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さそり座と富士


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2013年4月8日 4:00-04 山梨県富士山麓
Nikon 8cmにCanon PowerShot S95(F 2.0)を同架して手動ガイド撮影  
露光時間10秒( ISO 1600) x 10コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易星マスク+簡易フラット補正+HDR処理 +コンポジットした前景を切り出して合成+縦構図を横構図にトリミング

(前景の樹木などを再処理した画像に差し替えました)

春の嵐が駆け抜けた週末も、日曜日の夜になると天気が急速に回復に向かった。そこで、比較的風の弱い予報だった富士山麓に仮眠後に出かけた。到着したのは夜半過ぎだったので、同好の志の邪魔にならぬように手前に陣取った。

まずは残りのメシエ天体の征服をめざし、明け方には富士と天の川を撮影する予定だった。ところが、Nikon 8cmの赤道儀に据え付けられているカメラ雲台を固定するネジが、擦り切れてしまった。このところ、微動マウントを取り付ける際に、少しずつ固定される位置が変化していたので、ネジ山が摩耗しているのかなあと思いながら恐る恐る使っていたのが、とうとうユルユルになってしまったのだった。

さしあたり、中学生の頃に購入したカメラ三脚の雲台ならネジが効いて固定されたので、そちらを代用することにした。ところが、この雲台は動きの制限が大きい上に微調整もままならず、ガイド鏡であるミニ・ボーグに目的の星をうまく導くことができない。さんざんと調整を試みたが、イライラが募るばかり。空は、この時期としては奇跡的なほどの透明度で、風も弱まり絶好の条件なのが恨めしい程だ。

仕方なく、雲台にコンデジを直接に載せて、星景写真の撮影をすることにした。ところが、雲台が低く、Nikon 8cmはf 1200mmとえらく長いので、コンデジの画角に望遠鏡の先端が長く写り込んでしまう。もちろんズームを効かせれば、望遠鏡は視野から消えるが、富士と天の川を一緒におさめることが出来なくなる。どうしたものだろうか・・・

えいやっと、鏡筒の位置を大きく後ろにズラして赤道儀に固定し、赤道儀の前にはNIkon 8cmのフードのみで後ろに1mも鏡筒が伸びるという、とんでもないバランスにすると、ようやくカメラの画角から鏡筒が消えた。ところが、こうなると望遠鏡を覗きながらだと微動装置に手が届かない・・・

まあ、コンデジで直接に撮影するなら、それほど高い追尾精度はいらないということで、微動装置を数秒に1回の割合で少し動かして望遠鏡で確認するという変則手動ガイドをやって、ようやくこの画像を手にすることが出来た。東の空には細い月が昇り、薄明が始まってしまっていた。

擦り切れた固定ネジは特殊な形をした純正品で、おそらく代用品はないだろうと思う。さて、どうしたものかだろうか。これを克服しないと、メシエ天体の征服はおろか、Nikon 8cm本体を使ったコリメート撮影が事実上不可能になってしまう・・・
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by Nikon8cmtelescope | 2013-04-09 01:45 | 月・星のある風景

八ヶ岳と星空

先日に八ヶ岳山麓までパンスターズ彗星を撮影に行った折に、少し早めに着いたので寄り道をしてみた。行った先は、野辺山高原の平沢峠駐車場。真西に八ヶ岳連峰が見渡せる眺望満点の場所だ。ただし、夜間は霧が非常に出やすい場所で、比較的お天気が安定する冬は真正面のスキー場の照明が煌々と被って星空が台無しになってしまう。

この夜はスキー場がやっと閉鎖され、下弦過ぎの月が昇って八ヶ岳がほんのりと照らされていた。日中に降った雨は標高の高い場所では雪だったようで、月明かりに雪を戴いた神々しい山容が浮かび上がっていた。そこでNikon 8cmにコンデジを同架して八ヶ岳に沈む星を手動ガイド撮影してみた。

20秒露光で撮影した8コマを直接コンポジット処理すると、星は点像になるものの地上の景色が流れた画像になってしまう。
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一方、地上の景色に合わせてコンポジット処理すると、当然ながら星が流れた画像になってしまう。
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かと言って1枚撮りではコンデジの画質の粗さが目立ってしまって、作品にはならない。そこで、上の画像で目立つ八ヶ岳の向こう側の街明かりの影響を、画像から星を消したものを使って減算処理して簡易フラット補正を施しておき、下の画像から地上の景色を切り出して合成してみると・・・
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2013年4月4日 2:06-09 八ヶ岳山麓野辺山高原平沢峠
Nikon 8cmにCanon PowerShot S95(F 2.0)を同架して手動ガイド撮影  
露光時間20秒( ISO 1250) x 8コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易星マスク+簡易フラット補正+HDR処理 +コンポジットした前景を切り出して合成


