M13球状星団 2013

5月の連休明けにNikon 8cmによるメシエ天体のコリメート撮影は目出たく完走を果たしたが、それまでの奮闘・迷走を順次アップしていく・・・

M3球状星団がキレイに写ったものだから、気分はすっかり球状星団狙い。M3を撮影したら、M13を放ってはおけない。ということで、この夜も真っ先に東の空に昇りはじめたM13にNikon 8cmを向けた。しかし、赤道儀との相性が悪いようで、手動追尾するとガイド星が十字線のあっちとこっちを往復するという悲惨な状況に、さすがに一旦は撮影を諦めた。

仕方なく!?天頂付近にNikon 8cmを向けて、下に潜り込むようにして何とか本来の優先順位1番のM88を撮影したことは、前回の記事にアップした。1時間半ほどM88を追いかけて撮影を終え、再びM13に望遠鏡を向けてみると、今度は赤道儀の動きがだいぶ良いようだ。

M3の撮影では、40秒露光をメインにしてISOを調整しながらコマ数を重ねたが、露光不足気味だった。そこで、今回は64秒から80秒露光を中心に、ISOを幅広く設定してコマ数を重ねた。そして、画像処理では強調処理よりもフラット補正に主眼を置いて、星が膨化しないように心がけた。

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(画像をクリックすると少し大きくなります)
2013年3月新月期 2:40 - 4:29 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 2500) x 8コマ + (露光時間40秒; ISO 2000-2500) x 8コマ + (露光時間64秒; ISO 800-1600) x 15コマ + (露光時間80秒; ISO 800-1250) x 10コマ + (露光時間101秒; ISO 800-1000) x 5コマ + (露光時間128秒; ISO 640) x 1コマ 全47コマ積算露光時間 50分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


M3を撮影した晩よりも、この晩の方が風が弱くて気流が安定したせいだろうか、星団を構成する微光星が針で突いたかのように一段とシャープになった。もともと明るい対象なので、強調処理が軽くて済んだのも成功の要因だろう。星マスクも使っているので、星団の中心部分も星に分離したままで仕上がった。また、黄色みを帯びた明るい星と、青っぽい微光星の色の対比もイイ感じに出ている。

ちょっと残念だったのは、コンデジを固定するネジの締め具合が少し緩くて、コマ数を重ねるうちに少しずつカメラが回転してしまったため、コンポジットしたら周辺部の輝星に収差が出てしまったこと。いずれにせよ、手動追尾によるコリメート撮影でここまでの精度の撮影が出来たという事実は、自分の意識の中では大きな成果だ。これをスタンダードにして、さらに極めたい!!

おっと、その前にメシエ天体の完全制覇を果たさなくちゃあ・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-31 00:33 | 星団

メシエ天体制服へカウントダウン(M88)

5月の連休明けにNikon 8cmによるメシエ天体のコリメート撮影は目出たく完走を果たしたが、それまでの奮闘・迷走を順次アップしていく・・・

メシエ天体の完走まで残り3つとなった。3月の新月期でのゴールインを目指して、この夜も夜半過ぎにNikon 8cmを「かみのけ座」から「おとめ座」にかけての領域に向けた。まずは、成果の写真をアップしたい。
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2013年3月新月期 1:09 - 2:24 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 2000) x 4コマ + (露光時間40秒; ISO 2000) x 4コマ + (露光時間50秒; ISO 1600) x 4コマ + (露光時間64秒; ISO 1250-1600) x 8コマ + (露光時間80秒; ISO 1250) x 4コマ + (露光時間101秒; ISO 1000) x 4コマ + (露光時間128秒; ISO 500-640) x 4コマ 全32コマ積算露光時間 37分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


視野の右上に写っているM88から対角線上に暗い銀河が点在し、左下の比較的明るい楕円銀河がNGC4459になる。さらに視野の左端には、1年前に撮影したM84とM86から続くマルカリアンの鎖の東端にあたる、NGC4477が写っている。つまり、この領域はマルカリアンの鎖が描く弧の先に延びる把っ手のような銀河の並びになる。

もう少し詳細に見ていくと、左下のNGC4459(10.4等)から逆向きにM88(9.5等)に向かって、順番にNGC4468(13.0等)、NGC4474(11.8等)、IC3432(15.4等)とほぼ直線上に並んでいる。そこから上に向かってIC3442(14.4等)と視野の上端にIC3476(12.8等)が確認できる。そして視野の左端がNGC4477(10.4等)になる。こうしてみると、なんだか計算され尽くされたような構図だが、実は勘違いの産物だった。

