冬の間お世話になりました・・・

当地の冬は晴天率は高いものの、ホームグラウンドとも言うべき八ヶ岳山麓は季節風が強く雪雲が流れ込むことも多い。しかもスキー場では人工降雪機が稼働して照明が煌々と夜空を照らすため、これまで冬期の撮影場所には悩まされてきた。富士山麓まで行けば季節風の影響はかなり緩和されるが、標高が高くて冷え込みが半端ではないため、生身の手動ガイドで撮影するという手法では、二の足を踏んでしまう。そこで、盆地の街明りの影響には目をつぶって、盆地の東側の山間にある小さな公園を新たな撮影地として開拓した。夜中なら自宅から車で30分ほどの場所である。

西側の狭い範囲を除いて周囲を山に囲まれているために、盆地に相当の北風が吹き荒れていても望遠鏡が煽られるようなことはなかった。しかし、当然ながらその分だけ空が狭く、また西側は光害の影響が強くて南中後の天体が高度を下げ始めたらまず撮影できない。東側も八王子までは直線距離にして50kmなので、山の上の空がほんのりと明るくなっている。加えて、公園の柵には「熊に注意」の看板が掲げられ、夜間は鹿が頻繁に周囲を移動して行くのが気配から察せられるため、慣れるまでは気分的にちょっと落ち着かなかった。

3月も半ばを過ぎて急に暖かくなり、クマも穴蔵からとうに這い出しただろうと思われるようになると、いよいよ居心地が悪くなってきた。せめて万が一の場合には運転席に駆け込めるようにと、気休めに望遠鏡の直ぐ山側に車を停めて、心の平静を保ちつつ撮影をした。いつもなら薄明が始まってもまだ撮影を粘ることが多いのだが潔く撤収し、朝の散歩中のクマとは遭遇しないようにしていた。

春の訪れは、その一方でスキーシーズンの終わりを意味する。八ヶ岳周辺のスキー場も3月末から4月はじめには相次いで閉鎖されるようだ。そうなれば空は暗さを取り戻すので、4月の新月期からはホームグラウンドに戻れるようになるし、富士山麓の寒さだって知れたもの。3ヶ月間通ったこの場所も、これが最後だろう。折から、夏の銀河が高度を増してきて、夏の大三角も山の上に姿を見せた。そこで、コンデジを向けて望遠鏡で手動追尾し撮影してみた。

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2013年3月新月期 3:56 - 4:23 山梨県笛吹市
Nikon 8cmに同架したCanon PowerShot S95で手動ガイド撮影
No filter(露光時間64秒; ISO 400-1000) x 12コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


秋が終わって、再びスキー場の照明が点灯され八ヶ岳おろしが吹荒れる季節には、クマが穴蔵に籠るのと入れ替わりにまた戻ってこようと思っている。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-30 11:58 | 月・星のある風景

メシエ天体制服へカウントダウン(M105/NGC3384/3389)

しし座のお腹のあたりで、すでにアップしたM95とM96の傍らにあるM105だが、なぜかメシエカタログではM95とM96から番号が離れている。AstroArts のメシエ天体ガイドによると、「メシエの作成したカタログには記載されていなかったが、メシエが存在を知っていたことが明らかなため、後になってメシエ天体に加えられた」とのこと。

別にメシエカタログの番号に従ったわけではないが、M95とM96を撮影したのと同じ晩ではなくて、それから1週間後の月の出ていない晩に改めてM105にNikon 8cmを向けてみた。手導入でも比較的容易に視野に入れることができた。ネット上にアップされている画像で見ると、M105と寄り添って同じような規模のNGC3384が写っているが、眼視で見るとM105の方がずっと明るくて、NGC3384がメシエ天体から外れているのも納得がいった。

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2013年2月新月期 0:59 - 2:15 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 2000) x 18コマ + (露光時間64秒; ISO 1000-1250) x 8コマ + (露光時間80秒; ISO 800) x 4コマ + (露光時間101秒; ISO 640) x 4コマ 全34コマ積算露光時間 33分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


写真では、もう1つNGC3389も写っているが、眼視では存在は全くわからなかった。こうして見ると、NGC3389だけ少し青みを帯びているようだ。

(撮影したメシエ天体 通算99/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-27 23:56 | 星雲

