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月の雫(その1)

27日の夜に空を見上げると、半月をやや過ぎた月の真下に木星が輝いていた。木星の輝きは、まるで月から光が雫となって滴り落ちたかのようだった。その様子に、平日ではあったが望遠鏡を出した。

b0167343_21253254.jpg台風が太平洋岸を駆け抜けていった後の割には気流が落ち着いていたが、木星は気流の中を泳いでいて縞模様の細部まで見えるような状況ではなかった。そこで月に望遠鏡を向けた。低倍率であれば気流の影響はそれほど気にならなかったので、いつものようにデジカメで撮影をはじめた。

「月の雫」と言えば、生の甲州葡萄の粒を皮ごとそのままに白糖で覆った甲州名物の菓子の名前でもある。子供の頃に母方の祖母が「月の雫」をときどき持って来てくれた。見た目の美しさと珍しさに惹かれて口に入れてはみるが、白糖の強い甘さと甲州葡萄を皮ごと食べることへの抵抗感からか、1つか2つ口にしておしまいだった。その「月の雫」を父が喜んで食べていた。

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確かに父は果物が好きで、酒が飲めない代りに晩酌だと言っては季節の果物を食べていた。その一方で、甘い菓子は滅多に口にすることはなかった。そんな父が、いくら果物好きとは言え白糖で覆われた「月の雫」を喜んで口にするのを、子供心に意外な気持ちで半ば呆れるように見ていた。

by Nikon8cmtelescope | 2009-10-29 21:29 |