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40mm接眼レンズの威力(その1)

b0167343_23545822.jpg40mm接眼レンズでの次なる対象はM42オリオン大星雲だ。前回の撮影では25mmの接眼レンズのため、手ブレや日周運動の影響を考慮して露出時間を1.3秒として撮影したが、今回は倍率が低い分だけ露出時間を2.5秒に設定して手持ち撮影した。露出時間を延ばした効果は絶大で、コンポジットするまでもなく星雲が広範囲に写っていることがカメラのモニター上で確認できた。そこで、条件のよい10コマを選んでコンポジットしてみた。

前回の写真と比較すると、露出時間を延ばした分だけ星像が日周運動の影響で少し伸びてはいるが気になる程ではない。前回は1.3秒露出で16コマなので積算の露出は約20秒、今回は2.5秒露出で10コマなので積算で25秒ということで、積算の露出に大差はないものの、今回の写真の方が随分と良く写っている。

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今回は暗い星まで鮮明に写っていて、星雲もトラペジウム周囲のピンク色をした中心部分だけでなく、周辺部分の青白色のニュアンスまで捉えられている。更に、鳥の羽のように広がる星雲の後ろの方向に、炎のような赤いガスの吹き出しも写っている。また鳥の頭に相当するM43星雲の部分も、今回の写真では「つ」の字型をしている姿がより鮮明になっている。

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Stellariumと比較しても、前述の赤いガスの吹き出しや周辺の青白いガスなど星雲の全容が一応は写っていることがわかる。視野は期待したよりも狭かったが、40mm接眼レンズの威力が十分に感じられる写真になった。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-01-16 00:02 | 星雲

アンドロメダ銀河(その3)

それでは、今回の40mm接眼レンズでは視野がどの程度確保できているのか、Stellariumと比較してみた。すると、銀河の長径においては半分ぐらいの範囲しか視野に入っていないことがわかった。撮影やコンポジットで目印になった星々のほとんどは、本来なら銀河と重なって見える星だったという訳だ。望遠鏡で見ていた光芒は、大きな銀河のうち僅かな中心部分に過ぎないことになる。

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ということで、この条件ではアンドロメダ銀河の全容を捉えることは出来ないことになる。もっとも銀河の周辺部分は、手持ち撮影の露出時間では何コマもコンポジットしたところで写し込むことは不可能ではあるのだが。

注意して写真を見ると、アンドロメダ銀河と重なって存在するM32星雲が、中心に重なった星の輪郭をボンヤリとさせたような感じで写っていることがわかる。これを視野の中心に持って来て撮影しても面白いかも知れない。また、今回の写野では入っていないが、隣接するM110星雲も対象として興味深い。次の機会には撮影に挑戦してみたい。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-01-15 23:15 | 星雲

アンドロメダ銀河(その2)

実はNikonの純正品である40mm接眼レンズは、視野を広く確保するために接眼部に直接にネジ込む設計になっていて、天頂プリズムが使えない欠点があった。これだと、カメラを手持ちで撮影する場合には苦しい体勢を強いられることになる。ところが、今回のレンズは接眼部に差し込む通常のタイプなので、天頂プリズムが使えるのも直ぐに購入に踏み切った理由だった。ただ、実際に使ってみると、井戸の底を覗いているような閉塞感があるのも事実だった。

さて撮影であるが、倍率が低い分は露出時間を長くしても手ブレや日周運動の影響が少なくなるので、露出時間は2秒と長めに設定しISOはmaxの1600にした。手ブレが少なく光軸も一致していた10コマを選んでコンポジットしたが、写野全体に適当に星が写っているので重ね合わせもスムーズに行うことができた。

b0167343_23351917.jpg出来上がった写真は、目視でのイメージを明るくした感じに近い。肉眼では楕円形の光芒が見えるだけであるが、写真では縦に長く広がっている様子も見て取れる。また、明るい光芒の左右に暗黒帯と思われる暗い部分が輪郭を作っているようにも見える。しかし、天体写真で見慣れたアンドロメダ銀河の姿には程遠い写真だった。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-01-15 00:17 | 星雲

アンドロメダ銀河(その1)

