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IC405 2014

記録的な大雪の影響も落ち着きつつあり、3月の新月期の後半は期待できるかも!と思っていたところで再び降雪。とうとう一度も撮影できないまま上弦の月を迎えてしまった。そうなると、バタバタしていたこともあって更新がすっかり滞ってしまった・・・

ぎょしゃ座の五角形の中にある2列になった目立つ星並びの両側に向かい合うように赤い星雲がある。その片割れが、通称「勾玉(まがたま)星雲」と呼ばれているIC405になる。単純に赤い星雲という訳ではなくて、中心部には白みを帯びた薄紫の構造があって目を惹く。果たして、Nikon 8cmでどこまで写るのだろうか。

12月の新月期に透明度に恵まれた条件で、このIC405にNikon 8cmを向けてみた。独特な星並びを目印にして、この辺りと思われる部分を試しにコリメート撮影してみると、果たして赤い星雲の存在が確認できた。構図は深追いせずに、えいやっと明るい部分をとにかく視野の中央に据えて撮影をはじめた。

フィルターなしでコマを重ねていったが、どうも赤い星雲のコントラストが乏しいようだ。そこで、最後にLPS-V4フィルターを付けて10コマちょっと撮影して終えた。

画像をコンポジットしてみると、フィルターなし画像だけでは迫力に欠ける。LPS-V4フィルターで撮影したコマは、画質が粗くて白っぽい薄紫の部分は出て来ないが、星雲本体の赤い部分はコントラストが出ている。そこで、露光時間通りの比率で両者をコンポジットした上で、強調処理とフラット補正をして画像処理を仕上げた。
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2013年12月新月期 0:39 - 3:16 八ヶ岳山麓清里高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間64秒; ISO 3200-2000) x 25コマ + (露光時間80秒; ISO 2000-1250) x 20コマ+LPS-V4 filter(露光時間80秒; ISO 3200-2500) x 11コマ   全56コマ積算露光時間 67分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


結果的に、フィルターなしの画像とLPS-V4フィルターを付けての画像の比率が良かったようで、深みのある仕上がりになった。「勾玉星雲」としてみると、構図には改善の余地はあるが、思っていたよりも美しく写った。来年は構図にも配慮した上で、ぜひ2分越えの露光時間をかけてじっくり撮影してみよう。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-03-10 00:24 | 星雲

M101回転花火銀河 2014

100年以上も昔に気象台が観測を始めて以来、最高という積雪に見舞われた当地、世間をお騒がせしております。これまでの最高記録の倍以上のMaxで114cmという積雪を、この地で経験するとは夢にも思いませんでした。雪が止んで1日半を経過しましたが、まだ陸の孤島状態が続いています。先週の40cmちょっとの積雪でも、高速道路が開通するまでに丸2日を要しましたから、3ないし4日はかかりそうです。

屋根の上に降り積もった雪が、2階のベランダの上に流れ落ちて、家が潰れるかも知れない・・・と不安になりました。15日の朝は、まずはこの雪下ろしで始まりました。14日の晩にも、ご近所と力を合わせて道路の雪かきをして疲れていたのですが、朝に寝室の窓からベランダを見たら、自分の背丈よりも高く積み重なった雪に、これは放ってはおけないと重い体に鞭打っての雪下ろしです。

一区切りがついた頃、ご近所が総出で道路の雪かきを始めましたので、小休止を入れて合流しました。前の晩に雪かきした部分でも4-50cmの積雪があります。それでもマンパワーは、すごいものですね・・・重機もないのに、お昼過ぎには道路からはあらかた雪がなくなりました。食事をとって外に出てみると、日光に照らされてアスファルトの道路はもう乾きはじめていました。

ところが、通常なら徒歩で数分の職場に向かったところ、雪が消えていたのは家の前の道路だけ、幹線道路ですら雪に埋もれています。職場の駐車場は1メートル近い雪に埋まって雪原と化し、職場の構内の木々の枝があちこちで雪の重みで折れ、自転車置き場の屋根が潰れていました。大雪なんていう表現を超えています。豪雪って表現したら、雪国の人に笑われるかしらと思ったのですが、今回の積雪は福島市(80cm)や盛岡市(81cm)は優に超えて、山形市(113cm)や秋田市(117cm)さらには新潟市(120cm)の観測史上1位の積雪に双肩するものだったそうです。

