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忘れられない星空(その1)

結婚して最初の夏に会津磐梯山へ旅行に行った。今から17年前の話になる。五色沼に近いホテルに宿泊したのだが、夕食は車で麓まで出かけていった。

食事を終えて真っ暗な道を少し心細くなりながらの帰り道、運転をしながらでもフロントグラス越しに美しい星空が見えていた。そこで、途中の峠にあった展望台に車を止めると、家内と二人で夜空を見上げた。

雲一つない夜空が360度広がっていて、視界には人工の光はほとんど見えない。空はあくまで黒く、星が無数に輝いている。その空の暗さと星の数に圧倒された。見晴らしのよい場所だったので、まるで宇宙という海に張り出した岬から眺めているような錯覚に陥った。見上げる先に広がるのは、もはや星空ではなく宇宙だった。

夏から秋の星座が頭上に輝いていたはずであるが、その記憶は飛んでいる。天の川も見えていたはずだが、憶えていない。自分たちが宇宙の中にいるという事実に平伏すような気持ちで、底知れぬ奥深い世界に対する畏怖の念を抱いた。そして、逃げ出すかのように車に乗り込んだことを憶えている。

あんなにすごい星空には、その後にまだ巡り会っていない。

by Nikon8cmtelescope | 2009-09-02 00:52 | 天文少年の頃