M51子持ち銀河 2014

M51は、本体の渦巻きの細かい金属的な構造と、伴星雲周辺の淡く柔らかな濃淡の対比が面白い対象だ。そのため、精度の高い追尾が求められる一方で、十分な露光時間も欲しい。ところが、この夜の極軸合わせはあまり芳しくなかった。そこで、短い露光時間でコマ数を稼ぐとともに、星雲周辺の淡い部分を出すため、ある程度は露光時間の長いコマも入れることにした。できれば100秒以上の露光時間のコマも入れたかったが、薄明が近づくなかでバッテリーが尽きてしまった。

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2013年12月新月期 2:43 - 5:17 八ヶ岳山麓清里高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 3200-1600) x 38コマ + (露光時間50秒; ISO 2000) x 5コマ+ (露光時間64秒; ISO 2000-1250) x 11コマ + (露光時間80秒; ISO 1250-640) x 10コマ  全64コマ積算露光時間 54分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


結果的に、昨年の5月に撮影した時とだいたい同じ露光時間の構成になったが、今回の方がコマ数が多くトータルの露光時間もその分だけ長くなった。露光時間の違い以上に良くなった要因は、やはり新調した天頂ミラーの効果だろう。カタツムリのツノのような伴星雲の淡い部分も写っている。
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解像度はそろそろ限界に近づいていると思うけど、コマ毎の露光時間を延ばして撮影すれば、腕の部分の淡い構造をもう少し出せるようになるかも知れない。

2年前にガイド望遠鏡を据えて手動追尾で初めて撮影した画像と比べてみると、ほぼ同じ光学系で撮影していることが信じられない気がする。画像処理の上達も大きいだろう。それにしても、以前に撮影した記事へのリンクを辿っていくと、なかなか面白い。4年前にここから始まったかと思うと、とても感慨深い。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-27 00:14 | 星雲

M81/M82ボーデ銀河 2014

撮影は2013年だが、2014年シリーズとして順次アップしていく。

北斗七星が北の空に姿を見せるようになると、春の銀河たちが気になるようになる。しかし、春の銀河が夜半前後に高度を上げる厳寒の時期は、季節風が強くて解像度が低下してしてしまう。そうかと言って、春まで待つと今度は春霞で透明度が低下してくる・・・

まだ11月になったばかりだというのに、そんなことを思案しながら望遠鏡をBode銀河に向けてみた。まだまだ高度は低いのだが、気流が安定していて眼視でも2つの銀河が「ハ」の字型に確認できた。透明度は中程度という条件だったが、富士見高原は北側の空が暗いので、撮影してみることにした。

幸い極軸合わせは良好で、赤道儀のバランスもマズマズで気持ちよく手動ガイドできたのだが・・・

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2013年11月1日 2:44 - 4:42 八ヶ岳山麓富士見高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 3200-2000) x 16コマ + (露光時間40秒; ISO 3200-1000) x 12コマ + (露光時間50秒; ISO 2000-800) x 10コマ + (露光時間64秒; ISO 2000-800) x 10コマ + (露光時間80秒; ISO 1600-640) x 12コマ 全56コマ積算露光時間 52分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク


2013年1月に盆地の山間で撮影した空よりも片カブリが少なかったのでフラット補正が軽めで済んだ。その分だけ、画像全体は自然な感じに仕上がったと思うが、1分未満の露光時間のコマが多いため銀河の色乗りが弱くて、ちょっと単調な印象だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-25 01:39 | 星雲

Nikon 8cmアーカイブス(9)

第九弾は、2013年の春から夏にかけて撮影した星雲・星団シリーズ。
M51以外は、新しくなった天頂ミラーで撮影した。

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(以下をクリックすると、掲載された記事に飛びます)
M51子持ち銀河
M8干潟星雲
M106銀河
M27亜鈴状星雲
M20三裂星雲
M16わし星雲
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-24 00:47 | アーカイブス

M78星雲 再処理

年末・年始休暇に少し時間が出来たので、画像処理方法について再検討してみた。昨年末のアイソン彗星とラブジョイ彗星の画像処理の時に、彗星本体の画像を一部のコマで合成した星像と比較明合成したことからヒントを得た。再処理したのは、以前にアップしたM78星雲のこちらの画像。
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コンデジのコリメート撮影では、画質の低さを多数のコマをコンポジットすることで補っている。しかし、個々の画像が少しずつズレているために、多数の画像をコンポジット処理すると周辺部の星において特にレンズ収差の影響が出てしまう。淡い星雲を持ち上げようとすると、なおさら収差の影響が目立ってしまい、星像が放射状になってしまう。また、淡い星雲を持ち上げる処理において微光星も強調されてしまっていた。

