久しぶりの独り夜遊び

昨晩は雨が上がりで大気中の塵が減って、春とは思えないような透明度の高い空になった。しかし、暖かさは春そのもの。こんなお天気は絶対に長持ちしないとは思ったが、GPV予報は意外と悪くない。そこで機材を車に積んで、このところ賑やかなみずがき湖へと向かった。

現地に到着し駐車場に入るところで車のライトをスモールランプにして奥に進むと、様子がおかしい。なんと満天の星空の下、車が一台も停まっていない・・・。あれ、やまねももんがさんは、どうしちゃったのだろうか・・・。新月期にここで独りぼっちというのは久しぶりのことだ。

厚着はしてきたものの手袋も帽子も不要な快適な気温。雨上がりで地面は濡れているが、心地よいと言っていいような微風があって、機材への結露はたいしたことはない。こんな好条件が長続きするだろうかと疑心暗鬼でコリメート撮影していたが、午前2時を過ぎて夏の銀河が東の山の上に姿を見せ始めた頃に、案の定西から雲が広がってきた。

やっぱりなあ・・・と、いつになく諦めよく機材を撤収し、さて帰ろうかと思ったところ再び晴れて見事な星空になった。今さら望遠鏡を出すのもどうかと思案して、やまねももんがさんよろしくコンデジを三脚につけ敷地内をあちこち歩き回ってみた。よく整備された遊歩道を東へ向かってしばらく歩くと、やまねももんがさんの星景写真で見慣れた世界になった。

さそり座を背景に女神像がポーズをとるのに、本来ならカメラに収めるべき巨匠が今夜はいない。そこで、僭越ながらコンデジを女神像に向けてみた。試し撮りで、あまりに前景が真っ黒だったので、今夜は自分だけしかいないということで10コマ連続撮影したうちの3コマは女神像にライトを当てて撮影してみた。

景色にあわせたコンポジットと星に合わせたコンポジットを合成した画像がこちら。
b0167343_1372090.jpg

星空については画像処理はほとんど施してはいないのに、この写り。透明度が高かったことがうかがえる。しかし、この星空も長続きせず、独り夜遊びはお開きとなった。
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by Nikon8cmtelescope | 2015-03-21 01:47 | 月・星のある風景

M101回転花火銀河 2015

1月下旬、上弦の月を迎える頃の良く晴れた晩に、みずがき湖まで撮影に出かけた。平日の晩で月没は午前1時半過ぎということもあって、このところ賑やかだった駐車場には誰もいなかった。厳しい冷え込みだが風がほとんどないため、防寒をしっかり準備してきたこともあって体は何とか耐えることができた。

透明度が高く、月がまだ残るのに眼視でもM101を確認できたので、手動ガイドによるコリメート撮影を始めた。月が高度を下げて空が暗くなるのにしたがって露光時間を延ばしていく。極軸合わせも悪くない。しかし、寒さのためにコンデジのバッテリーが10コマほどで尽きてしまった。バッテリー交換をすると、思い切って露光時間を3分越えから最終的には5分越えという今までの最長にまで延ばしていった。淡い銀河の腕まで色調が出るようになったのがバックモニターでも確認できて、この調子でコマ数を重ねれば!!と思うと期待で頭がのぼせて寒さは気にならなくなっていった。時折、ダム湖の氷が凍みて金属音のような甲高い音が響いてきた。

ところが、人間は気合いで大丈夫でも、むきだしのコンデジはそうはいかない。コマを重ねるごとにコンデジの温度表示がマイナス1度、2度と低下していき、今まで出た事のないマイナス4度表示になったと思ったら、バッテリーの残量は十分だったのに動かなくなってしまった。慌ててライターでカイロ用の木炭に着火しようとしたが、寒さでライターのガスが気化せずに点火しない。凍える手でライターをこすって温めカイロの準備できるまでに15分以上を要した。

カイロをコンデジに当てて紐で固定し、再びコンデジをアダプターに差し込んで撮影を再開したが、操作で接眼部が動いたようで構図が大きくズレていた。それを再調整したところで今度はバッテリー切れ。さらにはカイロを付けたことでフォーカスもズレたようで、こちらも再調整。そうこうすると、のぼせた頭が冷えてきて指先の冷たさが辛くなり、ガイド精度が大きく低下してきた。せっかく対象が高度を上げてきたのに、露光時間は101秒から80秒へと短くせざるを得なかった。撤収して車のエンジンをかけると温度表示は氷点下9度だったから、実際には氷点下10度以下だったろう。

出来上がりの画像では、露光時間を延ばしたのはいいが、その分星像も膨化していた。後半はピントもガイドも甘く、それが星像の膨化に拍車をかけた。また度重なるトラブルでコマ毎の視野のズレが大きくて、コンポジットすると収差の影響が強く出た。そこで、星像は2013年12月撮影の画像から借りて比較明合成することにして、何とか格好がついた。
b0167343_0452097.jpg
2014年1月下旬 1:18 - 4:45 瑞牆山山麓みずがき湖畔
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間64秒; ISO 3200) x 8コマ + (露光時間80秒; ISO 2500-2000) x 8コマ + (露光時間101秒; ISO 3200-1600) x 14コマ + (露光時間128秒; ISO 2500-2000) x 3コマ + (露光時間161秒; ISO 2000-1600) x 14コマ + (露光時間203秒; ISO 1250) x 1コマ + (露光時間256秒; ISO 1000) x 1コマ + (露光時間322秒; ISO 800) x 1コマ  全40コマ積算露光時間 72分(星像は2013年12月撮影の画像から比較明合成)
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正 中心部80%をトリミング


空の透明度が良かったのと、ISOを高めに設定した上に3分越えのコマが入ったことで、銀河の淡い部分もかなり写っているが、1年前の画像よりも銀河の解像度は大きく損なわれてしまっている。格好はいいが、とても手強い対象なんだなと改めて実感した。
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by Nikon8cmtelescope | 2015-03-01 01:36 | 星雲