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パンスターズ彗星のようなもの

新月期が巡ってきたものの、梅雨時とあっては星空を拝むのが難しいのは重々承知している。しかし、「梅雨のズル休み」とか世間で言われているぐらいなので、AstroGPVもそこそこ期待できる予報を出している。ところが、晴れの予報は時間を経るに従って悪化するというパターンの繰り返し。まあ、お天気はどうにもならないから・・・と思う。それなのに、実は局所的に星空は顔を出すようで、成果をあげたという報告もチラホラ・・・。なんと、八ヶ岳南麓は昨夜は星空が拝めたらしい。

このところ、本ブログの記事ランキングのトップが「ホトトギスの鳴く夜」になっている。ホトトギスが夜に鳴く季節になって興味を持った人が、「ホトトギス・夜・鳴く」といった組み合わせで検索するとヒットするらしい。随分とお門違いの記事なので、申し訳ない気がする。そんなこんなで星空に縁遠いこの頃だが、実は先週の月曜日の晩に八ヶ岳山麓に遠征していたのだった。

月の出が午前1時半過ぎだったので少々迷ったのだが、ずっと仕事が大変な日が続いていたので、気分転換ということで22時近くになって家を出た。まずは、富士見高原に行ったのだが雲っていたので、野辺山高原の獅子岩に向かった。着いてみると晴れてはいるのだが霧が漂っていた。しかも、駐車場横にあるトイレの明かりが煌々と灯っていた。そこで来た道を戻り、清里高原美しの森駐車場に車を停めた。ここは、一般車の出入りが多くて落ち着かない場所なのだが、星空が拝めるだけ良しとしよう。既に日付が変わろうとしていた。

この夜のお目当ては、パンスターズ彗星だ。かなり光度は暗くなっているが、5月末には尾が長く伸びる姿がAPODをはじめ、あちこちで紹介されていた。しかし、北極星に近い位置にいるらしいという非常にあやふやな情報しか知らずに来てしまっていた。できればミニ・ボーグで撮影したいところだが、双眼鏡で流してみても、それらしい姿は確認できなかった。

そこでコンデジに少しズームをかけて「こぐま座」の小北斗が中央に収まるよう構図をとると、Nikon 8cmで手動追尾を始めた。まずは彗星の位置を確かめようという算段だ。ところが間もなく、北西の空に雲が涌き出した。ええい、もういいや。このままコンデジで直接に撮影を続けることにしよう。ISOを調整しながら、露光時間を1分から2分、そして3分まで延長して撮影してみた。しかし、バックモニターでは何とか彗星の本体らしい光芒がうっすらと確認できる程度だった。期待感は一気に萎んでしまい、5コマを撮影したところで終了とした。5コマをコンポジットした画像をアップする。

パンスターズ彗星のようなもの_b0167343_036142.jpg
中央やや左下に写っているのが北極星で、そこから上に小北斗の星々が連なっている。北極星から数えて3番目の星の左下に写っている矢印の頭型の淡い光芒がパンスターズ彗星だ。尾は淡くてほとんど確認できない。もっとも、やまねももんがさんが同じ晩に撮影された画像でも、尾はそれほど長くは写っていないので、タイミング的にも遅かったようだ。

by Nikon8cmtelescope | 2013-06-10 01:00 | 彗星