メシエ天体征服へカウントダウン(M89/M90銀河)

メシエ天体の完全制覇を目指して、まずはM95とM96を2つ同時に済ませると、気持ち的には少し勢いがついた。そこで、他に複数の未踏破メシエ天体が同一視野に入る領域はないものかと探したら、M89とM90ならイケそうだと睨んだ。

2月の新月期、盆地は朝から降り始めた雪が日中の気温の上昇とともに雨へと変わり、いくらか積もった雪がすべて消えてしまった。そして、夜になるとどんどんと晴れてきて、透明度の高い星空になった。気温も下がって、雨でゆるんだ土も凍って引き締まりそうだ。よっし!と機材を車に積み込んで盆地の東部の山間のいつもの場所に向かった。

目的地の直前の坂までは、路肩に若干の積雪が残っている程度で車の走行には全く支障がなかった。しかし最後の坂で急に積雪が増えて、オオっと思ったが勢いで上りきった。公園に着くと、一面の銀世界で、10cm程度の積雪が誰の踏み跡もなく広がっていた。

せっかく来たんだしと、満天の星空に誘われるように雪面に三脚を突き刺してNikon 8cmを組み上げた。目的のM90の細長い紡錘形は、あっさりと視野に入ってきた。一方、M89は意外と見えづらく、接眼レンズにコンデジを装着して撮影しながら探した。そしてM89、M90と三角形を作るように位置するNGC4531もバランス良く収まるように調整して、撮影を開始した。

手動追尾しながら冷たい外気で頭を冷やしたせいだろうか、撮影の途中で小さな不安が心臓の鼓動に呼応するようにムクムクと育ってきた。来る時は勢いで乗り切った雪の斜面だが、夜の冷え込みとともにアイスバーンになるのでは・・・。そうなったら無事に下ることができるのだろうか・・・。他に誰もいない山中でスタックしたら・・・。

そう考えると、いくら素晴らしい星空で、極軸合わせが万全とあっても、下り坂の恐怖が勝ってしまった。露光時間を延ばそうなんていう意欲は消え失せて、それでもなんとか予定のコマ数だけはこなすと、大慌てで機材を撤収し車を出した。下り坂の手前までくると、下手なスキーで緩斜面から急斜面に突っ込む時のように幸運を神様に祈りつつ、エイやとストックならぬハンドルを握りしめ斜面へと臨んだ。

幸い心配したようなスリップはなく、あっさりと雪の斜面を通過すると、もう逃げるように家路へとついた。

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2013年2月新月期 0:27 - 1:41 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 1000) x 16コマ + (露光時間64秒; ISO 500-640) x 17コマ  全33コマ積算露光時間 29分 オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


露光時間が短かった割には銀河の色調の違いも出ていて、そこそこの画像になった。

(撮影したメシエ天体 通算98/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-23 23:13 | 星雲

メシエ天体征服へカウントダウン(M95/M96銀河)

メシエ天体の完全制覇を目指してラスト・スパート!!と言えば景気がイイけど、難易度の高い地味な印象の小銀河ばかりが残っているので、子供の頃に夏休みの最後にやり残した宿題を心配しているみたいな、うら悲しい気分でモヤモヤしてしていた。

そうなると、いっぺんに2天体を片付けられたら有り難いなあというヨコシマな気持ちになって、まずは同一視野に複数のメシエ天体が入るところを狙おうと考えた。残りはどうせキレイには写りっこない小銀河だと思うと、未踏破のメシエ天体以外にも撮影してみたい対象は山のようにあるので、条件の良い夜はそちらにとっておきたいなんていうケチな了見も頭をもたげてくる。

そこで思いついたのは、下弦の月が昇ってしまってから、あまり見栄えのしない(だろう)棒渦状銀河や楕円銀河を撮影するというセコイ作戦。星図を眺めてみると「しし座」のおなかの下にあるM95とM96なら、どうやら同一視野におさまりそうだ。よし、ここからメシエ天体征服の狼煙を上げてやれと、しし座のトリオを撮影した後にNikon 8cmを向けた。