大雪、いや豪雪のお話はここまでにして、いつものコリメートの世界に戻ります・・・・


M101は文字通りのフェイスオンの銀河で、みかけの大きさがNikon 8cmに30mmの接眼レンズで狙うのにちょうど良いのだが、とにかく淡い。眼視では中心部分がぼんやりと確認できるだけで、渦巻く腕の様子は全くわからない。この12月の新月期の晩も、澄み切った冬らしい透明度に恵まれたにもかかわらず、眼視では淡い姿がかろうじて見える程度だった。

幸い、赤道儀のご機嫌は良くて極軸合わせも良好だったので、露光時間を段階的に伸ばして最終的には3分越えの露光も試みた。しかし、前の天体をやや深追い?したため撮影を始めた時間が遅かったので、まだまだというところで薄明を迎えてしまった。それでも、逆に露光時間を短くしながらコマ数を稼いでみようとしたが、間もなく背景の空が青みを帯びて写るようになってしまった。

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2013年12月新月期 3:27 - 5:30 八ヶ岳山麓清里高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間64秒; ISO 2500) x 13コマ + (露光時間80秒; ISO 2000-2000) x 8コマ+(露光時間101秒; ISO 2000-1600) x 4コマ + (露光時間128秒; ISO 1600-640) x 9コマ + (露光時間161秒; ISO 1000-800) x 2コマ + (露光時間203秒; ISO 800-640) x 2コマ  全38コマ積算露光時間 64分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク


それでも、高い透明度と3分越えのコマが効いて、銀河の腕の淡い部分まで良く写った。今までの画像とは別次元と言ってもよい写りだ。
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銀河の色調はまだまだ単調ではあるが、はじめてM101をそれらしい姿に写すことが出来た。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-02-16 22:44 | 星雲

M84/M86 2014

マルカリアンの鎖(Markarian's Chain)と呼ばれる領域は、いつものNikon 8cmに30mmの接眼レンズの組み合わせでは全部はとても収まらない。そこで、2年前と同じようにM84とM86を含む領域を撮影してみた。眼視では、M84とM86は明るさが集中した球状星団のような感じで確認できるが、他の銀河ははっきりしない。これが、鎖状にならぶ銀河群の一角であるという印象は全くない。

色彩に乏しい銀河群なので、できればコマ毎の露光時間を長くしたかったが、慎重にやったハズの極軸合わせが十分ではなかったようだ。2分越えの露光だと、手動ガイド中にガイド星が十字線をゆっくりとズレていくのがはっきりわかった。そこで101秒露光を中心にしてコマを重ねた。

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2014年2月1日 1:40 - 4:55 瑞牆山山麓みずがき湖畔
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間80秒; ISO 1600-1000) x 7コマ + (露光時間101秒; ISO 1600-640) x 26コマ + (露光時間128秒; ISO 1000-500) x 14コマ   全47コマ積算露光時間 82分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


極軸合わせの不良による星像の乱れをカバーするため、恒星については80秒露光で撮影したコマの画像情報を利用して、全47コマでコンポジットした銀河の画像情報と比較明合成してある。M84とM86以外に、ハッキリそれと確認できる銀河が7-8個写っている。The eyesと呼ばれるNGC4438本体との弓形をした外周の色彩の変化が何となく出ているが、やはり色彩的には単調だ。
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こうして中心部を軽くトリミングしてみると、さらに小さな銀河と思われる淡い光芒もいくつか確認でき、その多様な姿から銀河団という賑やかな雰囲気が漂っている。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-02-10 00:50 | 星雲

M51子持ち銀河 2014

M51は、本体の渦巻きの細かい金属的な構造と、伴星雲周辺の淡く柔らかな濃淡の対比が面白い対象だ。そのため、精度の高い追尾が求められる一方で、十分な露光時間も欲しい。ところが、この夜の極軸合わせはあまり芳しくなかった。そこで、短い露光時間でコマ数を稼ぐとともに、星雲周辺の淡い部分を出すため、ある程度は露光時間の長いコマも入れることにした。できれば100秒以上の露光時間のコマも入れたかったが、薄明が近づくなかでバッテリーが尽きてしまった。

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2013年12月新月期 2:43 - 5:17 八ヶ岳山麓清里高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 3200-1600) x 38コマ + (露光時間50秒; ISO 2000) x 5コマ+ (露光時間64秒; ISO 2000-1250) x 11コマ + (露光時間80秒; ISO 1250-640) x 10コマ  全64コマ積算露光時間 54分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