インチキ画像と言われればそれまでだが、コンデジの欠点を補う楽しみ方としては、これもありだと思いたい。作品として見ると、沈もうとする「しし座」の鼻先が写っているだけの地味な星空なのが残念だが、この場所は別名「獅子岩」というオチはつく。ちなみに、問題のスキー場が八ヶ岳の中腹に白く写っていて、山向こうの入笠山にあるスキー場の照明が左側の空をグリーンに染めている。

この入笠山のスキー場も今週末で営業が終了するので、ようやく八ヶ岳山麓に星空が戻ってくることになる。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-04-07 02:30

冬の間お世話になりました・・・

当地の冬は晴天率は高いものの、ホームグラウンドとも言うべき八ヶ岳山麓は季節風が強く雪雲が流れ込むことも多い。しかもスキー場では人工降雪機が稼働して照明が煌々と夜空を照らすため、これまで冬期の撮影場所には悩まされてきた。富士山麓まで行けば季節風の影響はかなり緩和されるが、標高が高くて冷え込みが半端ではないため、生身の手動ガイドで撮影するという手法では、二の足を踏んでしまう。そこで、盆地の街明りの影響には目をつぶって、盆地の東側の山間にある小さな公園を新たな撮影地として開拓した。夜中なら自宅から車で30分ほどの場所である。

西側の狭い範囲を除いて周囲を山に囲まれているために、盆地に相当の北風が吹き荒れていても望遠鏡が煽られるようなことはなかった。しかし、当然ながらその分だけ空が狭く、また西側は光害の影響が強くて南中後の天体が高度を下げ始めたらまず撮影できない。東側も八王子までは直線距離にして50kmなので、山の上の空がほんのりと明るくなっている。加えて、公園の柵には「熊に注意」の看板が掲げられ、夜間は鹿が頻繁に周囲を移動して行くのが気配から察せられるため、慣れるまでは気分的にちょっと落ち着かなかった。

3月も半ばを過ぎて急に暖かくなり、クマも穴蔵からとうに這い出しただろうと思われるようになると、いよいよ居心地が悪くなってきた。せめて万が一の場合には運転席に駆け込めるようにと、気休めに望遠鏡の直ぐ山側に車を停めて、心の平静を保ちつつ撮影をした。いつもなら薄明が始まってもまだ撮影を粘ることが多いのだが潔く撤収し、朝の散歩中のクマとは遭遇しないようにしていた。

春の訪れは、その一方でスキーシーズンの終わりを意味する。八ヶ岳周辺のスキー場も3月末から4月はじめには相次いで閉鎖されるようだ。そうなれば空は暗さを取り戻すので、4月の新月期からはホームグラウンドに戻れるようになるし、富士山麓の寒さだって知れたもの。3ヶ月間通ったこの場所も、これが最後だろう。折から、夏の銀河が高度を増してきて、夏の大三角も山の上に姿を見せた。そこで、コンデジを向けて望遠鏡で手動追尾し撮影してみた。

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2013年3月新月期 3:56 - 4:23 山梨県笛吹市
Nikon 8cmに同架したCanon PowerShot S95で手動ガイド撮影
No filter(露光時間64秒; ISO 400-1000) x 12コマ
オート・ダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+簡易フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


秋が終わって、再びスキー場の照明が点灯され八ヶ岳おろしが吹荒れる季節には、クマが穴蔵に籠るのと入れ替わりにまた戻ってこようと思っている。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-03-30 11:58 | 月・星のある風景

真夜中の狙撃手

1月の新月期は、あまり出かけることが出来ずにいたので、2月の最初の週末に下弦の月が夜半に昇ってくるのを承知で出かけることにした。相変わらず八ヶ岳方面は季節風が強い予報で、さりとて富士山麓まで出かけるのにはもう時間が遅い。そうなると、このところホームグラウンドのようになってしまっている盆地の東部山間部が唯一の選択肢となった。街明かりの影響は強いのだが、自宅から30分ちょっとという手軽さと、山が迫って空が狭い分だけ季節風の影響が少ないというので、このところよく足が向くようになった。