手導入でも意外とあっさりと視野に入れることができて、ボンヤリした2つの光芒を視野の両端に据えると撮影を始めた。下弦過ぎの月明かりがあるので、最初はせいぜい40秒露光ぐらいまででお茶を濁そうと思っていたのだが、バック・モニターで見ると月明かりがそれほどは邪魔にならずよく写っていたので、露光時間を段階的に延ばしていった。そして2コマだけではあるが128秒露光までやって終了とした。

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2013年2月新月期 3:32 - 4:50 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 1000) x 16コマ + (露光時間64秒; ISO 640) x 8コマ + (露光時間80秒; ISO 500) x 4コマ + (露光時間101秒; ISO 400) x 2コマ + (露光時間128秒; ISO 320) x 2コマ 全32コマ積算露光時間 33分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


コンポジット処理してみると、どちらの銀河も明るい中心部を取り巻いて淡い円形の構造がうっすらと写っている。どうしてどうしてなかなか立派な銀河じゃあないか。月夜にここまで写ったのだから、条件の良い夜ならもっと見栄えがしたハズだ。

子供の頃、親父に「二兎を追うものは一兎を得ず」だとか「慌てる乞食はもらいが少ない」だとか、よくたしなめられたのを思い出した。あれから40年経っても、一向に進歩がないなあ・・・。

(撮影したメシエ天体 通算96/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-19 23:40 | 星雲

しし座のトリオ 2013

しし座のトリオは、そこそこの大きさと個性を持っている3つの銀河が小望遠鏡の同一視野に入るという他に類のないオイシイ対象であるが、コリメート撮影にはなかなかの難物でもある。それは、3つの銀河が視野の端に位置するために、コリメート撮影特有の収差によってスッキリした姿を捉えにくくなるからだ。加えて、このNikon 8cmでは対象の方向と赤道儀の折り合いが悪く、微動ハンドルの動きが渋くなるために、手動追尾の精度が低下するという悩みもある。

手動追尾も経験を重ねるうちに少しずつコツが掴めてきて、立ち位置やガイド鏡のアイピースの向きのような細かい点にまで気を配ることで精度が上がってきた。そんななかでも、微動ハンドルがフレキシブルタイプであるため、微動ハンドルを均等に捻っているつもりでも力がスムーズには伝わらず、ガイド星が十字線の前後を行ったり来たりしてしまうという追尾エラーをよく経験する。この対策として、右手で微動ハンドルを握りしめて左手を微動装置との接続部に軽く添えると、比較的スムーズになるという技を編み出して以来、この手の追尾エラーがグンと少なくなった。

この夜は、しし座のトリオの追尾に忍法左手の術で対抗することを試みた。それにしても、この対象は赤道儀との相性が悪く、「軽く」左手を添えた程度では追尾エラーがなかなか減らない。そこで、勢い左手にも右手にも力が入ることになるのだが、そうなるとガイド星が十字線の前後左右を小刻みに揺れてしまうことになる。これすなわち、肝心のコリメート撮影でも対象がシヤープに写らないということになる。撮影中にコンデジのバック・モニターで確認すると、星が随分と大きく写っているので最初はピンボケかと思った。たいていの追尾エラーは星が線状に写るので、ピンボケかと考えたのだが、そうではなくて明らかに追尾エラーだった。

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2013年2月新月期 23:11 - 27:01 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間64秒; ISO 800) x 32コマ + (露光時間80秒; ISO 800) x 2コマ + (露光時間101秒; ISO 500-800) x 24コマ  全58コマ積算露光時間 77分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


それでも、露光時間は比較的長めにしたので、3つの銀河の微妙な色調の違いがあぶり出されていて、その点では今まででベストの写りと言えるのだが、いかんせん眠たい写りだ。極軸合わせが良好だったために、コマ毎の視野のズレも少なく収差の影響の少ない写りなったとは言え、ボケボケのために周辺部の像の乱れが目立たないくらいだ。そんなこともあって、銀河を強調すると画質の眠たさばかりが目立つようになるので、画像処理も軽めにとどめた次第。

これから南中後に狙えば、赤道儀のご機嫌が少しは良くなるだろうか・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-16 23:37 | 星雲