結果的に、昨年の5月に撮影した時とだいたい同じ露光時間の構成になったが、今回の方がコマ数が多くトータルの露光時間もその分だけ長くなった。露光時間の違い以上に良くなった要因は、やはり新調した天頂ミラーの効果だろう。カタツムリのツノのような伴星雲の淡い部分も写っている。
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解像度はそろそろ限界に近づいていると思うけど、コマ毎の露光時間を延ばして撮影すれば、腕の部分の淡い構造をもう少し出せるようになるかも知れない。

2年前にガイド望遠鏡を据えて手動追尾で初めて撮影した画像と比べてみると、ほぼ同じ光学系で撮影していることが信じられない気がする。画像処理の上達も大きいだろう。それにしても、以前に撮影した記事へのリンクを辿っていくと、なかなか面白い。4年前にここから始まったかと思うと、とても感慨深い。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-27 00:14 | 星雲

M81/M82ボーデ銀河 2014

撮影は2013年だが、2014年シリーズとして順次アップしていく。

北斗七星が北の空に姿を見せるようになると、春の銀河たちが気になるようになる。しかし、春の銀河が夜半前後に高度を上げる厳寒の時期は、季節風が強くて解像度が低下してしてしまう。そうかと言って、春まで待つと今度は春霞で透明度が低下してくる・・・

まだ11月になったばかりだというのに、そんなことを思案しながら望遠鏡をBode銀河に向けてみた。まだまだ高度は低いのだが、気流が安定していて眼視でも2つの銀河が「ハ」の字型に確認できた。透明度は中程度という条件だったが、富士見高原は北側の空が暗いので、撮影してみることにした。

幸い極軸合わせは良好で、赤道儀のバランスもマズマズで気持ちよく手動ガイドできたのだが・・・

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2013年11月1日 2:44 - 4:42 八ヶ岳山麓富士見高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 3200-2000) x 16コマ + (露光時間40秒; ISO 3200-1000) x 12コマ + (露光時間50秒; ISO 2000-800) x 10コマ + (露光時間64秒; ISO 2000-800) x 10コマ + (露光時間80秒; ISO 1600-640) x 12コマ 全56コマ積算露光時間 52分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク


2013年1月に盆地の山間で撮影した空よりも片カブリが少なかったのでフラット補正が軽めで済んだ。その分だけ、画像全体は自然な感じに仕上がったと思うが、1分未満の露光時間のコマが多いため銀河の色乗りが弱くて、ちょっと単調な印象だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-25 01:39 | 星雲

2014年 撮影初め

1月4日の晩に、みずがき湖に2014年最初の撮影に出かけました。現地に到着してみると、やまねももんがさんが既にいらしていました。お会いできそうな予感がピタリと当たり、とても爽快な気持ちになりました。

北風が少しありますが、空の透明度は良好です。組み上げたNikon 8cmでM42オリオン星雲を見てみると、鳥が羽を広げたような美しいベールだけでなく、トラペジウムの星たちもスッキリと見えて、透明度だけでなく気流も安定しているようです。やまねももんがさんには、M78星雲も一緒に見てもらいました。

さあ、2014年の最初の対象を何にしようかと迷っていると・・・「この透明度なら散光星雲でしょ!」と、やまねももんがさんから提案がありました。「それなら馬頭星雲にしようかなあ・・・」と迷っていると、「そう、今年は午年ですからね!」とフォローが入りました。なんだか、ストンと腑に落ちました。

早速に望遠鏡を向けてみると、なんとアルニタクの傍らに「燃える木」の存在が眼視でも確認できました!!気合いを入れて手動ガイドを始めてみると、どうも極軸合わせが良くないようです。しっかりと露光時間をかけたい対象ですから、妥協せずに振り出しに戻って機材を組み上げました。そんな訳で、撮影開始は日付が変わってからになってしまいました。

80秒から100秒、そして128秒へと露光時間を延ばしていきますが、次第に季節風が強くなってきて風で追尾エラーも目立つようになってきました。しかも、だんだんと高度が下がってくるとともに、道路沿いの街灯の影響も受けるようになってしまいました。そこで、途中からLPS-P2フィルターを付けましたが、間もなく近くの小山に隠されてしまいました。