この夜の作戦はM88とM91を同一視野内に入れて撮影し、一気にメシエ天体の完全制覇にリーチをかけようという腹積もりだった。星図として愛用しているフリーソフトのStellariumは、メシエ天体の位置には写真がはめ込まれいる。しかしM88はなぜか写真が入っていなかった。そこで、すっかりM88はM91より暗いのだと思い込んでしまった。そんな訳で、小さなファインダーを使ってようやく手導入した光芒がてっきりM91だと思った。

M91の西側にM88があるハズなので、視野内の日周運動による移動から東西を確認し、M91と思われる光芒を視野の東側に据えた。眼視では確認できなかったが、コンデジを装着して試しにコリメート撮影してみると、バックモニターでM91の対角の位置に比較的明るい銀河の存在が確認できた。これがM88なのだと考えて撮影したのが今回の画像だ。これでマジック1になったと、意気揚々と撮影を終えたのだったが・・・

結果的にはM91だと思った光芒はM88で、M91は視野外だったという顛末。したがって、2つ減らしたと思ったマジック・ナンバーはスルリと手から逃げて1つ減ったのみだった。

(撮影したメシエ天体 通算105/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-28 00:28 | 星雲

しし座のトリオ 2013リベンジ篇

5月の連休明けにNikon 8cmによるメシエ天体のコリメート撮影は目出たく完走を果たしたが、それまでの奮闘・迷走を順次アップしていく・・・

M3球状星団がキレイに撮影できたので、ちょうど南中を過ぎたM65/M66/NGC3628のトリオにNikon 8cmを向けた。この時点で、この夜は新たなメシエ天体に挑戦することを放棄したことになる。 しかし、このトリオ、望遠鏡に導入するのは難しくないが、なかなか手強い対象だ。というのも赤道儀との相性が悪いために手動追尾によるガイドの精度が低く、これまではスッキリとした画像が得られていない。

以前にアップした2月の新月期の画像は南中前に撮影したものだった。それで、南中後に反転して追尾すれば、赤道儀のバランスが変わって動きが良くなったりしないだろうか、と考えていた。実際に望遠鏡を向けて微動ハンドルを動かしてみると、確かにこの向きの方が動きがスムーズなようだ。

もう1つ、3つの銀河を視野内にバランスよく配置すると、M65とM66に収差の影響が強く出てしまっていた。そこで、今回はNGC3628をやや端の方に置き、M65とM66を中央よりに配置する構図にした。

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2013年3月新月期 1:29 - 3:18 山梨県富士山麓
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 2000) x 4コマ + (露光時間40秒; ISO 1250-1600) x 11コマ + (露光時間64秒; ISO 800-1000) x 7コマ + (露光時間80秒; ISO 500-800) x 8コマ + (露光時間101秒; ISO 400-500) x 4コマ + (露光時間128秒; ISO 400) x 2コマ 全36コマ積算露光時間 39分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


結果的には、追尾精度とフォーカス合わせは今までで最高のレベルとなった。強調処理を施す段階で、若干は解像度が低下したものの、細かい構造がそこそこ出ている。3つの銀河の色調の違いも出ているし、狙い通りM65とM66にはコリメート撮影特有のレンズ収差の影響はほとんど見られていない。

迷走も、また楽し。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-25 00:41 | 星雲

Mt Fuji and the Milky Way (2)

前回の横構図に引き続いて縦構図。こちらも、富士山頂から立ち上る銀河が、ちょうど噴煙かのように見えるような構図を狙っていたのだが、イメージしていたよりも撮影開始がひと呼吸遅れてしまった感じだ。

今度は露光時間を20秒にしてみたのだが、光害カブリで空全体が緑色を帯びて写るのは同じだった。
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2013年5月8日 2:48-56 山梨県富士山麓
Nikon 8cmにCanon PowerShot S95(F 2.0)を同架して手動ガイド撮影  
露光時間20秒( ISO 1250) x 10コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易星マスク+簡易フラット補正+HDR処理 +コンポジットした前景を切り出して合成


天の川が空を分つように斜めに流れる構図は、おおむね狙い通りだったのだが、低空の透明度が落ちてしまったのが、いかにも残念だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-24 00:31 | 月・星のある風景