アンタレス付近

パンスターズ彗星の北半球参上で、そこかしこにライブ感満載な観望記録が並ぶなかで、このところ1-2ヶ月前に撮影したライブ感に乏しい天体のアップが続いていたので、久しぶりにリアルタイムの画像をアップしたい。俄然夕刻の空が注目を集めるなか、明け方前の夜空では夏の星座たちが出番を迎えつつある。今回の画像は、全天で最もカラフルとされるアンタレス周辺を、ミニ・ボーグでコリメート撮影したものだ。

Nikon 8cmでコンデジのコリメート撮影でもメシエ天体が写るんだ!!と気がついて以来、手持ち撮影から、アダプターを使った撮影、さらにはガイド鏡を使った手動ガイド撮影と手法を進化させつつコツコツと撮影を積み重ね、残すところは春の銀河群となった。ところが、これが小口径望遠鏡にはなかなかの難物。星図を頼りに反転されたファインダーを覗き込んでの手導入が、目印となる明るい星に乏しい領域なので困難を極める。加えて、8cmという小口径で40倍という倍率の組み合わせでは、それぞれの対象は暗く小さくしか写らず、コンデジのバックモニターに写った姿を見ても、正直なところあまりテンションが上がらないのだ。

そんななか3月の新月期を迎え、メシエ天体制服の最後の追い込みのために出かけることにした。この週末の後半は初夏すら思わせるような暖かさから一転して冬型の気圧配置に変わり、八ヶ岳山麓はまだ季節風が強い。この冬に通った盆地東部の山間の小さな公園は、季節風の影響が少ないのだが、「クマに注意!!」の看板が掲げられている。このとろこの暖かさでクマが冬眠から目覚めたかなあ?なんて考えると、なんとなく行くのが不安になる。そこで、久しぶりに富士山麓に出かけることにした。クマが出る可能性はあるのだが、気温が低いぶんだけクマはまだオトナシイだろうと思うことにした。それに、同好の志もきっといるだろうから心強い。

ところが22時過ぎに現地に着いてみると、見事な星空にもかかわらずいつになく静かだ。まあ日曜の夜なので無理もない。1台だけ奥の方にいた同好の志と思われる車も、日付が変わるころには撤収された。とうとう一人っきり。しかし美しい星空の下にいると、クマへの不安は胸のなかで小さくなっていった。午前2時を過ぎると「さそり座」が富士山の裾野から昇ってきて、手招きをするようになった。午前3時には撤収しよう・・・と決めていたのだが、東の空にうっすらと見え始めた天の川の誘惑にはもう勝てなかった。空は真冬のように澄んでいて、以前から撮影してみたいと考えていたカラフルな領域を狙うにはうってつけの条件だ。

このところ小望遠鏡にとっては地味な天体ばかり追いかけていた反動が、睡眠時間を犠牲にしても撮影したい!!というエネルギーへと変換されてしまったようだ。ただ、薄明までに残された時間だけが懸念材料だった。大急ぎで、Nikon 8cmのガイド鏡に使っているミニ・ボーグからバローレンズを抜くと、30mmの接眼レンズを差し込んでコンデジを装着した。Nikon 8cm本体にアンタレスを導くと、ミニ・ボーグの視野の端にアンタレスとM4球状星団が入り込むように調整した。画角的には、ちょうどよい感じだ。さっそくに32秒露光で手動ガイドして撮影し、オートのダーク減算処理の時間ももどかしくコンデジのバック・モニターを覗き込んだ。

出てきた画像では、天の川本体から伸びてきた暗黒帯がV字を描くようにのたうっている様が、うっすらと確認できた。といこうことで、そこからは露光時間を32秒から64秒、80秒、101秒、128秒、161秒、203秒、256秒と1コマ毎に延ばしながら撮影していった。ところがダーク減算処理にも同じだけの時間がかかるので、256秒露光の撮影を終えた時点で時刻は4時半となってしまった。そこで今度は露光時間を短くしてコマ数を稼ぐことにして、40秒露光で撮影を重ねているうちに薄明を迎え、クマに出会わぬように大急ぎで撤収した。