淡い星雲を持ち上げる強調処理では、背景カブリや周辺減光も目立つようになる。そこで、星マスク処理を併用して対象の星雲を強調処理した画像から、星雲と1つ1つの星を「スポット修正ブラシツール」を使って消した疑似フラット画像を作製して、減算処理していた。この処理は非常に有効ではあるが、手間がかかる上に強調された星像が浮かび上がるため、前述の星像の乱れが余計に目立ってしまうことにもなった。

今回の処理では、強調処理した画像から星雲のみを「スポット修正ブラシツール」を使って消した画像を使って減算処理した。すると、背景がフラットになった星雲のみの画像が出来上がる。そこに、星像の収差が比較的目立たないコンポジットの途中の段階の画像を、強調処理なしでコントラストを上げて背景を暗くした上で比較明合成してみた。すると、背景がフラットで星雲が強調された画像に、収差の影響の少ない星を重ねた画像が出来上がる。しかし、コントラストを上げることで微光星がほとんど消えてしまうので、強調された星雲と星とのバランスが悪くなる。

そこで、強調処理した画像から星雲を周辺部を含めて部分的に切り出して、星像用に用いたコンポジット途中の画像に、背景の暗さを合わせて合成した画像を作った。これは画像全体は強調処理していないので、元画像のままの背景のムラで比較的フラットであり、微光星までの星バランスがそのままで星雲が若干強調された画像になる。こうして用意した2種類の画像を適当な割合で合成して仕上げたものが、こちら。
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全部で53コマをコンポジットしてあったが、背景の星像は途中の12コマをコンポジットした段階の画像を用いた。そのため、周辺部の星像への収差の影響が減っている。またフラット補正が自然になって、星雲の淡い部分も前の画像より浮き上がっているように思う。視野いっぱいにひろがる対象だと使えないが、ほとんどの撮影対象は中心部に限局して写っているので、この方法が応用できる。「しし座のトリオ」も、この方法で再処理した画像でアップしなおした。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-19 00:30 | 星雲

2014年 撮影初め

1月4日の晩に、みずがき湖に2014年最初の撮影に出かけました。現地に到着してみると、やまねももんがさんが既にいらしていました。お会いできそうな予感がピタリと当たり、とても爽快な気持ちになりました。

北風が少しありますが、空の透明度は良好です。組み上げたNikon 8cmでM42オリオン星雲を見てみると、鳥が羽を広げたような美しいベールだけでなく、トラペジウムの星たちもスッキリと見えて、透明度だけでなく気流も安定しているようです。やまねももんがさんには、M78星雲も一緒に見てもらいました。

さあ、2014年の最初の対象を何にしようかと迷っていると・・・「この透明度なら散光星雲でしょ!」と、やまねももんがさんから提案がありました。「それなら馬頭星雲にしようかなあ・・・」と迷っていると、「そう、今年は午年ですからね!」とフォローが入りました。なんだか、ストンと腑に落ちました。

早速に望遠鏡を向けてみると、なんとアルニタクの傍らに「燃える木」の存在が眼視でも確認できました!!気合いを入れて手動ガイドを始めてみると、どうも極軸合わせが良くないようです。しっかりと露光時間をかけたい対象ですから、妥協せずに振り出しに戻って機材を組み上げました。そんな訳で、撮影開始は日付が変わってからになってしまいました。

80秒から100秒、そして128秒へと露光時間を延ばしていきますが、次第に季節風が強くなってきて風で追尾エラーも目立つようになってきました。しかも、だんだんと高度が下がってくるとともに、道路沿いの街灯の影響も受けるようになってしまいました。そこで、途中からLPS-P2フィルターを付けましたが、間もなく近くの小山に隠されてしまいました。

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2014年1月5日 0:02 - 2:16 瑞牆山山麓みずがき湖畔
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間80秒; ISO 3200-1000) x 8コマ + (露光時間101秒; ISO 1000) x 2コマ + (露光時間128秒; ISO 1250-640) x 11コマ + LPS-P2 filter (露光時間125秒; ISO 2000-1000) x 12コマ   全33コマ積算露光時間 63分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