Mt Fuji and the Milky Way

ゴールデン・ウイーク前半に、富士山の世界文化遺産への登録がICOMOSから勧告されたというニュースには、地元は大いに盛り上がった。富士山麓で生まれ育った自分にとっても心弾むニュースだった。

連休明けの5月7日の晩は、日中に気圧の谷が抜けたせいで夜には空の透明度がグンと上がった。仮眠をとって目を覚ますと既に日付が変わろうかという時刻になってしまった。外に出てみると、風は強いが透明度はバツグンだった。そこで、この夜は富士山と天の川の星景写真を写そうと心に決めて富士山麓に向かった。結果的に、前日のメシエ天体制覇に続く富士山麓への遠征になった。

育樹祭記念公園に着くと同好の志と思われる車が1台停まっていて撮影している様子だった。風はあるが、東の空に昇った天の川には濃淡があるのが分かる。挨拶に行くと、これまでも富士見高原で撮影中に何度か遊びに来てくれたアストロ犬モカくんの、主であるモカのパパさんだった。これまでにも挨拶を交わしたことはあったが、ゆっくりとお話しさせて頂いたのは初めてだった。M17を撮影中との機材を一通り見せていただいた。

天の川が少しずつ高度を上げてきて、おおむね狙い通りの構図になってきたので、Nikon 8cm本体をガイド鏡にして星景撮影を開始した。しかし、残念なことに季節風が弱まるのに伴って、低空にモヤが出て来てしまったようだ。天頂付近の空は悪くないのでその辺りの対象を狙えばいいのだが、この夜の狙いは世界分化遺産の勲章を受けた富士山と決めて来たのだから、そのまま撮影を続けた。

b0167343_1327365.jpg4月の新月期にも同じように撮影しているが、あの時はガイド鏡のトラブルで仕方なしに撮影をしたこともあって、よく考えずに富士山を真ん中に据えたために、滅多にないような好条件にもかかわらず構図のバランスが悪かった。この夜は、富士山を中心から少し外して構図をとることで裾野が長く見えるように意識した。星空も「さそり座」を右側に、天の川が富士山頂から左上に斜めに横切るように配して、ほぼ頭の中でイメージしていた通りの構図になった。しかし、低空の透明度が急激に低下してしまい、出来上がった写真は空全体が光害カブリで何とも冴えない緑色を帯びてしまっていた(写真は、10コマをコンポジット処理しただけのもの)。

それを、なんとかカブリ補正して、前景にあわせてコンポジットした画像を切り出して合成した画像がこちら。
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(画像をクリックすると少し大きくなります)
2013年5月8日 2:21-31 山梨県富士山麓
Nikon 8cmにCanon PowerShot S95(F 2.0)を同架して手動ガイド撮影  
露光時間32秒( ISO 800) x 10コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易星マスク+簡易フラット補正+HDR処理 +コンポジットした前景を切り出して合成


画素数の少ないコンデジでの撮影なので、少しでも滑らかな画像になるようにと露光時間を長めにしたが、その分だけ前景が流れたうえに風による梢の揺れも加わって木々の処理が難しく、やや不自然な感じの仕上がりになってしまった。

思えば中学生の頃までは市街地であっても富士北麓の空は暗くて、北天も、オリオン座も、天の川も、星がよく見えていた。今回の世界文化遺産への登録が契機になって、夜空の暗さも取り戻せたら嬉しいけれど・・・
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-22 00:49 | 月・星のある風景

レモン彗星

5月12日の晩に、やまねももんがさんとお会いできたおかげで何とか観望と撮影を果たしたレモン彗星を、翌日にも撮影した。

この夜も八ヶ岳山麓はマズマズの条件の予報だった。明け方のレモン彗星を撮影しようと仮眠をとり起きて外に出てみると、甲府盆地の空は晴れてはいるものの透明度が相当に低く、からす座の星々が街明かりに埋もれそうな感じだった。

しかし、せっかくの晴天なので機材を積み込んだままになっている車で八ヶ岳山麓に向かった。ホームグラウンドの富士見高原は東側に山が迫っているので、レモン彗星は薄明後にならないと出て来ない。だから、レモン彗星を撮影するには前日に出かけた東側の開けた10キロほど先の原村がいいのだが、この夜の比較的低い透明度を考えると、レモン彗星は諦めて天頂付近の天体を撮影することにして富士見高原スキー場に車を入れた。