家を出たのが遅くて月が昇ってくるまでの持ち時間は1時間ちょっとだったので、最初はフィルターなしでコリメート撮影し、月が昇ってからはLPS-V4を使って撮影した。しかし午前2時を過ぎると、月明かりでハッキリと地面に影が出来るようになったので、さすがに撮影を諦めかけたのだが、ふと思いついてコリメート撮影の様子を撮ってみることした。

普段の撮影では、焦点距離1200mmのNikon 8cm本体に天頂プリズムを付けた上で、接眼レンズにはタカハシのLE30を組み合わせて(倍率でX40)アダプターでコンデジ(Canon PowerShot S95)を装着している。ガイド鏡は、親亀子亀でNikon 8cmの上に載せたミニ・ボーグ(口径5cm、焦点距離250mm)に、2倍バローレンズと天頂プリズムを併用してミニ・ボーグの焦点距離を825mmまで延ばした上で、12.5mmの暗視野照明付きの接眼レンズを組み合わせている(倍率でX66)。

右手でフレキシブル微動ハンドルを握りしめ捻りながら追尾し、左手は微動ハンドルの付根を軽く支えて微動装置の回転を安定化させるようにしている。微動ハンドルを一番スムーズに動かせるように立ち位置を工夫し、その上でガイド鏡をのぞきやすいように、脚の開き具合で頭の高さを調整する。目の位置が少しでも動くと、十字線とガイド星の見え具合が微妙にズレるので、臍のあたりの腹筋を締めるような感じで体を安定化させて、体勢を維持するように心がけている。天頂方向の対象を撮影する時だけは、子供たちが小さかった頃に使っていた高さを変えられる椅子を使っている。

完全な手動追尾なので、どんなに冷え込みが厳しくても撮影中は望遠鏡を抱くようにして微動ハンドルを捻り続けなければならない。当然ながら寒さで体が震えたら画質に大きく影響するので、防寒対策が重要になってくる。下は防寒下着を2-3枚重ねて履いた上に登山用のズボンを履き、その上にキルティングの防寒ズボンと雨着のズボンを重ねている。上半身も同様に重ね着して、頭は目出し帽の上にさらに毛糸の帽子を重ねる。靴下だって冬物を3枚重ねて履いている。これだけ重ねると、風さえなければ氷点下10度でも汗をかくほどだ。

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この写真、目出し帽を着用という出で立ちに加えて周囲の景色の加減なのか、どことなく中央アジア辺りで闇夜に紛れて活動する狙撃兵のようにも見える。最新鋭の機材を備えた某国に、前時代的な機材で無謀にも抵抗を試みる姿!?・・・

・・・改めてこうしてみてみると、機材はいたってシンプルだ。なんと言ってもコードが1本もない。だから、コードを1本忘れたばっかりに撮影ができないなんて悲劇とは無縁だ。追尾の動源は最近はハシより重いものはほとんど持っていない右腕一本で、ガイド鏡のCCDカメラないしWebカメラは老眼の進行が著しい右の目玉、オートガイダーは人の名前がなかなか思い出せない錆び付いた脳みそ・・・。精度は低いが、原因不明のトラブルなんてマズない。寒さや疲労が大敵だが、人には見せられないような厚着と「キレイな写真が撮れるかも・・・」という妙な期待感でカバーしている。弱点は、撮影中は話もままならないこと。おしゃべりしながらだと、老眼CCDカメラと錆び付き脳みそオートダイダーが機能不全に陥ってしまう・・・。

こんな格好で撮影している姿を見かけたら、どうぞ声をかけて下さい。ただ、追尾を機材に委ねて皆様とゆっくり談笑という訳には参りませんので、お許しを。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-17 00:41 | 月・星のある風景

ふたご座流星群2012

12月13日の晩は仮眠をとって夜半過ぎに家を出ると、既にスキー場の人工降雪機がフル稼働なため、その照明の影響を避けて八ヶ岳山麓でも里に降りた場所に陣取った。夜半の時点での気温は氷点下7-8度だったが、この季節としては奇跡的に季節風が止んでいた。

ふたご座流星群の極大日ではあるが、流星見物は後回しにした。というのも、秋から晩秋にかけて2晩を費やしながら成果の得られていないM78星雲を、何としてもモノにしておきたかったからだ。機材を組み上げると、ガイド望遠鏡越しにガイド星として選んだアルニタクを睨み、Nikon 8cm赤道儀の微動装置を握りしめて手動ガイドを始めた。

