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馬頭星雲 2013

ちょっと前に撮影した対象だけど、この季節らしいものをアップ・・・

10月最初の週末は久しぶりに星空が期待できそうな新月期なのに、仕事と重なってしまった。日曜日の晩は家に着くと大急ぎで機材を車に積んで出発した。向かった先は、GVP予報で一晩中の快晴が約束された瑞牆山。1対象に2時間強費やすとして、なんとか2天体が写せるかどうかギリギリの感じ。そうすると最深部まで行くよりは、お天気次第では途中のみずがき湖に陣取ることも考えながら山道を走っていった。

ところが、みずがき湖は完全な曇天。予報とは少し違う。それでも上まで行けば晴れるだろうと信じて、そこから約20分ほどかけて目的地に到着した。しかし星が見えないのは同じだった。それでも30分もしないうちに晴れ間が広がって、秋の銀河が見えだした。上空の透明度は上々だ。よしよし、そうこなくちゃあ。

北極星を確認して望遠鏡を設置すると、最初の対象をNikon 8cmに導いてコリメート撮影を開始した。あれ、ガイド星が見えにくくなったなと思って空を見上げると、雲が広がっている。2コマ撮影しただけで、完全に曇ってしまった。風も止まり、天気が動き出す気配は感ぜられなくなった。

そのうち北西方向に少しだけ星が見え出した。八ヶ岳山麓は晴れているのだろうか・・・。しびれを切らして移動しようかと撤収しかけた時に、少し風が動き出して瑞垣山の上に木星が見えた。待っていたら、少しずつ東の雲が薄くなってオリオン座が見えるようになった。もう時間的に2天体を撮影するのは無理なので、馬頭星雲をじっくり明け方まで撮影することにした。

馬頭星雲はアルタニクがガイド星としてそのまま使えるので、Nikon 8cm本体とガイド鏡のミニ・ボーグを平行に据え付けてあれば、そのまますぐに撮影が始められるのも利点だ。もっとも、アルニタクの明るさが画像上では邪魔になるのだが・・・。途中で何度か雲に覆われて撮影を中断せざるを得なかったものの、次第に空が安定してきて露光時間を段階的に延ばしていった。

2分越えから160秒露光まで延ばした時、バックモニターの画像が期待したほどの写りでないことが気になった。鏡筒に触れてみると、馬頭星雲の撮影をはじめたころは乾いていたのが、薄らと汗をかくように結露しはじめている。対物レンズにはカイロが縛り付けてあるので、もしかしたら天頂ミラーが結露したのだろうか?豆ドライヤーを吹き付けて撮影し直したら、やはり写りが良くなった。どうも、この新しい天頂ミラーは結露しやすいようだ・・・。

馬頭星雲 2013_b0167343_16449.jpg

2013年10月7日 1:48 - 4:39 山梨県瑞牆山山麓
Nikon 8cm (f 1200mm) + Takahashi LE30 (30mm) 手動ガイドによるCanon PowerShot S95 コリメート撮影
No filter (露光時間40秒; ISO 3200-2000) x 9コマ + (露光時間50秒; ISO 3200-2500) x 8コマ+ (露光時間64秒; ISO 3200-2000) x 8コマ + (露光時間80秒; ISO 3200-2000) x 7コマ+ (露光時間101秒; ISO 3200-2000) x 6コマ + (露光時間128秒; ISO 2000-1250) x 4コマ+ (露光時間160秒; ISO 1250-1000) x 2コマ 全44コマ積算露光時間 55分 
オートダーク減算 + Photoshop Elementsを用いてコンポジット+フラット補正+簡易星マスク+HDR処理


出来上がりの画像は結露の影響か少しコントラストに乏しいが、昨年に1分露光でno filterとLPS-P2 filterを装着して各50コマ以上を稼いで112コマをコンポジットした画像よりも断然良い。特に火焔星雲と青いNGC2023の写りが遥かに良くなっている。今回はfilterを使っていないのと、コマ毎の露光時間が前回よりも長いことが効いているのだろうが、新調した天頂ミラーの性能が高いことも理由の1つだろう。ただし、天頂ミラーの結露対策を考えなくては・・・

by Nikon8cmtelescope | 2013-12-04 22:35 | 星雲