M42オリオン星雲 2013

9月11日の晩は25時過ぎに一気に空が晴れて、星空が広がった。機材をセッティングしながら、まずは固定撮影で星空をコンデジにおさめた。
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2013年9月12日 1:18 - 1:23 富士山北麓 育樹記念公園
Canon PowerShot S95 固定撮影
No filter (露光時間15秒; ISO 1600) x 10コマ  
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いて星に合わせてコンポジット+フラット補正+HDR処理+前景をはめ込み合成


この直後に西から雲が広がって、それからは星空が雲間から見えたり見えなかったりの繰り返しだった。ようやく、午前2時過ぎから雲が少なくなってきたので、他に撮影したい対象がたくさんあったのだが、オリオン星雲に望遠鏡を向け撮影を始めた。

その後も時々雲に覆い隠されたりしたが、30分程で安定した空になった。そこから薄明開始までの間、神経を指先に集中させ手動ガイドによる撮影を繰り返した。明るくて色彩豊かな対象なので、コンデジのバックモニターに現れる画像を見る度に、幸せな気持ちになる。

ただ、気流も荒れていないし、ピント合わせも十分で追尾の精度も悪くないハズなのに、星がやや肥大して写る。撮影中には原因がよくわからなっかたのだが、撤収する時に三脚の固定ネジが締めてなかったことに気がついた。

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2013年9月12日 2:46 - 4:20 富士山北麓 育樹記念公園
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 3200-800) x 26コマ + (露光時間40秒; ISO 3200-2500) x 12コマ+ (露光時間50秒; ISO 3200) x 4コマ+ (露光時間64秒; ISO 3200-800) x 14コマ 全56コマ積算露光時間 40分 
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


明け方までの残り時間が少なかったのと、極軸合わせがやや不良だったため、比較的短い露光時間の撮影とせざるを得ず、その分だけISOを高く設定することになった。そこで、強調処理やフラット補正、HDR処理は全て軽く行うにとどめておいた。昨年の撮影は、年末年始に覚えたてのHDR処理を効かせてコテコテにしたのだが、この位の方が自然な感じかな。

この1枚で9月も何とか足跡を残す事ができた。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-09-24 00:59 | 星雲

久しぶりの孤独を味わう・・・

これほど晴れない9月の新月期ってあったろうか・・・と諦めかけた9月11日の夜、GPV予報では富士北山麓が夜半過ぎにピン・ポイントで晴れるという。ダメでもいいやと半信半疑で機材を車に積み込むと、曇り空の盆地から富士五湖方面へと向かった。峠を越えても一向に晴れてこなかったが、目的地に近づくにつれて富士山の山小屋の灯が見えたと思ったら、フロントガラス越しに星もいくつか確認できるようになった。

久しぶりに星空が拝めるかと思うと、俄然元気になる。対向車もいない林間の道路を走って、いつもの場所に着いた。他に誰もいないし、星も全く見えない。富士山の山小屋の灯だけが光っている。車のヘッドライトに浮かび上がった黄色い看板が気になったので、確認してみるとクマに対する注意を呼びかけるもの。新しくはないので以前からあったハズだが、何度も来ている場所なのに今までは気がつかなかった。

b0167343_053878.jpg以前から近くでクマが目撃されたニュースは目にしていたので、看板を見てもああそうかぐらいにしか思わなかったが、星が見えない空を見上げながら一人という事を意識したら、とたんに不安になってきた。天候の行方を見極めようと言い訳をして、機材はおろさずに車のドアを閉め運転席に座って星図をながめながら空の回復を待った。すると、富士山の向こう側の空が少し明るくなったと思ったら、間もなくいくつか星が見えだした。

車から降りて機材の準備をはじめると、グングンと星空が広がってきた。星が見えだすと漠然とした不安は心の隅っこに追いやられて、久しぶりの星空に期待感が膨らんできた。時刻は午前1時になろうとしていた。それにしても、真夏ほどではないまでも富士山の山小屋はまだ随分とたくさん営業を続けているようだ。以前なら山じまいから2週間もしたら2・3軒を残して山は静かになったハズだが、これも世界文化遺産登録の影響か、はたまた猛暑の名残か・・・。