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2014年1月5日 0:02 - 2:16 瑞牆山山麓みずがき湖畔
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間80秒; ISO 3200-1000) x 8コマ + (露光時間101秒; ISO 1000) x 2コマ + (露光時間128秒; ISO 1250-640) x 11コマ + LPS-P2 filter (露光時間125秒; ISO 2000-1000) x 12コマ   全33コマ積算露光時間 63分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


残念ながら昨年秋に撮影した馬頭星雲には、露光時間をかけた割には及びませんでしたが、とにかく縁起物!ですから良しとしましょう。

ちょうど撮影を終えたところで、やまねももんがさんが記念写真を撮って下さり、それから星雲・星団をいくつか一緒に観望して、やまねももんがさんは撤収されました。寒かったけれども、とても楽しい2014年のスタートになりました。

2013年の前半はメシエ天体制覇の呪縛で苦しみながらの撮影でしたが、2014年はじっくりと腰を据えて1つ1つの対象に向き合って行こうと思っています。今年も、よろしくお願いいたします!!
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-13 01:47 | 星雲

しし座のトリオ 2014

コンデジを使ってコリメート撮影をはじめたのが2009年の1月だったので、いつの間にか5年が過ぎようとしている。最初は月と惑星そして二重星だけが対象だったが、いつの間にか星雲がメインの対象になってしまった。手動ガイドということもあるしコンデジの画質の限界もあって、比較的短時間の露光でコマ数を稼いだ上でコンポジット処理をするという手法が確立された。

しかし、淡い対象を撮影するにはコマ当たりの露光時間を長くする必要があるし、微細な構造を出すには手動追尾の精度を上げる必要がある。しかし、露光時間を延ばせば、手動追尾の難易度が上がるため、これまでは1分前後の露光時間がどうしても中心になっていた。

しし座にあるM65/M66/NGC3628の三つの銀河は、個々の銀河が比較的大きい上にそれぞれ個性的な姿をしている。その上、ちょうどNikon 8cmと30mm接眼レンズとの組み合わせでバランス良く同一視野に収まる。ただ、細かい構造まで写し出すには気流が安定している必要がある。

年末休暇は快晴が続いたため、星に導かれるように例年以上の集中力で年賀状を書上げると、家族に呆れられながら撮影に出かけた。夜半を過ぎると、しし座が東の空に高く上ってきて、早くもトリプレットの存在が気になった。

Nikon 8cmを向けてみると、一番暗くてメシエが見逃したNGC3628も存在が確認できた。一旦Nikon 8cmを木星に向けて気流を確認してみたところ、ゆらぎも目立たず安定している。そこで、コマ毎の露光時間は長めにするつもりで、撮影を始めた。

さしあたり1分露光で、ピントを追い込みながら手動追尾の感覚に慣れるようコマ数を重ねた。バックモニターで確認する画像は、確かにシャープで気流は安定している。しかも、極軸合わせもマズマズで赤道儀のバランスも良好。気持ちよく手動ガイドできたので、露光時間を80秒にした。

途中でバッテリーが尽きて交換したが、コンデジを接眼レンズに再装着しテスト撮影してみると、交換前とほぼ同一の構図になった。構図を微調整した上で、露光時間を101秒に延ばして薄明までコマ数を重ねた。最終的に53コマを撮影して、積算の露光時間は68分。コマ平均の露光時間は80秒弱になった。だいたい狙い通りの露光時間をかけることができた。

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2013年12月31日 2:54 - 5:37 瑞牆山山麓みずがき湖畔
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 3200) x 3コマ + (露光時間64秒; ISO 2000-1000) x 20コマ + (露光時間80秒; ISO 1250-640) x 16コマ + (露光時間101秒; ISO 800-500) x 14コマ   全53コマ積算露光時間 68分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


前回撮影した時には、追尾精度やピント合わせが当時としては最高レベルと思ったのだが、今回はそれを大きく上回るシャープな画像になった。また、コマ毎の露光時間が長くなったために、銀河の外側の淡い部分も良く写っている。

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中心部をトリミングしてみたが、ここまで引き伸ばすと、さすがに粗も目立ってくる。

対象にもよるが、無理に2分越えの露光時間を入れなくても、合計の露光時間が1時間を超えて、なおかつコマ毎の露光時間が平均で1分を超えるようにすれば、まずまずの写りが楽しめることは間違いないと思う。これからの撮影の目安にしたいと思う。