Nikon 8cm望遠鏡の焦点距離は1200mmと最近の屈折望遠鏡と比べて長いため、星雲など低倍率で見たい対象には、接眼レンズの焦点距離が長い方が有利になる。Nikonの純正品である焦点距離40mmの接眼レンズは、当然ながら製造が遠の昔に中止されていて、中古ショップに問い合わせても流通は極めて稀だということだ。さりとて他社製品でも接眼部の径は31.7mm径のアメリカン・サイズが主流となって、昔ながらのツアイス・サイズと呼ばれる24.5mm径の接眼レンズの商品は非常に少なく、まして需要の少ない40mm接眼レンズはカタログに入っていなかった。

ところがインターネットで見つけたショップの商品リストに、新品のツアイス・サイズのAH40mm接眼レンズが載っているのに気が付いた。値段も子供のお年玉1回分程度と手頃で、早速に注文したところ連休前に届いた。連休初日は残念ながら曇りだったが、2日目は昼間から天気がまずまずで夜が待ち遠しかった。待ちきれない気持ちで、西の空に明るさの残る時間から望遠鏡を出した。望遠鏡を向けたのは、夕方の空高くにあるM31アンドロメダ銀河だ。

M31は満月の数倍の広がりを持つ天体なので、従来の焦点距離25mmの接眼レンズでは視野からハミ出ている計算になる。しかし、実際に目視する限りは大きな銀河の中心部分しか見えないので、たとえ25mmの接眼レンズでもハミ出しているという実感は全くない。ただ、視野の中に適当な明るさの星が少ないので、コンポジットする目印に乏しく、以前の手持ち撮影では満足のいく写真にならなかった。

ただ、実際に40mmの接眼レンズで覗いてみたところ、期待したよりも視野は狭かった。それでも視野の中に複数個の目印になる星が入ったことで、これならコンポジットはできそうだった。ということで、接眼レンズに手持ちでコンパクト・デジカメを押し付けて撮影してみた。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-01-14 22:47 | 星雲

手持ち撮影に向く星雲は?

12月12日の晩は、極大期を控えた「ふたご座流星群」の流星が時折流れる中で火星だけでなくM42オリオン星雲も撮影した。

こちらは職場のデジカメを借りて撮影した。と言うのも、ISOが1650まで上げられ露出時間も1秒以上に出来るからだ。ISOを1650に露出時間を1.3秒に設定して手持ち撮影したコマの中で、条件の良かった16 コマを選んでコンポジットした。

b0167343_23501558.jpgやはり感度が高いのは有利で、前回前々回の撮影に比べると星雲の淡い部分も写っている。羽を広げた鳥のような形をしているオリオン星雲の、羽と胴体に相当するM42に加えて、頭の部分に相当するM43も写っている。中高生だった当時のアナログ撮影の天体写真なら、口径20cmの直焦点撮影で5分程度の露出に相当するような出来映えだろう。

M42の周囲は比較的明るい星が多いので、カメラと望遠鏡の光軸が合っているかをモニターで確認しやすいし、コンポジットもやりやすい。同じ明るい星雲でも、アンドロメダ星雲の場合は周囲に明るい星がほとんどないので、手持ち撮影だと案外難しい。その点では、M8干潟星雲もM42に近い条件なので、4-5月の条件の良い晩に撮影に挑戦してみたい。
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by Nikon8cmtelescope | 2009-12-21 23:58 | 星雲

ぎょしゃ座の散開星団

夜半には「ぎょしゃ座」が空高く昇るようになってきた。ぎょしゃ座には、小型望遠鏡での観察に手頃な散開星団が幾つかあるので、手持ちコンパクト・デジカメ撮影の限界を確認するのにはもってこいだ。18日の晩は空の透明度が高く、気流もまずまずだったので、M36、M37、M38の3つの散開星団に望遠鏡を向けると、ISO1200、露出1秒の条件で撮影した。

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まずM36であるが、星団の中でひと際明るい数個の星は容易に写って、肉眼で見たスバル星団のような感じの写真になった。それ以外の星団を構成する星々は8コマのコンポジットでも背景のノイズに埋もれてしまい、残念ながら星団としての美しさは写真ではあまり感じられない。