その山小屋の灯と星空を写してみた。秋の南の空は明るい星が少ないので、山小屋の灯ばかりが目立つ。それでも、こうして星空を拝めたのはお盆休み以来だ。しかし、スッキリと晴れたと思ったのもつかの間。15分もしないうちに西側から雲が帰ってきて、空全体に広がってしまった。その後は星が見えたり消えたりを繰り替えす空の下で、晴れ間に双眼鏡を向けながら時間を過ごした。

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結局、星空が安定したのは午前3時。それから薄明までの1時間だけ、久しぶりの撮影と孤独を満喫することができた。心に仕舞い込んだ不安は、クマと一緒に明るくなり始めるまで大人しくしてくれていた。薄明を迎えると大急ぎで機材を車に押し込み孤独と不安から逃げ出すように撤収した。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-09-15 01:01 | 月・星のある風景

M16わし星雲 2013

梅雨明け宣言の出た七夕の夜に引き続き、翌晩は八ヶ岳山麓に出掛けた。例によって現地に着いたのは日付も変わろうかという時間。いて座の辺りの銀河は既に南中時刻を過ぎようとしており、ちょうど空を東西に分かつかのように天の川が見えているが、透明度は良くもなく悪くもなくといったところだろうか。

まずは、M16わし星雲にNikon 8cmを向けた。思ったより早く高度を下げる様に少々焦りを感じながら撮影の準備を整えた。とにかくコマ数を稼ごうと20秒露光からスタートした。露光時間を段階的に延ばしながら、最終的には64秒露光で再びコマ数を稼いだ。

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2013年7月9日 0:00 - 1:09 八ヶ岳山麓富士見高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間20秒; ISO 3200) x 16コマ + (露光時間32秒; ISO 2500) x 10コマ+ (露光時間40秒; ISO 2500) x 8コマ+ (露光時間64秒; ISO 1600-1250) x 16コマ 全50コマ積算露光時間 33分 
各露光条件でダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


久しぶりだった前日の撮影よりは少し落ち着いていて、ピント合わせや追尾は比較的うまくいったようだ。それでも、この方向は手動追尾の手加減が難しく、どうしても追尾エラーが出てしまう。昨年の画像よりは随分とよく写ったが、ぜひあぶり出したいと思っている「創造の柱」はもう一息の様子。また来年に頑張ろう。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-09-09 00:39 | 星雲

らせん星雲 2013

梅雨明け宣言の出された七夕の晩に、M20の撮影の合間にふと見ると、フォーマルハウトが富士山の横から姿を現した。もしやと思い双眼鏡で眺めてみると、期待通りNGC7293らせん星雲の存在が確認できた。雲の襲来を心配しながらM20を撮影していたが、どうやら手ぶらで帰ることは回避できたので、少々気が早いが透明度の高さに乗じて淡い対象に挑むことにした。

ただ雲の襲来の懸念は消えないので、高度は低いが暗い空に期待して、まずはISOをmaxの3200にして20秒露光でコリメート撮影してコマ数を稼いだ。続いて32秒露光、そして40秒露光、ついには64秒露光まで延ばしたところで一陣の風とともに低空にうす雲がやってきた。

ここまでかと思いつつも、雲越しにうっすらとガイド星が見えているので、撮影はしないまでもしばらく追尾を続けていくと、あら不思議。再び星空が戻り始めた。しかし、そこでトラブル発生。うっかりガイド鏡に頭をぶつけて鏡筒が動いてしまい、ガイド星を見失ってしまった。

幸いNikon 8cm本体の方は動かなかったので、ガイド鏡の微動マウントを調整して、なんとかリカバリーすることができたのだが、貴重な晴れ間の時間を随分とロスしてしまった。ようやく64秒露光で撮影を再開したものの、夏至からまだ2週間なので夜明けは早い。対象が南中を迎えかようかというタイミングで、薄明を迎えてしまった。

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2013年7月8日 0:56 - 2:49 富士山麓朝霧高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間20秒; ISO 3200) x 19コマ + (露光時間32秒; ISO 2500) x 11コマ+ (露光時間40秒; ISO 2000) x 12コマ+ (露光時間64秒; ISO 1600) x 18コマ 全60コマ積算露光時間 39分 
各露光条件でダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


