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夏の宝石箱(その11-M11散開星団)

5月12日の晩は、夜になって晴れ間が見え出し、夜なべ仕事から戻った夜半過ぎには雲は東の空に少し残るだけになった。寒気が入って透明度の高い素晴らしい星空で、夏の大三角が呼んでいる。次の月の影響の少ない時期には梅雨に入ってしまうことを思うと、こんな好条件の晩はもう滅多にないだろう。そう考えて、平日は御法度の禁を犯してこそこそと望遠鏡を出した。望遠鏡を向けたのは、夏の天の川の中で最も見事な星団として挙げられる「とも座」のM11散開星団だ。これまでに見て来た「いて座」の星雲・星団よりも北側で、「いて座」の柄杓と「わし座」のアルタイルの中間当たりに位置する。

望遠鏡をのぞき込むと、その見事さにため息が出る。一見すると濃淡のある白いベールのような光芒だが、よく見るとそれが砂粒のような星からなることがわかる。微光星から構成された光芒という点ではM22球状星団に雰囲気が似ているが、M11の方は球状星団のような厚みというか立体感は感じられず散光星雲のイメージに近い。

b0167343_23595718.jpgそこで、いつものようにISOを3200に、露出時間を2秒に設定して手持ち撮影をした16コマをコンポジットしてみた。銀河の中にある割には周辺に比較的星が少なく、星団がポッカリと浮かんでいるような感じがする。星がたくさん群れている様から「野鴨星団」とのニックネームも持つようだが、もっと繊細な印象だ。

M6やM7も美しいが、あちらが大柄な美女のイメージだとすれば、M11の美しさはキメの細やかな大和撫子のイメージだろうか。

(撮影したメシエ天体 通算56/107個)

by Nikon8cmtelescope | 2010-07-05 00:01 | 星団

夏の球状星団(その15-M28)

M22を見終えた午前4時少し前には薄明もはじまっていたが、まだもう少し楽しめそうだ。そこで、M22からわずかに西側にある「いて座」の球状星団M28に望遠鏡を向けた。M28は6.9等で中規模の球状星団であるのだが、M22を眺めた直後だとさすがに見劣りする。それでも、眼視で球状星団としての独特の風合いは感ずることが出来る。

しかし、ISOを3200に、露出時間を2秒に設定して手持ち撮影を始めると、薄明がどんどん進行して空が次第に白けてきてしまった。そこで、8コマだけコンポジットした。

b0167343_23372494.jpgコマ数が少ないために画像が粗くはっきりしないが、星団の周辺部分では星が分離しているようにも感じられる。すぐ隣にM22があるために目立たないが、そこそこ立派な球状星団だと思う。

(撮影したメシエ天体 通算55/107個)

by Nikon8cmtelescope | 2010-07-03 23:38 | 星団

アメリカン・サイズ vs ツアイス・サイズ

5月7日の晩は、「さそり座」から「いて座」の散開星団を急ぎ足でハシゴしてきたが、下弦過ぎの月が東南の空に次第に高度を上げてきて、幾分か空が明るくなってきた。そこでM22球状星団を改めてツアイス・サイズの25mm接眼レンズで撮影してみることにした。

ツアイス・サイズであっても、もちろんM22は十分に視野に収まるし迫力は感じられる。しかし、アメリカン・サイズで見た時と比べていくらか暗い印象を受ける。確かに4月24日の晩にアメリカン・サイズで眺めた時の方が、月明かりはなくて透明度の条件も良かったが、すでに薄明が始まりつつある中での観望だった。おそらく、Nikon 8cmを購入して30年以上を経る間に、天頂プリズムの反射率や接眼レンズの透光性などが改善されて、それが見え具合に反映されているのではないか。

b0167343_0425541.jpg
左側が前回のアメリカン・サイズで撮影した写真で、右側が今回のツアイス・サイズで撮影した写真だ。いずれもISOは3200に設定して、露出時間は3.2秒と2秒。コンポジットは、アメリカン・サイズでは8コマに対してツアイス・サイズでは16コマだ。画像処理の条件をどう変えても、ツアイス・サイズの写真の方がコントラストが悪いのだが、これは空の透明度の違いも影響している可能性はある。いずれにせよ、アメリカン・サイズの方が視野が一回り広いことがよく判る。

同一条件での比較ではないので確実ではないが、眼視でもコンパクト・デジカメの手持ちコリメート撮影でも、アメリカン・サイズの最新の接眼レンズの方が光学的に優れていることは間違いなさそうだ。アメリカン・サイズの接眼レンズにデジカメを手持ちで確実に正対できるような工夫をすれば、Nikon 8cm屈折望遠鏡の能力をもっと引き出した写真が撮れるようになると思う。

by Nikon8cmtelescope | 2010-07-01 00:44 | 星団