こうして撮影した画像をフラット補正なしで処理したが、ISOを抑え気味にしたためか背景カブリは気にならない感じだ。視野ギリギリの斜め右上にはM80球状星団も入っていた。
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2013年3月新月期 3:46 - 4:55 山梨県富士山麓
ミニ・ボーグ 5cm (f 250mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 1600-3200) x 2コマ + (露光時間40秒; ISO 500) x 8コマ + (露光時間64秒; ISO 400-800) x 5コマ + (露光時間80秒; ISO 500) x 1コマ + (露光時間101秒; ISO 320) x 1コマ + (露光時間128秒; ISO 200) x 2コマ + (露光時間161秒; ISO 160) x 1コマ + (露光時間203秒; ISO 160) x 1コマ + (露光時間256秒; ISO 125) x 1コマ 全22コマ積算露光時間 29分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易星マスク+HDR処理


複雑に入り組む暗黒帯やアンタレスに重なるオレンジ色のガス像の片鱗は見て取れる。また、Al Niyatの周辺にも淡い赤いガスがあるのだが、それもうっすらと写っているようだ。この辺は、Canon PowerShotが赤に強いという特性が出ている。その一方で、この領域の美しさの根源とも言うべき青いガス像はほとんど出ておらず(輝星には青ハロが出ているのにネ・・・)カラフルとは言い難い仕上がりだ。ネット上で見られる画像と比べてみると、今回の画像ではM4球状星団の星の広がりが小さくて、カメラの感度の問題というよりも圧倒的な露光不足が否めないようだ。4月か5月の新月期で冷え込んで透明度の高い晩に、露光時間を可能であれば5分以上かけてじっくりコマ数を重ねてみたい。そうすれば、もう少しはカラフルに写すことができるのではないだろうか・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-13 02:07 | ミニ・ボーグの世界

M97 ふくろう星雲 2013

2月最初の週末に、夜半過ぎには下弦の月が出て来るのを承知で、盆地の東側の山間に撮影に出掛けた。月があっても出掛けた理由は、LPS-V4フィルターの説明書にあった「惑星状星雲にも有効」という謳い文句を試してみようと思っていたからだ。対象は、北斗七星の柄杓の底にあるM97ふくろう星雲。

いつも通りNikon 8cmに対象を手導入し、ミニ・ボーグをガイド鏡にして月の出まではフィルターは使用せずに露光時間80秒( ISO 640)で手動追尾した。 25コマ をコンポジットして軽く画像処理したのがこちら。
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月が出てからはLPS-V4フィルターを装着してコリメート撮影を始めた。空の透明度は高いが足許には月明かりで長い影が出来ている。こんな条件で果たして写るのだろうか?と半信半疑だったが、コンデジのバックモニターの画像を見て唸った。色調は不自然ながら、そこそこコントラストがついて星雲がポッカリ丸く写っていた。露光時間80秒( ISO 1000)で撮影した32コマを、コンポジットして軽く画像処理したのがこちら。
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上のフィルターなしの画像に比べて、微光星が出ていないにもかかわらず星雲がクッキリと浮かび上がっており、月明かりにもかかわらず背景は黒く引き締まっている。確かにLPS-V4フィルターは惑星状星雲に有効なことがわかる。ただ、星雲の緑掛かった独特の青い色調は失われていて、これだけでは決して美しいとは言い難い。

そこで両者を2:1でブレンドして、画像処理を追加して完成とした。
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(画像をクリックすると少し大きくなります)
2013年2月 22:52 - 25:24 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間80秒; ISO 640) x 25コマ + LPS-V4 filter (露光時間80秒; ISO 1000) x 32コマ 合計57コマ 積算露光時間 76分 
Photoshop Elementsを用いてダーク減算+コンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


フィルターなしで撮影した色調と、LPS-V4フィルターで浮かび上がったコントラストがマッチして、それぞれ単独の画像よりも良くなった感じがする。しかし、月のない条件でフィルターなしで同じコマ数を重ねた場合や、あるいはLPS-V4を月明かりなしの条件で使用した場合と比べたらどうなのかは、わからない。

眼視だと辛うじて面積をもった円形の光芒がぼんやりと夜空に浮かぶ様が見える程度の天体が、その覗いた同じ接眼レンズにコンデジを取り付けて手動追尾すると、こんな画像として手に入る嬉しさと言うか爽快感!!コリメート撮影の醍醐味だな。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-10 22:57 | 星雲

Nikon 8cmアーカイブス(7)

