月の雫(その1)
27日の夜に空を見上げると、半月をやや過ぎた月の真下に木星が輝いていた。木星の輝きは、まるで月から光が雫となって滴り落ちたかのようだった。その様子に、平日ではあったが望遠鏡を出した。
台風が太平洋岸を駆け抜けていった後の割には気流が落ち着いていたが、木星は気流の中を泳いでいて縞模様の細部まで見えるような状況ではなかった。そこで月に望遠鏡を向けた。低倍率であれば気流の影響はそれほど気にならなかったので、いつものようにデジカメで撮影をはじめた。
「月の雫」と言えば、生の甲州葡萄の粒を皮ごとそのままに白糖で覆った甲州名物の菓子の名前でもある。子供の頃に母方の祖母が「月の雫」をときどき持って来てくれた。見た目の美しさと珍しさに惹かれて口に入れてはみるが、白糖の強い甘さと甲州葡萄を皮ごと食べることへの抵抗感からか、1つか2つ口にしておしまいだった。その「月の雫」を父が喜んで食べていた。
by Nikon8cmtelescope | 2009-10-29 21:29 | 月