追伸:1月13日 画像処理し直したものをアップしてあります。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-03 18:41 | 星雲

M42オリオン星雲 2013-3

オリオン星雲は、飛び抜けて明るく大きくて繊細で形も整っていて、そこに色彩の変化の妙も加わり間違いなく全天でトップの美しい天体だ。ところが、明るくて良く写るために、たいていシーズン前半のしかも条件があまり良くない晩に、撮影してしまいがちだ。真冬の澄み切った空で撮影しなくては・・・と思いつつも、条件が良いとついつい暗い対象に望遠鏡を向けてしまう。

そんな訳で、2013年の最後は何を撮影しようかと考えた時に、絶対にオリオン星雲にしようと以前から決めていた。そして御用納めの終わった晩に、八ヶ岳から下ってくる季節風を逃れてみずがき湖に向かう道中で、絶対に他の天体に浮気しないと心に誓った。ちょうどオリオン座が南中を過ぎた時刻で、オリオン星雲を撮影するにはうってつけのタイミングだった。季節風を避けるために、駐車場の一番西の端に陣取った。

寒さを覚悟して来たが、山がうまく風を遮ってくれていて、気温は氷点下5度でも思ったより暖かく感じた。ただし上空の気流は不安定で、ためしに木星に望遠鏡を向けてみたが、高度があるにもかかわらず川底の石を見ているかのように、ユラユラとせわしない。

実際に撮影をはじめてみると、やはり気流の影響か星が膨化して写る。そんな中、少しでもシャープな像になるように、撮影を繰り返しながらフォーカス合わせに全力を上げた。嬉しいことに、撮影を繰り返してもガイド星が気持ちよく十字線の真上に戻ってくる。極軸合わせが、滅多にないくらいキマッタようだ。

露光時間を段階的に延ばして80秒で8コマ撮影したところで、寒さのためか早々にコンデジのバッテリーが尽きた。バッテリーを交換し、コンデジの光軸が交換前と重なるように調整して、100秒露光で手動ガイドを再開した。極軸が合っているので、もっと露光時間を延ばすことは可能だったが、ガイド精度の低下のリスクと天秤にかけて、100秒露光までとした。

最後に、いつもと違う試みとして、LPS-V4フィルターを装着して段階的にISOを落としながら星雲の明るい中心部まで色を出そうと撮影をはじめた。ところが、予定の枚数に達する前に、手前の山にオリオン星雲が隠れてしまった。風よけにはなったが、山に近づき過ぎてしまったようだ・・・

極軸がほぼ完璧に合っていたので、個々のコマのズレがほとんどなくて、そのままコンポジットできるぐらいだった。しかし、半数以上のコマに人工衛星の軌跡が写っていたので、画質は若干低下するが連続する2コマ同士で比較暗合成して人工衛星の光跡を消した上で、通常の合成を行った。できあがった画像では、良好な極軸合わせの成果として接眼レンズの視野がシャープな円形になって現れた。
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2013年12月29日 0:18 - 2:36 瑞牆山山麓みずがき湖畔
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 3200-2500) x 6コマ + (露光時間40秒; ISO 2500) x 4コマ + (露光時間50秒; ISO 1250) x 4コマ + (露光時間64秒; ISO 1000-640) x 13コマ + (露光時間80秒; ISO 640-500) x 8コマ + (露光時間100秒; ISO 640) x 9コマ + LPS-V4 filter(露光時間40秒; ISO 3200-1600) x 8コマ   全52コマ積算露光時間 54分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク + HDR補正


前回、月明かりの中で撮影した画像と同一の構図になるようにトリミングしてみた。
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一見するとあまり差がなくてガッカリしかけたが、よく見ると前回に比べて星雲の周辺部の淡い部分が良く出ているし、赤い部分と白っぽい部分のコントラストも良く出ている。また、暗い星まで色の違いも含めて良く写っているのは長い露光をかけた効果だろう。ただ、気流が不安定だった分、極軸合わせや追尾が良好だった割には星が膨化している。そして何と言っても、LPS-V4フィルターを装着した上でISOを抑えたコマが撮影できず、星雲の中心部が飽和してしまったのが残念だ。

次回への課題が残ったものの、2013年の最後を飾る写りにはなったと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-12-30 14:58 | 星雲