第七弾は、初冬の星雲・星団シリーズ。
赤い星雲には、LPS-P2とLPS-V4フィルターを使うようになった。

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(以下をクリックすると、掲載された記事に飛びます)
M42オリオン星雲
Horsehead馬頭星雲
M78星雲
Rosette Nebulaバラ星雲
NGC891銀河
M1カニ星雲
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-07 23:51 | アーカイブス

M1かに星雲 2012

昨年の秋に撮影したM1カニ星雲の画像が、まだ残っていた。

この夜は、透明度・気流ともに良好という好条件だった。小さな対象なので、無理に露光時間をかけるより、手動追尾の精度を上げることを心がけて64-80秒露光とした。その分、コマ数を稼いだ。

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2012年10月新月期 AM 1:05 - 3:40 八ヶ岳山麓富士見高原
64秒 (ISO 1000 x 10コマ + ISO 640 x 24コマ) + 80秒 (ISO 640 x 10コマ + ISO 500 x 12コマ)
 合計56コマ 積算露光時間 66分
Photoshop Elementsを用いてダーク減算+コンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


やはり、空の条件が良い画像はフラット補正も軽くていいので、仕上がりがシャープになる。ISOも押さえ気味なのが良かったのだろう。

この画像でも、星雲を構成する赤いフィラメント構造の存在が見て取れるので、星雲をトリミングしてみたが・・・
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フィラメント構造の詳細までは写っていなかった。

それでも2012年の写し初めの画像から見ると、随分と良く写るようになったな〜。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-04 23:23 | 星雲

三度目の正直・・・ならず M78星雲

暗黒帯と青いガス像が織りなす複雑なM78星雲の姿をNikon 8cmで捉えてみたいと、晩秋から冬のはじめにかけて撮影を2回試みたものの思うような成果が出ていなかった。そこで、寒さが増して空の透明度が高まる12月の新月期の第一候補としてリスト・アップし、晴れ間を待っていた。

そして、双子座流星群の極大日の晩に撮影を敢行した。この夜は寒さこそ厳しかったが、この時期の八ヶ岳山麓としては珍しく風は弱かった。シャキッと引き締まった寒さで、空の透明度は上々。撮影場所が里に近いことを別にすれば、3度目にして最高の条件になった。

撮影を始めたのがほぼ南中時で高度もあったので、フィルターを装着せずに101秒露光でISOを800に設定して撮影した。手動追尾で見つめるガイド・スコープの視野の向こうを、何度も流星が横切っていった。全部で23コマを撮影したところでバッテリー交換となった。時間とともに高度がやや下がってきたので今度はLPS-P2フィルターを装着し、101秒露光でISOを1000に設定して25コマを撮影した。

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(クリックすると少し大きくなります)
2012年12月14日 1:29 - 4:04 山梨県北杜市大泉
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間101秒; ISO 800) x 23コマ + LPS-P2 filter (露光時間101秒; ISO 1000) x 25コマ 積算露光時間 81分 
Photoshop Elementsを用いてダーク減算+コンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


出来上がりの画像は、その片鱗は見えなくもないが三度目にしてまたも不完全燃焼気味・・・。それまでの撮影で、星雲の中心部を別にすれば非常に淡い対象であることを痛感していたので、この夜はISOをいつもより高めに設定していた。そのためにカブリが比較的強くて、同時に撮影したフラット画像を使って補正を試みたにもかかわらず、うまく解消することが出来なかった。1つには、この辺りは淡く星雲が広がっていて、どこまでがカブリでどこから星雲なのか判然としないため、フラット補正が難しいという事も言えると思う。また、Canon PowerShot S95は赤い星雲には感度が良いが、M78のような色調には感度が低い。LPS-P2フィルターも、フィルターなしに比較して星雲の淡いガス像を浮かび上がらせることは出来なかった。

露光時間を最低でも2分まで延ばした上でISOは押さえ気味に設定し、フィルターなしで可能なかぎりコマ数を稼ぐ・・・・来シーズンこそはもっと美しい姿を捉えたいなア。

追記
くっしーさんがご所望された、no filterとLPS-P2 filterでそれぞれ撮影した画像をダーク減算してコンポジットしただけのものをアップします。
なお、Kameさんとくっしーさんがコメントしている前回2011年11月に撮影した画像はこちら
No filter
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LPS-P2 filter
b0167343_17504954.jpg

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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-01 23:57 | 星雲