解消された。
(2)星雲中心部の明るい部分は、マスク処理によって画像の階調が狭められず自然になった。
(3)微光星の肥大が抑制されて、追尾エラーは目立たなくなった。
(4)フラット補正を行ったことで、周辺部の淡い部分が削られてしまった。
最初の3つは改善点で最後が期待はずれだった点なのでトータルには改善しているのだが、星雲の淡い部分が失われたことで、パッと見た印象としてはスゴクもの足りなくなってしまっている。フラット処理は本来なら背景に埋もれそうな淡い天体を浮かび上がらせてくれるハズなので、つまりは使ったフラット画像と処理方法が不適当だったということになるのだろう。

今回のフラット処理の方法は、対象の天体が視野の中心にある場合には効果を発揮してくれるが、M42オリオン星雲のように視野いっぱいに広がっている場合には向いていない、というのが結論になる。いや、それならいっそフラット画像での減算処理なってやめてしまって、周辺部の淡い部分まで持ち上げてしまった方が、結果的に全体がフラットになるんじゃあないか?と考えた。星がうるさくならないようにマスク処理とHDR処理だけやってみると・・・
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なんだ!?これもアリじゃあないか!!考えてみれば、八ヶ岳山麓の暗い空でISOも抑え気味に撮影しているのだから、なんでもかんでもフラット補正というのでなくても良いのかも知れない。暗黒帯の部分はそれなりにコントラストが出ていて、周辺部の淡い部分が視野いっぱいに広がっている、この仕上がりは悪くないように思える。

それなら、2つの処理方法の画像を50%ずつで、コンポジットしてみたらどうだろうか・・・
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ほぼ自分が最初にイメージしていた仕上がりになった!!

ヤレヤレ・・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-13 23:54 | 手持ち撮影にこだわる訳

画像処理で蘇る星雲!(その13-NGC4565銀河)

b0167343_22501330.jpg昨年2月に撮影したNGC4565銀河。

可愛らしいエッジ・オンの細長い姿だけでなく、中央の暗黒帯の構造が少しは捉えられるかもと期待して、せっせとコマ数を重ねた。ただ、1年前のこの当時は手動ガイドの限界を40秒程度と自分で壁を作ってしまっていたので、最終的に45コマをコンポジットしているが、累積の露光時間は30分程度だった。もっとも当時の極軸合わせは今から見ればかなり適当で、1分超えの露光時間だと追尾エラーよりも経度方向のズレが大きくなってしまっていたから、これは仕方がないのだが。

さすがに、簡易フラット補正を施すことぐらいで、撮影当時に期待ハズレに終わった暗黒帯の構造が浮き出てはこないことは判っているが、それでも円形の背景カブリと星の膨化を抑制することで、それなりに見栄えはするだろうと考えて、汎用フラット画像によるカブリ補正、星マスク処理、HDR処理と進めてみた。その結果・・・
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背景カブリが改善し、星の膨化が改善されてバランスは良くなったけど、背景ムラは解消できなかった。汎用のフラット画面を用いているし、露光時間が長くない上にISOが高く設定されていたのので、仕方がないところだろう・・・。

はたして露光時間を2分まで延ばすことで、銀河の構造を少しは写し出すことができるのかどうかは甚だ疑問だが、ぜひやってみたいと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-09 23:44 | 手持ち撮影にこだわる訳

画像処理で蘇る星雲!(その12-M83銀河)

画像処理のやり直しシリーズは、昨年3月に撮影したM83銀河。
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この当時としては記録的な80秒露光も含めて撮影し、その結果として薄らと紫を帯びた銀河の色合いが出たとして、大喜びした対象だ。思えば、このM83で露光時間を延ばす事の意味を実感し、それまでの単なる観望記録や写って嬉しいという撮影から一歩前に出て、コリメート撮影の限界を探ってみようと思った記念の画像でもある。

しかし、不思議な形状の銀河の腕は比較的良く写っていたが、その周囲を取り巻く淡い部分を持ち上げようと、強調処理を重ねた結果として、星が膨化してしまっていた。また、高度が低い対象なので、光害カブリの影響が目立たぬようにと調整し、そのためにバックの色調が不自然に黒くなっていた。

ただし、さすがに元になった個々の画像にまでさかのぼってカブリ補正を施すのは大変なので、コッポジットしてあった画像に対して、汎用フラット画像でカブリ補正を行った。そして、星マスク処理とHDR処理を加えてみた。その結果・・・
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銀河の姿がより明瞭になるというような効果はなかったが、背景カブリが解消されて視野の端々まで文字通りフラットになったことと、背景の星々の明るさが飽和していたのが改善されて、星の色合いも蘇ってきた。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-05 23:37 | 手持ち撮影にこだわる訳

画像処理で蘇る星雲!(その11-馬頭星雲)

画像処理のやり直しシリーズは、昨年11月にLPS-P2とV4フィルターを導入して撮影した馬頭星雲の画像。
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空の条件が良かったにもかかわらず、極軸合わせが不十分で1分越えの露光ができなかった。そこで、フィルターの効果に期待して、とにかくコマ数を稼ごうと切り替えて撮影したのだった。撮影してコンポジットしたコマ数は実に112コマで、積算露光時間は2時間という頑張りにもかかわらず、コマ当たりの露光不足は誤摩化せなかった。しかも、ISO値を高く設定したため、コマ数の割には画質も粗かった。

その上に対象の馬頭星雲は淡いので、画像処理で持ち上げざるを得ず、そのために星が膨化するという、いつもの負のスパイラルに陥ってしまっていた画像だ。簡易のフラット補正も、ほとんど効果はなかった。

さすがにコマ数が多いので、コマ毎にフラット補正して最初からコンポジットをやり直す気にはなれなかった。そこで、LPS-P2とV4フィルターで撮影したコマをそれぞれコンジットした段階まで遡って、それぞれの条件用に作った汎用フラット画像でカブリ補正を行った。その上で、星マスク処理とHDR処理を加えてみた。その結果・・・
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星の膨化が矯正された分は見映えが良くなった。また、カブリが解消された分だけ増幅補正が可能になって、星雲は随分と明るくなったのは収穫。しかし、LPS-V4フィルターの影響で緑を帯びた背景の色調を補正しようと試みた結果、本来なら馬頭星雲よりも赤味が弱くオレンジの色調になる火焔星雲が随分と赤くなってしまっている。やはり、フィルターなしの撮影も入れてブレンドした方が良さそうだ。しかも、コマ毎の露光時間が比較的短かったため星雲の細かい構造が出ておらず、フラット補正で画質が平滑になった分だけノッペリした仕上がりになってしまった。いくらフラットが効いたからと言ったって、強調処理を欲張り過ぎると不自然になるなあ・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-01 23:44 | 手持ち撮影にこだわる訳