らせん星雲 2013-2

秋の空の残り物をアップ・・・

ようやく澄み切った秋らしい夜空になったので、月が出るまでに撮影しようと、いつもより早い時間に現地に到着した。透明度が良かったので、ほんとうは予定していなかったのだが「らせん星雲」についつい望遠鏡を向けてしまった。眼視でも存在が確認できたので、コンデジを装着してコリメート撮影を開始した。

ところが、時間帯が早いためか街明かりの影響が強くて意外と写りが良くない。それでも粘って撮影していたが、高度が低くなって来てからLPS-P2フィルターを装着して撮影してみたら、背景カブリがグンと減って引き締まった姿がコンデジのバックモニターに現れるようになった。

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2013年10月27日 21:32 - 23:32 八ヶ岳山麓富士見高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間32秒; ISO 3200) x 8コマ + (露光時間40秒; ISO 3200-2000) x 4コマ+(露光時間50秒; ISO 2000-1600) x 4コマ + (露光時間64秒; ISO 1600-1250) x 4コマ + (露光時間80秒; ISO 1250-1000) x 4コマ
LPS-P2 filter (露光時間20-50秒; ISO 3200) x 4コマ + (露光時間64秒; ISO 3200-2000) x 18コマ+(露光時間80秒; ISO 2500-1600) x 4コマ  全48コマ積算露光時間 47分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


LPS-P2フィルターのおかげでコントラストが出たので、かなり強く星雲を持ち上げて処理した。夏のはじめに富士山山麓で写した時より多少は良く写ったものの、富士見高原は南側が随分と明るくて、南天に低い対象には向かないようだ。せっかくの好条件を生かすには、やはり天頂付近の対象を狙うべきだった・・・


追伸
画像処理をやり直した。周辺部の星像を改善させるため、星雲部分にNo filterで撮影したコマの星像を重ねる形で処理した。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-12-19 01:06 | 星雲

M78星雲 2013

随分と前に撮影したけど、季節的には旬の対象をアップ・・・

10月の連休は台風一過で比較的天候が安定していて久しぶりの好条件が期待できそうだったが、出張と重なってしまった。出張帰りの飛行機と列車では睡眠時間の確保に努め、戻ると大急ぎで準備を整え家を出た。まずは、GPV予報が一番良さそうだった富士北麓の育樹記念公園に向かった。月没の直前に到着したが、曇っていて星はほとんど見えない。ただ、待っていれば晴れてきそうな気配はある。しかし、近くの遊園地で何かイベントが行われているようで、レーザー光線によると思われる閃光が繰り返し空を明るく照らした。

このままだと晴れても影響は必至と思われる。そこで車を取って返して富士山の西にある朝霧高原へと向かった。途中、樹海では雨がパラつき、樹海を抜けたと思ったら霧が出た。しまったとは思ったが目的地までとりあえず向かった。すると目的地直前で霧が切れ出して、着いてみれば富士山の方向はマズマズの星空だった。ヤレヤレと安堵したものの、北半分が曇って北極星が確認できず赤道儀が組めない。北極星が現れて望遠鏡を組み上げられた時には、午前2時を既に過ぎていた。

一番空が安定していた富士山方向のM78星雲を対象に決めて撮影を始めた。しかし、オリオンをかすめるように流れている冬の銀河が次第に見えにくくなり、バックモニターで確認できるM78星雲の写りもどんどん悪くなってきた。仕方がない小休止だ。それでも、コンデジはそのままにガイド星を追っていると、午前3時を過ぎて少しずつ空が安定してきて撮影を再開することが出来た。もう獅子座の頭部と一緒に昇ってきた火星が随分と高くなっているが、火星とランデブーするアイソン彗星は諦めてM78を薄明過ぎまで追いかけた。

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2013年10月13日 2:20 - 4:51 富士山麓朝霧高原
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 3200-1600) x 21コマ + (露光時間50秒; ISO 3200-2500) x 8コマ+ (露光時間64秒; ISO 3200-1600) x 11コマ + (露光時間80秒; ISO 2000-1600) x 12コマ 全53コマ積算露光時間 49分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


M78は昨シーズンに何度も撮影し、その度に打ちのめされた対象だ。今回は、空の条件が悪かったにもかかわらず、比較的良く写ったのは天頂ミラーの違いだろう。それでも背景カブリがキツくてフラット処理でだいぶ削ってしまった。できれば冬の澄んだ空で、再挑戦しておきたいと思うが・・・

追伸
画像処理をし直したのでアップした。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-12-16 00:39 | 星雲