このところ賑やかだった駐車場には、この夜は同好の志と思われる車は1台だけ。声をかけてみようと近くまで行ってみたが、車内で仮眠中の様子だったのでそのままセット・アップを始めた。空は晴れているが全体的に透明度が低く、その分だけ街明かりで低空の空が白く見える。そこで、天頂付近の天体を選んでNikon 8cmでコリメート撮影を楽しんだ。

薄明が近づくにつれて、東の山の上にペガサスの四辺形が姿を現してきた。そうなると、やっぱりレモン彗星が気になってくる。薄明開始とともにコンデジのバッテリーが尽きてコリメート撮影を終えたのが午前3時11分だった。双眼鏡で確認してみると、レモン彗星がちょうどスキー場のレストハウスの屋根の上に姿を見せたところだった。

大慌てでコンデジのバッテリーを交換してNikon 8cmにレンモン彗星を導入した。運良くガイド鏡にも適当な明るさのガイド星を導入することが出来た。露光時間を32秒に設定して、コリメート撮影を開始したのは午前3時18分。奇しくも前日と同時刻だった。

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2013年5月14日 3:18-3:37 八ヶ岳山麓富士見高原スキー場
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 2000-500) x 16コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いて彗星のコマにあわせてコンポジット+簡易フラット補正


今回は雲に阻まれることもなかったので、尾がうっすらと写っているようだ。原村まで行かなかったが、撮影することが出来たのはラッキーだった。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-20 00:08 | 彗星

M3球状星団 2013

5月の連休明けにNikon 8cmによるメシエ天体のコリメート撮影は目出たく完走を果たしたが、それまでの奮闘・迷走を順次アップしていく・・・

3月も半ばに久しぶりに富士山麓に出掛けた。この夜も、なかなか残りのメシエ天体を撮影する気分にならず、またまた気分転換!!っと開き直って、しばらくぶりでM3球状星団にNikon 8cmを向けた。メシエ天体には球状星団が29含まれているのだが、まだ手持ち撮影だった頃の2010年10月の時点で球状星団は完走を果たしていた。あの頃は勢いがあって、メシエ天体の完走にこんなに苦しむとは夢にも思っていなかった。

せめて今までにないような解像度の高い画像を目指そうと、フォーカス合わせを慎重に行った上で、手動追尾も肩の力を抜いてソフトな動きを心がける。広場を囲む赤松林の梢を時折風が鳴らすが、上空の気流はそれほど悪くなさそうだし、何よりも赤道儀のご機嫌が珍しくうるわしいようだ。気温が高くなったせいだろうか。

中心部が飽和しないように、いつもなら短時間露光の撮影を入れるところを、画質の向上を意識して露光時間は40秒で維持しながらISOを下げることで対応した。撮影しながらコンデジのバック・モニターで確認する限りは、なかなかシャープな写りのようだ。画像の処理でも、シャープさを尊重し星が膨化しないように強調処理は軽めに施して終わりにした。

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(画像をクリックすると少し大きくなります)
2013年3月新月期 23:05 - 24:50 山梨県富士山麓
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 2000-2500) x 8コマ + (露光時間40秒; ISO 400-2000) x 40コマ + (露光時間80秒; ISO 640-800) x 6コマ 全54コマ積算露光時間 30分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


あまり持ち上げなかったので、昨シーズンの撮影より立体感にはやや乏しいが、「針で突いたような」とまではいかないまでも、ツブツブというよりはチクチクした感じに近い狙い通りの仕上がりになった。ここまで写るとなると、球状星団も放っておけないなあ。

また逃避してしまいそう・・・
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-18 23:35 | 星雲

レモン彗星と猫談義

メシエ天体の制覇を果たし気抜けした訳ではないが、記事の更新が滞ってしまっていた。我が家のネコは、このとろすっかり活動量が減って胴回りがふっくらしてきた。そして、冬の間はイスの上に丸くなって寝ていたのが、季節も良くなって随分とダラしなく眠るようになった。その姿に我が身を重ねて、これじゃあいかんと奮い立つ。

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5月12日の晩は、仮眠をとって八ヶ岳山麓へ出かけた。最初は富士見高原に行ってみたのだが、霧の中だった。車数台の同好の志は、機材を据えて回復待ちの様子。しばらく待ったが回復の兆しがなく、そのまま車に乗って数キロ西側にある原村の「まるやち湖」に移動してみた。途中で霧から抜けて、着いてみると満天の星空。車が1台あって、同好の志が熱心に撮影している様子だった。