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次にM37である。3つの星団の中では、星の明るさが最も揃った星団で目視では非常に美しい。しかし個々の星が比較的暗いので、コンポジットしてもノイズと区別できなかった。残念。

最後にM38であるが、十文字の独特な星の並びはコンポジットでわかるようになったが、これも目視での美しさにはとうてい及ばない。もう少し暗い星まで写らないと星団としての迫力や美しさは引き出せないようだ。

b0167343_1403139.jpgM42オリオン星雲にも望遠鏡を向けた。13コマのコンポジットであるが、前回よりも今回の方が暗黒帯の切れ込みがシャープで、鳥が羽を広げたような形も良く写り、色調もイメージに近いように思う。

(撮影したメシエ天体 通算7/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2009-10-27 01:45 | 星団

冬の気配

先週末に義父が亡くなった。この日が遠からず来るだろうことは感じていたが、一陣の風のように旅立っていった。山麓の街ではもう紅葉が始まっていて、薄らと冠雪した富士が大きく凛とそびえていた。深夜に外に出ると、引き締まった夜空にオリオンが昇っていた。秋とは冬の序章であることが実感させられた。

週が明けて普通の生活に戻ったものの、どこか重いものを背負っているような感じでいた。そんなためか、水曜日の晩は夕食を終えると、季節外れの雷雨の気配を感じながら居間で眠ってしまった。夜半に目覚めて、残した仕事を片付けに職場に戻る時には、雲の間から星が少しだけ見えていた。

最小限の夜なべ仕事を終えて再び家路につく頃には、街灯の上に星空が半分ほど広がっていた。家に戻って寝間着になり部屋の電気を消すと、窓からオリオン座のリゲルが見えた。上着を羽織って外に出てみると、少しの間に大きく晴れ間が広がっていた。

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望遠鏡を出すと、直ぐにオリオン星雲に向けた。トラペジウムを包むようにベール状の星雲が広がっており、星雲は紫がかった淡いピンク色を帯びていることが肉眼でも感じられる。デジカメのISOを上限の1250に、露出時間も上限の1秒にそれぞれ設定すると、いつものように接眼レンズにデジカメを押し付けて手持ちで撮影してみた。

b0167343_9513022.jpg1秒間の露出だとトラペジウムの星々は流れてしまって一塊になっているが、カメラのモニターでも星雲が確認できた。そこで、16コマを選んでコンポジットしてみた。さすがにトラペジウム周辺の明るい部分しか写っていないが、それでも星雲の美しさの片鱗は見て取れる。

オリオン星雲では星が次々に誕生しており、トラペジウムを形成する若い星々が誕生したのは、数十万年前と考えられているらしい。それと比べると人間の生涯はあまりにも短い。しかし、私達は星から生まれて、いずれ星に帰っていく。オリオン星雲をながめていると、短い人間の生涯も悠久とも思える宇宙の営みの一部であることが自然と受け止められた。

(撮影したメシエ天体 通算5/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2009-10-17 09:57 | 星雲

禍い転じて・・・・(その3)

東の空に高く昇ったペガサスの四辺形から、見慣れた星の並びをたどってM31アンドロメダ銀河を望遠鏡に導く。

今までに望遠鏡をM31にいったい何度向けただろうか。晩夏から初冬にかけて望遠鏡を出せば必ずと言っていいほど眺めてきた一番見慣れた星雲であるが、久しぶりに胸の高鳴りを感じつつレンズをのぞき込んだ。

望遠鏡は片目で見るので本来なら立体感を感ずることはできないはずであるが、アンドロメダ銀河の光芒には厚みを感ずる。これは、冬の星雲の横綱であるM42オリオン星雲が、風になびくカーテンのように感ぜられるのと対照的だ。

b0167343_0372552.jpgデジカメをレンズに押し付けると露出を3秒に設定して撮影した。ところがどの写真も周辺の星々のピントが甘く感ぜられる。デジカメのオート・フォーカスが明るく茫洋とした星雲の影響でうまく定まらないのかも知れない。ということでコンポジット処理はせずにピントが最もシャープな1枚を出した。

本来なら満月の5倍の広がりがあるので、この視野よりも大きな広がりを持つはずであるが、中心部のなかでも最も明るい部分しか写ってはいない。天体写真で見るアンドロメダ銀河とは大部違った姿だが、粗さは目立つものの望遠鏡での目視のイメージに近い写真だと思う。