撮影しているM78は既に南中時刻を少し過ぎており、ガイド望遠鏡に天頂プリズムを使っているので、手動ガイド中に顔は北西側を向いている。そして、ガイド望遠鏡のアイピースの丸い視野の向こう側には、少しだけ肉眼で夜空を感ずることができる。驚いたことに、その狭い空の範囲を幾度となく流れ星が横切るのがわかった。1コマあたり2分前後の露光時間をかけていたのだが、続けて3コマの手動ガイド中に流星の気配を感ずることができたこともあった。

午前4時を過ぎるとM78星雲の高度が低くなり、体勢的にガイド望遠鏡を覗くのが難しくガイドエラーが頻発するようになったのでコリメート撮影は終了とした。機材を撤収しながら、夜空を見上げていると、流星群はなかなか活発な様子。そこで、コンデジを沈み行くオリオン座の方向に向けて15秒露光の固定撮影をしながら、しばらく流星見物をすることにした。

生姜湯で作ってきたミルク・ティーをポットからマグ・カップに入れて、凍えた手をカップで温めながら見ていると、流れる!流れる!!多くはコンデジがダーク減算処理中だったり、セルフタイマーが切れた後だったりしたが、それでも15秒露光で60コマを撮影する間に、相当に明るい流星がカメラの前を4-5個は横切った。

そのうち、午前4時28分から43分にかけて撮影した30コマ弱に、3つの明るい流星が確認できたので、比較明合成をしてみた。ダーク減算やタイマー切れのため星像は切れ切れの写真になってしまったが、流星群の雰囲気は出ている。

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寒かったけれど、なかなか楽しい夜を過ごすことができた!!これで、本命のM78星雲もキレイに写っていると嬉しいのだが、果たして・・・・。

追記
「やまねももんが」さんがアップされていた方法を参考にさせていただき、合成画像を作製しましたのでアップします!!
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鳳凰三山に突き刺さっている流星のコマをベースに、前後の6コマを星の位置が重なるようにコンポジットして星像を安定化させます。しかし、地上風景がズレて重なるため、最後のコマの地上の景色を「投げ縄」機能で切り出して合成し、基本画像を作製しました。それに、3つの流星の周囲を切り出して、星の位置が重なるように置いて、明るさを調整し合成しました。さらに、簡易フラット補正を加えた上で完成画面としています。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-15 23:39 | 月・星のある風景

星野写真もフラット補正

富士山麓に撮影に行った折に、Canon Power Shot S95で撮影したオリオン座の写真を2つ。
最初は、10秒露光で固定撮影した4コマを星の位置が重なるようにコンポジットしてみたもの。
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星に合わせてコンポジットしたので、景色がブレて見えている。月明かりがあるでもないのに、富士山が明るく照らされたようになっているのは、街明りの影響による。それから、富士山の向こう側が明るいのは静岡県側の街明りだ。季節風に伴って薄雲が流れ込んでいる影響で、西側が特に明るくなっている。

このような条件下で、今度はコンデジをNikon 8cmの赤道儀に搭載し、Nikon 8cm本体で手動ガイド撮影した。6分露光で撮影した4コマをコンポジットした画像を、そのままトーンカーブのみで調整したものがこちら。
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画面左下にはダーク減算後も残った熱カブリと街明りの影響が出ており、右下には街灯りの影響が出ている。
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この影響を補正するため、画像を白黒に変換して「ぼかし」処理をしてフラット補正用の画面を作ってみた。しかし、画面左側(東側)を縦に流れる銀河の光も背景として拾われてしまっている(少し濃淡を強調してある)。
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そこで左半分を斜めにマスクする補正を追加した画面を作製した(少し濃淡を強調してある)。
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さらに、画面中央部分をマスクする補正を追加した(少し濃淡を強調してある)。

この最後のフラット補正用画像を使用して処理を行ってみた。
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右下の暗い星がかなり失われてしまっているものの、街灯りと薄雲の影響が緩和された分だけ、強調処理が可能になったので、バーナードループやエンゼルフィッシュなどの赤い星雲も薄らと確認できる。

ということで、なんちゃってフラット補正は、星野写真の光害カブリの緩和にもある程度の効果は持つようだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-12-06 00:06 | 月・星のある風景