大急ぎで機材を組み上げると、Nikon 8cmを北斗七星に近いM106銀河に向けてみた。空の透明度が良好で、紡錘形の銀河に濃淡があることが眼視でも確認できた。ガイド鏡にガイド星を導いて、コンデジをNikon 8cmの接眼部に据え付けると、手動ガイドによるコリメート撮影の準備が完了。そこでガイド鏡を覗き込んで手動ガイドを開始すると、なぜかガイド星が見えない。えっと思って空を見上げて驚いた。空一面が雲に覆われている。わずか1-2分の間の出来事だった。

同好の志は赤道儀に向かって調整中の様子。思わず声をかけたところ、雲が広がったことには全く気付いていなかった様子で、やはり空を見上げて驚いていた。しばらく話をするうちに、用意してあった星野撮影の綿密な撮影予定のイラストに「やまねももんが」さんでは!?と思い当たり、恐る恐る確認してみるとその通りだった。それからは、あれやこれや語り合い、果てはお互いの飼い猫談義にまで発展した。はじめて会ったのに、お互いのことを結構知っているというのは不思議な感覚だった。間もなく星空が回復してきて、お互いに撮影に戻った。

2時間ほどで薄明が始まり、撮影に区切りをつけて再び「やまねももんが」さんのところへ行くと、レモン彗星を撮影中とのこと。北半球からも明け方の空に見えるようになったとは知らなかったので、場所を教えていただく。早速に双眼鏡で確認すると、簡単に見つかった。これなら、Nikon 8cmでも見えそうだ。しかし、据え付けた場所からは木に隠れてしまっていた。そこで、望遠鏡を組み上げたまま、エイヤッと持ち上げて移動し導入してみると、ちょうど球状星団か楕円銀河のような光芒がハッキリと確認できた。

望遠鏡を移動させたたため、極軸は大きくズレてしまっていたが、気にせず手動ガイドでコリメート撮影してみた。ISOはmaxの3200で露光時間は20秒として10コマ撮影した。途中で雲がかかったコマもあったが、構わずコンポジットして一応は簡易フラット補正も入れた画像がこちら。

b0167343_2243949.jpg2013年5月13日 3:18-3:25
八ヶ岳山麓原村 まるやち湖畔
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間20秒; ISO 3200) x 10コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易フラット補正


尾ははっきりしないが、エメラルドグリーンの頭部が美しい。「やまねももんが」さんのおかげで随分と得した気分になり、気持ちよく帰路につくことができた。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-16 02:31 | 彗星

メシエ天体を制覇!

2013年5月6日の晩に、富士山麓の育樹祭記念公園でようやく大願成就を果たした。

実は前日の5月5日の晩に富士見高原に出かけたのだが、着いてみると同好の志が車15台以上も集結していて、とても楽しげな雰囲気に満ちていた。そんな中で、苦行のような残りの天体探しをはじめる気持ちにはなれなくて、またもや逃避行動に走って別の天体にNikon 8cmを向けてしまった。しかし、時間とともに西の空に高度を下げて沈んで行く「しし座」を見ていたら、残されたチャンスが限られていることを悟り、もう逃げられない!!と切実に感じた。

幸いにも5月6日の晩もなかなかの好条件。そこで季節風の強そうな予報の八ヶ岳山麓は避けて、富士山麓に出かけた。育樹祭記念公園に着いてみると、驚いたことに誰もいなかった。車をおりると、鹿が鋭い鳴き声で威嚇してきた。空では、「しし座」の鼻先は西の水平線に向かっていて、尻尾の辺りは南中を過ぎている。最後に残っていたのは、M91とM87の2つの銀河。よし、それじゃあやるか!組み上げた望遠鏡の下に潜り込み、まずはM91の導入にかかった。

星図と双眼鏡、Nikon 8cmの小さなファインダーを、交互に覗き込みながら奮闘すること約30分。ようやく星図で目印にした暗い恒星の配列を手がかりにして、ここぞ!と思われる場所にNikon 8cmを向けることができた。覗き込むと淡い天体が見えている。そこでコンデジを装着して試写してみたところ、どうやらM91で間違いなさそうだ。時刻は23時を少し過ぎてしまっていた。

そこから手動ガイドによるコリメート撮影をはじめたが、時間とともにぐんぐんと高度を下げていくのがわかる。本来なら、もう少し露光時間を延ばしながらコマ数を稼ぎたいところだが、深追いするとM87を撮影することが難しくなってしまう。そこで、日付が変わったところでM91の撮影を終えた。

