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ガイド撮影に憧れた頃

星に興味を持つようになった頃は固定撮影が楽しかった。中でも美しい同心円を描く北極星を中心とした北天は、季節に関係なく面白かった。写真は中学生時代に撮影した北天の写真を接写したものだ。
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固定撮影は、露光時間が短いと迫力に欠ける一方で、露光時間が長くなると星座の形がわかりにくくなってしまう。次第に赤道儀を用いたガイド撮影に憧れるようになった。

ガイド撮影なら日周運動に合わせてカメラを動かすことで、星座の形もそのままに肉眼では捉えられない星まで撮影する事ができる。夏の銀河を写真にしてみたいと夢は膨らんだ。望遠鏡を買うのだったら赤道儀付きが欲しい。そう思うようになった。

しかし、赤道儀付きの望遠鏡が中学生に簡単に買えるはずもなかった。なかにはお年玉や小遣いを何年か貯金すれば、手が出せなくもない価格の望遠鏡もあったが、カタログ写真でも見るからに貧弱そうだった。

カタログを取り寄せ眺めてはタメ息ばかりついていた。そして挙げ句の果てに両親に頼み込んだ。足りない分を出してもらえないかと。手持ちの貯金は全く足りていないのだから、全部出してくれと言っているのに等しかった。

最初は全く取り合わなかった両親だが、とうとう「成績が上がったら買ってもいいが、後に成績が下がったら没収する」という話になった。自力で何とかしなさいと突き放されると思っていたので、これは頑張るしかないと覚悟した。中学2年生の秋だった。

by Nikon8cmtelescope | 2009-04-28 00:47 | 天文少年の頃