八ヶ岳に沈む夏の大三角

日曜日の晩は野辺山の奥にある八ヶ岳を一望できる高台に、沈む夏の大三角を撮影しに出掛けた。なかなか好条件の場所なのだが、春から夏にかけて何度か行ってみたものの決まって霧の中だった。今回は雲1つない快晴で、オリオン座流星群の極大日ということもあってか、何台か車が停まっていた。暗闇ではっきりはしないが望遠鏡を出している感じの人はいないようだった。

Nikon 8cmにコンデジを載せてガイド撮影していると、途中でヘッドライトを点灯したまま車が何度か入ってきた。正直「この野郎!!」と思ったのだが、バックモニターに出てくる画像を見てみると、かえって紅葉が写り込んでいて面白い写真になっていた。

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こちらは、40秒露光でガイド撮影した2コマをまずは比較暗で処理しておいて、そこに紅葉が写ったコマをコンポジットしてみたもの。紅葉は割といい感じで写っているが、構図的に地上の景色の割合がちょっと低かった感じ。それに肝心の星空が迫力不足。

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こちらは64秒露光で撮影した6コマを比較暗処理して、地上の景色から街灯りの光跡を消してしまった上に、紅葉が写ったコマを通常のコンポジット処理してみた。露光時間を延ばして撮影した分だけ当然ながら星がたくさん写っているのだが、ヘッドライトの当たり方が不均一だったのが残念!!。

八ヶ岳の反対側には諏訪の街があるのだが、その影響で山容を浮かび上がらせるかのように空が明るく写るのには少々ガッカリした。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-10-24 00:16 | 月・星のある風景

Gift

日食が終わってポッカリ空いた心の隙間を埋めるためにも、週末は星空が見たいと思っていた。思わせぶりなGPV予報は、夜が近付くと悪い方に変わるパターンで土曜の晩は終わった。日曜の晩だろうが晴れたら見に行くぞ!と心に決めて昼間を過ごしたが、良さそうだったGPV予報はまたしても夕方に悪化。夜になったら雨までパラパラと降り出した。

それでも、北西から寒気の流れ込みで晴れ間が広がる気配も見えたので、日付が変わる頃に家を出て八ヶ岳山麓に向かった。盆地から見える山々には雲が低くたれ込めていて、ワイパーを動かすほどではないが雨が落ちている。高速道路は走る車も少ない。ラジオに耳を傾けながら、一路北西に走る。高速道路とは思えないような急坂を何回か登るうちに、アレッ星が見え出した!!気分は自然と盛り上がってくる。

長野との県境のインターチェンジを下りて、八ヶ岳への道を走る。雨で濡れた路面から霧のように蒸気が立ちのぼっている。これじゃあ、晴れたとしても望遠鏡が結露するのじゃあないだろうか、不安が頭をよぎる。フロントガラス越しに目を凝らすと星がポツポツと見えている。イヤイヤ、北風さえあればきっと晴れる!そう思って山道を登る。いつもの場所に着くと、日付は既に月曜日。誰もいない。ドキドキしながらエンジンを止めて車から降りた。

予想通り北西側に晴れ間があって星が見えている。しかも、強くはないが北西から風が吹いている。よし、いいぞ。このまま雲を麓に追いやれ!!そう念じながら望遠鏡を組み上げた。三分の一ほど晴れ間があるが、まだ天気はどう転ぶのか確信は持てない。それなら、コンデジを赤道儀に直に載せてお手軽ガイド撮影をしながら天候の回復を待とうと決めた。

b0167343_119478.jpg南側が雲に覆われた夏の大三角を撮影していると、西から雲と晴れ間が交互に空を通過しながら、次第に晴れ間の割合が増えてきた。頬に吹く風はサラッとしていて、結露の心配もなさそうだ。でもまだ安心はできない。見え始めた夏の銀河に沿って双眼鏡で眺める。すると天頂方向は、かなり透明度も安定してきたようだ。よし、行くか!この夜の対象と決めていた天体に望遠鏡を向け、さあ撮影という時になって、もう一度西の空を見てみた。すると、帯のような雲がこちらに伸びてきている。GPVでは、薄明が近付くにつれて雲が再び広がる予報だった。この晴れは一時的なものなのだろうか。

それじゃあ、またコンデジで直に夏の大三角を撮影しながら天候の見極めをしようと決めた。せっかくだし、露光時間を1分、2分、4分、6分と延ばしながら手動追尾で撮影してみた。ダーク減算処理の間は、西の空の具合に気を配りながらも、双眼鏡で夏の銀河を川下り。時折、西の空が瞬間的パッと明るくなる。雷鳴こそ聞こえないが、遠くで雷が光っているだとわかる。やはり、この晴れ間は一時的なのだろう。

