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スペースシャトル エンデバー最後の勇姿

台風2号が抜けた5月30日の夕方に、久しぶりに晴れ間が広がった。夜中に望遠鏡を出すチャンスがあるかもと、夕食後に1時間半ほど仮眠をしてから職場に戻った。戻る時には北西半分は見事な星空だったが、約束もあったので我慢して一仕事こなした。ところが、夜半過ぎに家に戻る時には、完全な曇り空。それでも、もしかしたらと思い天体写真の画像処理をしながら空の具合を気にしていた。しかし晴れそうで晴れずに諦めきれないまま午前3時に近くに寝ようと部屋の明かりを消した。それでも未練がましく2階の北側の小窓から空の様子を確認した。

なんと北半分は晴れて星が見えていた。そして、ちょうど北斗七星のあたりを北西から北東方面に向かってゆっくり移動する明るい光に気が付いた。その際立つ明るさから、すぐに国際宇宙ステーション(ISS)だと思った。もう天文薄明を過ぎていたので、ISSは朝を迎えているのだなと思いながら見ていると、腕を延ばした握りこぶし1つ分ぐらいISSから離れて、ISSより一回り暗い光が先行して移動しているのに気が付いた。別の人工天体だ。この時間なら複数の人工天体が同時に見えることはよくあることだ。だが様子が変だ。2つの光は等間隔のまま同じ方向に向かっている。ン〜ッ、もしかしたら!!

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明けてからインターネットで確認したら、やはりそうだった。国際ニュースで調べたら、スペースシャトル「エンデバー号」が世界標準時で5月30日の3時55分にISSから分離したと書かれていた。JAXAのサイトで確認すると、ISSは午前2時57分頃に日本の北側を通過していたので、明るい光がISSであることは間違いない。分離は日本時間で12時55分に相当するから、それから14時間後の様子を見たことになる。しかし、エンデバーとISSがどんな位置関係かはJAXAのサイトからはわからなかった。こんな時は、以前にもお世話になったKAMADAさんのSTUDIO KAMADAサイトが役立つハズと調べてみたら、ちゃんとエンデバーがISSに先行して日本海上空を通過する様子がシミュレーションされた。

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エンデバー号は1992年から数えて今回が24回目のミッションで日本人宇宙飛行士も何度か搭乗しているが、今回が最後のミッション。その勇姿を偶然にもISSと一緒に見ることが出来たのだから何と言う幸運だろうか。しかし、そうだとあらかじめ知っていたらカメラにおさめることもできたハズだと思うと、なんとも残念な気がする・・。

by Nikon8cmtelescope | 2011-06-01 00:54