普段と違うデジカメで好条件の木星がうまく写らなかったのは残念だが、手持ちデジカメでも星雲の撮影が可能なことがわかった。これからは色々な星雲の撮影にも挑戦して行こうと思う。

(撮影したメシエ天体 通算3/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2009-08-25 00:39 | 星雲

禍い転じて・・・・(その2)

M57リング状星雲は惑星状星雲に分類されるが、惑星状星雲は恒星としての寿命が尽きて放出されたガスが中心部に残る星に照らされたもので、見た目が惑星のように見えるという理由で命名されたらしい。実際に口径8cmの望遠鏡で覗くと、その光は淡いながらも輪郭がはっきりとしている。

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夏の代表的な惑星状星雲と言えばM57とともに「こぎつね座」のM27亜鈴状星雲が挙げられる。M57の撮影がうまくいったので、次はM27を狙った。「わし座」のアルタイルから「や座」の先端の星にたどり、その先にある小さなW字型の星の並びの真ん中の星に望遠鏡を向けるとM27が見えてくる。

M27はM57に比べると低倍率でも視野の中でかなり大きく広がっている。その分、星雲の密度が低いとでも表現したらいいのだろうか、淡い印象を受ける。名称の通り円形から弧の一部を削ぎ落とした感じに見えるような気もするが非常に曖昧模糊としている。

b0167343_2153994.jpg写真に撮ってみるとデジカメのモニター上でも存在は確認できるが、形状ははっきりしない。そこで3秒露出で撮影した7枚をコンポジットしてみた。すると相変わらず茫洋とした姿ではあるが、空き缶の中央を握り潰したような、あるいはリンゴを丸かじりした芯のような形をしているのがわかる。しかし「亜鈴状」というイメージではなく、夜空のシミのような感じだ。

M27に関して言えば、限られた露出時間でよりシャープな映像を得るには、もう少し倍率の低い接眼レンズが欲しい。次は、星雲の横綱とでも言うべきM31アンドロメダ銀河に望遠鏡を向けた。

(撮影したメシエ天体 通算2/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2009-08-21 23:48 | 星雲

禍い転じて・・・・(その1)

日曜日の夕食後に眠ってしまって、ふと目を覚ますと雲1つない夜空だった。夕方には雲が空を覆っていたので、星空はすっかり諦めていたのだった。風もなく透明度も良好で絶好の観望条件だ。しかし、家のデジカメは子供が旅行に持っていってしまっていた。そこで職場のコンパクト・デジカメを急いで借りてきた。

望遠鏡を出して南中した木星を覗いてみると、気流が安定していて縞模様の濃淡がシャープに見える。見ている間に木星の裏側に隠れていたガリレオ衛星が2つ、次々に姿を現した。ところが、どう調整しても写真は露出オーバーになってしまい、縞模様が明るさに完全に埋没してしまう。こんなに素晴らしい条件なのに・・・となかなか諦めがつかない。

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いろいろとカメラの機能を確認しているうちに、家のデジカメとは違って長い露出時間の調整は簡単に出来ることがわかった。そこで望遠鏡をこと座のM57リング状星雲に向けると、大して期待もせずにISOを1600に設定し露出時間は3秒で試しに写してみた。すると、驚いたことに星雲がちゃんと写って見えるではないか。

b0167343_0493790.jpg力加減に注意すれば低倍率だと3秒の露出でも比較的手ブレは目立たずに撮影できた。撮影した中から手ブレの少ない3枚を選びコンポジットしてみたところ、濃淡があって左上と右下が少し暗く唇のように見えるM57星雲の特徴的な形状をきちんと捉えている事が確認出来た。

コンパクト・デジカメを手持ちで接眼レンズに押し付けて、リング状星雲を撮影しようなどと考えた者はおそらく他にはいないだろうと思う。もしかしたら、世界で初めてではないか。すっかり気持ちは前向きになり、他の比較的明るい星雲の撮影も試みてみた。

(撮影したメシエ天体 通算1/107個)
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by Nikon8cmtelescope | 2009-08-19 00:54 | 星雲