よし、最後はM87だ。高度がかなり下がってきているので、もう望遠鏡の下に潜り込む必要もなかった。そんなこともあって、ファインダーで手がかりとなる星の配列をたどり、15分ほどでNikon 8cmをそれと思われる方向に向けることができた。覗き込むと、いかにも楕円銀河らしい光芒が見えた。コンデジを装着しての試写でも間違いなさそうだ。

撮影していると、もう1台車が入って来て声をかけてくれた。みずがめ座流星群の観察に来たとのこと。やはり仲間がいるのは心強い。そして、撮影開始から約1時間後、天体が高度を下げたのと反対に高さを増したガイド鏡の接眼部から目を離した。つま先立ちして覗き込んで手動ガイドをしていたが、もう限界だ。時刻は午前1時19分だった。

b0167343_181365.jpgそれからは、流星群がカメラの前を横切ることを期待して、富士山と天の川が入る構図にコンデジを向けて、ゆったりした気分で手動ガイドで星景写真を撮影した。何度か、大火球がカメラの方向を横切ったが、いつもダーク処理中のタイミングだった。薄明開始とともに機材を撤収し、流星観測を続ける同好の志に別れを告げると帰路についた。

そして今夜、撮影した2天体の画像をネット上に公開されている写真と比較して、M91とM87で間違いないことを確認した。撮影した領域は同じような規模の銀河がちりばめられているため、実際に撮影していた時点では、あるいは他の銀河を撮影しているのではないか?という疑念が頭を離れなかったのだった。こうして、ようやくメシエ天体を制覇したことを確信し、達成感がジワジワとこみ上げてきた。M91とM87の画像処理はこれからなので、当日に撮影した富士山と天の川の画像を、こちらもコンポジットして強調処理しただけでカブリ補正はしていないが、アップしておく。

最後に、くっしーさんやKameさんをはじめ励まして下さった沢山のみなさんに、心から感謝をいたします。みなさんの励ましがなければ、達成は間違いなく来年以降に持ち越していたと思います。あるいは、完走すること自体を諦めていたかも知れません。これから、逃避して撮影した天体も含め時系列でアップしていきますので、またお付き合い下さい!!
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-09 01:10 | 手持ち撮影にこだわる訳

M63ひまわり星雲2013

3月も新月期が近づいてきた。残りが3つになったメシエ天体を早々に片付けて気持ち的に楽になりたいところだが、メシエ城本丸の守りは堅く、周囲に散らばる撮影済みの銀河がダミーとして立ちはだかっている。そうなると本分を投げうって逃避したくなってくる。学生の頃に定期試験が近づくと本が読みたくなる心理と同じだろう。

この夜も、しばらくは残りの対象を視野に入れようとバタバタしたが思うようにいかず、早々に白旗を揚げた。仕方がないなアと、気流が比較的安定していたので、以前から撮影してみようと思っていたM63にNikon 8cmを向けた。正直なところ、行きの車の中でもう撮影しようと決めていたのだった・・・。

M63を対象に選んだのは、このところ手動追尾の精度が随分と高まったので、ひまわり銀河の別名の由来になっている顆粒状の渦巻き構造が、写るのではないかと期待したからだ。と言うのも、2011年の年末に季節風が吹きすさぶなかで大胆にも撮影したところ、条件の割にはそこそこ写っていたからだ。

細かい構造を写すのであれば、露光時間が多少短くても追尾の精度が高いことが重要だと考えて、40秒露光からはじめた。そして、微動装置の手加減を掴むとともに露光時間を延ばした。さらに、画質の向上を目指すにはコマ数も重要と考えて、途中でバッテリーを交換して撮影を続けた。

そうやって写した91コマ(積算の露光時間は95分!!)の画像を処理してみると・・・
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2013年3月新月期 23:03 - 27:08 山梨県笛吹市
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 1250-2000) x 22コマ + (露光時間64秒; ISO 640-1250) x 44コマ + (露光時間80秒; ISO 500-800) x 25コマ 全91コマ積算露光時間 95分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


ひまわりと言うよりも、仏前に供える白菊みたいな姿になってしまった。コマ毎の露光時間が短かったので、星雲の淡い部分を持ち上げようとするうちに、腕の顆粒構造が少し膨化してしまったのが原因かな。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-05-07 23:13 | 星雲