残念ながら昨年秋に撮影した馬頭星雲には、露光時間をかけた割には及びませんでしたが、とにかく縁起物!ですから良しとしましょう。

ちょうど撮影を終えたところで、やまねももんがさんが記念写真を撮って下さり、それから星雲・星団をいくつか一緒に観望して、やまねももんがさんは撤収されました。寒かったけれども、とても楽しい2014年のスタートになりました。

2013年の前半はメシエ天体制覇の呪縛で苦しみながらの撮影でしたが、2014年はじっくりと腰を据えて1つ1つの対象に向き合って行こうと思っています。今年も、よろしくお願いいたします!!
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-13 01:47 | 星雲

しし座のトリオ 2014

コンデジを使ってコリメート撮影をはじめたのが2009年の1月だったので、いつの間にか5年が過ぎようとしている。最初は月と惑星そして二重星だけが対象だったが、いつの間にか星雲がメインの対象になってしまった。手動ガイドということもあるしコンデジの画質の限界もあって、比較的短時間の露光でコマ数を稼いだ上でコンポジット処理をするという手法が確立された。

しかし、淡い対象を撮影するにはコマ当たりの露光時間を長くする必要があるし、微細な構造を出すには手動追尾の精度を上げる必要がある。しかし、露光時間を延ばせば、手動追尾の難易度が上がるため、これまでは1分前後の露光時間がどうしても中心になっていた。

しし座にあるM65/M66/NGC3628の三つの銀河は、個々の銀河が比較的大きい上にそれぞれ個性的な姿をしている。その上、ちょうどNikon 8cmと30mm接眼レンズとの組み合わせでバランス良く同一視野に収まる。ただ、細かい構造まで写し出すには気流が安定している必要がある。

年末休暇は快晴が続いたため、星に導かれるように例年以上の集中力で年賀状を書上げると、家族に呆れられながら撮影に出かけた。夜半を過ぎると、しし座が東の空に高く上ってきて、早くもトリプレットの存在が気になった。

Nikon 8cmを向けてみると、一番暗くてメシエが見逃したNGC3628も存在が確認できた。一旦Nikon 8cmを木星に向けて気流を確認してみたところ、ゆらぎも目立たず安定している。そこで、コマ毎の露光時間は長めにするつもりで、撮影を始めた。

さしあたり1分露光で、ピントを追い込みながら手動追尾の感覚に慣れるようコマ数を重ねた。バックモニターで確認する画像は、確かにシャープで気流は安定している。しかも、極軸合わせもマズマズで赤道儀のバランスも良好。気持ちよく手動ガイドできたので、露光時間を80秒にした。

途中でバッテリーが尽きて交換したが、コンデジを接眼レンズに再装着しテスト撮影してみると、交換前とほぼ同一の構図になった。構図を微調整した上で、露光時間を101秒に延ばして薄明までコマ数を重ねた。最終的に53コマを撮影して、積算の露光時間は68分。コマ平均の露光時間は80秒弱になった。だいたい狙い通りの露光時間をかけることができた。

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2013年12月31日 2:54 - 5:37 瑞牆山山麓みずがき湖畔
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 3200) x 3コマ + (露光時間64秒; ISO 2000-1000) x 20コマ + (露光時間80秒; ISO 1250-640) x 16コマ + (露光時間101秒; ISO 800-500) x 14コマ   全53コマ積算露光時間 68分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


前回撮影した時には、追尾精度やピント合わせが当時としては最高レベルと思ったのだが、今回はそれを大きく上回るシャープな画像になった。また、コマ毎の露光時間が長くなったために、銀河の外側の淡い部分も良く写っている。

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中心部をトリミングしてみたが、ここまで引き伸ばすと、さすがに粗も目立ってくる。

対象にもよるが、無理に2分越えの露光時間を入れなくても、合計の露光時間が1時間を超えて、なおかつコマ毎の露光時間が平均で1分を超えるようにすれば、まずまずの写りが楽しめることは間違いないと思う。これからの撮影の目安にしたいと思う。

追伸:1月13日 画像処理し直したものをアップしてあります。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-03 18:41 | 星雲