(写真をクリックすると、大伸ばしが見られます)
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既に時刻は午前2時になろうとしていた。どちらにしても、もうNikon 8cmでのコリメート撮影を始めるのには遅すぎる。南中を過ぎて随分と小さく見える蠍座の尻尾から立ちのぼる銀河にコンデジを向けて、1分露光で再びガイド撮影を始めた。ダーク減算処理の間には双眼鏡で観望する。東の空にはペガススの四辺形が姿を見せて、アンドロメダ銀河の光芒も確認できた。ISOを1800から250まで落としながら全部で10コマ撮影した頃に薄明開始時刻を迎えた。

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なんだ、天頂方向は終止晴れたままだったんじゃあないか。その気になれば狙っていた対象をNikon 8cmでコリメート撮影することも出来たハズだった。いや、でも不満は全然なかった。星空を双眼鏡でこんなにタップリと眺めたのは本当に久しぶりだもの。最近は、キレイな写真が撮れるハズという期待感と引き換えに、ただただガイド星を十字線に重ねるばかりで夜を過ごしていた。この時期は夜明けも早いし、もう直ぐ梅雨入りだ。次の新月期には、たとえ晴れたとしても、慌ただしくまたガイド星を追いかけることになるのだろう。

そう、この夜の晴れ間はGiftだったんだ!
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by Nikon8cmtelescope | 2012-05-29 01:22 | 月・星のある風景

もうすぐ金環食

当地は金環食が見られるハズの場所なのだが、それはあくまで太陽が見えていればの話し。
b0167343_045496.jpg今回の金環食は、3サロス周期をさかのぼると、少年時代にあと10年早く生まれていれば・・・と思った八丈島の金環食に辿り着く。その意味でも絶対に見たい!!のだが、運を天に任せて職場での観望と決め込んだ。

5月18日の晩から19日の朝にかけては、日食当日までとっておきたいような晴天だった。いつものように八ヶ岳山麓で夏の星雲星団を堪能した帰り道に、東の空に細い月が見えた。日食から逆算すれば、ちょうど月齢が28日ということになる。自宅近くまで来て農道に車を停めると、車中からコンデジで月を撮影してみた。そう言えば、2009年7月の日食の時も、2-3日前の明け方に月を眺めたっけ・・・・。

明るさを増しつつある空に溶け込みつつある糸のように細い月の姿に、金環食直前の太陽の姿を連想した。

どうか、金の輪を、この目で見る事ができますように!
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by Nikon8cmtelescope | 2012-05-20 00:58 | 日食

春のアンタレスと銀河

さそり座の一等星アンタレスが南中するのは、夏の初めだと午後8時ごろだが、5月の連休だと夜半過ぎ、そして3月下旬だと薄明直前の時間帯になる。日中の暑さが残るなかで大気の揺らぎで燃えるように見えるアンタレスは、もちろん夏の夜空の主役であるが、明け方の冷え込みの厳しいこの時期に凛として見えるアンタレスも味わいがある。

3月25日の晩は、八ヶ岳周辺には季節風による雪雲が張り出してくる予報だったので、雲を避けるように富士山麓に出掛けた。南天のM83を撮影したら帰るつもりだったのが、澄み切った星空が名残惜しくて予定の時刻を過ぎてもなお撮影を続けていた。そして、我に返るとアンタレスが富士山の横で高度を増していた。大慌てで機材の撤収を始めたが、東の空から昇ってきた銀河があまりに見事だったので、ガイド鏡のミニ・ボーグを外した雲台にコンデジを据え付けてカメラを銀河の方向に適当に向けると、露光時間を30秒にISOを800と400にそれぞれ設定するとNikon 8cmをガイド鏡にして4コマずつ撮影した。それから大急ぎで富士山麓をあとにした。

撮影した8コマをコンポジット処理してみると、既に薄明をむかえていて銀河の東側の空は明るくなりかけていた。そして、肝心のアンタレスは端っこにギリギリで写っていて、反対側には立ち木が斜めに写りこんでいるという、なんとも中途半端な構図だった。それでも、銀河を分かつ暗黒帯の複雑な切れ込みが柔らかく写り、中でもアンタレスの方向に流れ込むように長く伸びていく様が捉えられている。
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ちなみに、この時の気温は氷点下7度。星像もシャープで、いかにも春の明け方らしい空だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2012-03-31 17:22 | 月・星のある風景