どうにかこうにか持ち上げた昨年の画像に比べると随分と「らせん星雲」らしくなった。外周の淡い部分まで出るようになると眼のような姿になるのだが、そのためには透明度の良い条件で長い露光のコマをもっと増やす必要がある。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-09-04 22:59 | 星雲

Slow and Steady 2013

日中の猛暑の影響か、夜はドンヨリと曇るという天気が繰り返された8月も、さすがに月末には秋を思わせる涼しい日もあって、9月の新月期を期待して過ごしていました。ところが、案の定というか、どうもスッキリしません・・・。仕事の予定を空けておいた週末は、遠い台風の影響もあって星空は期待薄。そうなると・・・今年も山に登ってきました。

目指したのは八ヶ岳連峰の一角、三ツ頭(標高2580メートル)です。数年前の天文雑誌に、この三ツ頭から撮影した星景写真が入選していて見た憶えがあります。麓の駐車場からピークまで、標高差が1000メートルちょっと。往復の全行程は約10キロです。昨年に無謀にも挑戦した鳳凰三山の一角、薬師岳までの行程と比べると、標高差は三分の二強で距離は半分ちょっとですから、体力的には余裕があるハズです。

天体写真の撮影のために通い慣れた道を、いつもなら帰ってくる時間に逆向きに辿って天女山の駐車場に到着したのは午前6時。天気予報が良い方に外れて上天気ですが、台風の影響を懸念された人が多かったのでしょうか、週末と言うのに駐車場はガラガラに空いていました。スタート地点の標高は1530メートルです。

30分程登ると見晴らしが開けて目指す三ツ頭が前方に見えてきました。風がやや強いですが、台風が運んできた蒸し暑さを相殺してくれて爽やかです。やがて傾斜が増してくると、今年もSlow and steady・・・とつぶやきながら、少しずつ高度を稼いで行きました。
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登り始めから2時間ちょっとで前三ツ頭(標高2364メートル)のピークに出ました。前方には、三ツ頭のピークへと至るコースが一望できます。ここまで来ると空の青さが深みを増す感じがします。晴れた夜は、どんな星空が見られるのだろうかと、ついつい考えてしまいます。
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前三ツ頭からしばらく登って振り返ると、辿って来た尾根筋の向こうに遠く富士山が見えます。この富士山が見えるかどうかで、山登りの充実感がヒト桁違ってくるように思います。そう、富士山は登る山というよりは眺める山だと言っても過言ではありません。ですから、三保の松原が世界歴史遺産の重要なパーツであることを全面的に支持したくなりますし、その結論を出した世界の良識ある人々に感謝したくなります。
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30分もしないで、最終目的地の三ツ頭のピークに着きました。西側には、秋年秋に登頂した編笠山(2524メートル)と西岳(2398メートル)の穏やかな山容が望めます。ちなみに西岳へは、天体写真撮影のホームグラウンドである富士見高原が登山口になります。編笠山の向こう左側には、冬の間のライトアップが悩みの種のスキー場と、温泉日和さんのホームグラウンドの入笠山(1955メートル)も見えています。山頂でのんびりすると下山して昼過ぎに駐車場に戻ってきました。
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さて、ここからは山道で見かけた星雲・星団!?の姿をアップします。

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このアザミどうでしょうか?球状星団に見えてきませんか?M13を彷彿とさせると思った私は、星空への禁断症状が出ているのでしょうか?花が非常に大きくて、ヤツタカネアザミという八ヶ岳の固有種らしいです。

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こちらは、もっと大きな花で、ω星団のイメージと重なりました。

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この地味だけれど整った姿はいかがでしょうか?散開星団の中でもM11M46をイメージしてしまいました。セリの類いだと思いますが、名前はわかりません・・・

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代表的な高山植物のマツムシソウですが、これにはM83M101さらにM33の姿を連想させられます。

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色は全然違いますが、この群れた花の様を見た瞬間にスバル星団を想いました。こちらも名前がわかりません・・・

どうか、天候が安定して本物の星雲・星団を堪能出来るようにと祈りつつ、猛暑の下界に戻ってきました。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-09-01 16:02 | 月・星のある風景