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梅雨の合間の球状星団三昧(その5-M10球状星団)

すでに球状星団の視直径の比較するための組写真に載せたが、6月21日の晩に楽しんだ球状星団巡りの次なる対象は、初夏を代表する星座の1つである「へびつかい座」にあるM10だ。M10はM12と隣り合わせにあって、双眼鏡だと同一視野内に見える。組み写真にあるように両者の光度はほぼ同じなのだが、双眼鏡で見てもM12が随分と儚げなのに対してM10は恒星のように明るく見える。

梅雨の合間の球状星団三昧(その5-M10球状星団)_b0167343_23372742.jpg以前の手持ち撮影だと、単なる光芒という写り加減だったものが、3.2秒露光の簡易手動追尾で撮影した40コマをコンポジットした画像だと、きちんと周辺部の星が写っているだけでなく中心部の星も一部は分離して写っているようだ。以前の単純な手持ち撮影とは異なり、ちゃんと球状星団らしく写っていて、ちょうどM22をうんと小さくしたような感じだ。

# by Nikon8cmtelescope | 2011-07-29 23:38 | 星団

M13の副産物(NGC6207銀河)

M13の画像をじっくりと眺めていて、写野の端に恒星とは少し異なる紡錘形の小さな光芒が写っていることに気が付いた。そこで、インターネットのM13の画像やStellariumを詳しく調べたところ、これがNGC6207という銀河であることがわかった。

M13の副産物(NGC6207銀河)_b0167343_0304229.jpg
NGC6207は光度が11.6等で視直径は3’。春のメシエ天体の中で最も地味な銀河のM91でも、光度が10.2等で視直径も5’ある。全部で107個あるメシエ天体を制覇するためには、残りの対象は22個。大部分が春の銀河で、しかも暗い対象ばかり残ってしまっているので、今シーズンは早々に諦めてしまったのだった。しかし、簡易手動追尾のおかげでNGC6207のような暗い銀河まで写っているのだから、来シーズンは頑張ってみようと思う。

# by Nikon8cmtelescope | 2011-07-27 00:31 | 星雲

夏の月

台風とともに涼しい天気が運ばれてきたかのように、そのまま過ごしやすい日々が続いている。そのせいか天気がすっきりしないが、夜には晴れそうだというGPV予報を見て7月22日の晩は自宅から車で30分ほどの山中に出掛けた。公営の公園内の駐車場に望遠鏡をセットして晴れるのを待つが、なかなかスッキリと晴れない。

そろそろ月も昇るし、こんな天気なら帰ろうかと思っていたところにヘッド・ライトを点けて車が1台入ってきた。公園の管理者なのだろうか、車止めの鎖の中に入っているのが不法侵入だと、すごい剣幕でどやされた。スッキリしない気持ちを飲み込むようにして、言われるままに望遠鏡を鎖の外に移した。このまま帰るのは逃げるようだし、何よりこれでは気持ちが収まらない。そこで、半ばヤケクソで雲から顔を出す星空をボンヤリと眺め、カエルの声と山の夜気を楽しんだ。

するとどうだろう、しばらくすると晴れ間がどんどん広がって星が見えてきた。月明かりで天の川はかろうじて存在がわかる程度。望遠鏡でもM22球状星団は良く見えるがM17オメガ星雲は存在が確認できないので、コリメート撮影はあきらめて、双眼鏡や望遠鏡で天頂付近の星団を眺めて楽しむ。気分もようやく晴れてきた。

駐車場の上には林の影が月明かりでクッキリと見えている。そして林の上に下弦の月が顔を出したので、望遠鏡を向けてみた。気流が良いのか、高度が低い割には細かい地形もよく見える。こんな山中まで来て月の写真というのも変な気がするが、デジカメを付けてコリメート撮影してみた。ISOは200でF値は5.6、露光時間は1/125秒で連続撮影した8コマをコンポジット処理した。

夏の月_b0167343_113530100.jpg
細かい地形も見えるように、今回は大きめの画像でアップしてみたので、クリックして月面散歩をお楽しみ下さい!この写真は合法な場所で撮影したので、不法侵入の共犯にはなりませんので、ご安心を。

# by Nikon8cmtelescope | 2011-07-24 11:39 |

球状星団の視直径は、どうなっているのか?

球状星団を眺める時に規模をイメージするのには、光度と集中度とともに視直径が重要なデータになる。ところが、この視直径のデータが引用先によって結構バラバラなのと、見た目のイメージと合わない場合が多いことに気が付いた。

球状星団の視直径は、どうなっているのか?_b0167343_1393247.jpg

写真はクリックすると少し大きくなります
そこで、各球状星団の画像の中心部を70%で統一して切り出し、組み写真にしてみた。基本的な撮影方法はいつも同じなので、拡大率もほぼ同一であるはずで、このようにして各星団を並べて、その見かけの大きさを比較することは可能だと思う。写真に書き込んだ光度と集中度はAstro Artsのサイトから引用したものだ。

球状星団の視直径は、どうなっているのか?_b0167343_1395924.jpg
そして、WikidepiaとAstro Artsのサイト、そしてStellariumのデータから各球状星団の視直径を書き出してみた。まずは、そのデータに大きな差があることに驚かされる。このうちWikidepiaのデータは星団ごとに原典が異なる可能性もあるので別にするにしても、Astro ArtsとStellariumのデータの間にも相当に大きな隔たりがあって、呆れてしまう程だ。

Nikon 8cmで見る限りは、多くの球状星団は中心部の星が密集した部分しか見えないので、例えばM5はM13に比べると随分と小さく感じられる。しかし写真で見るとM5は周辺部にかなり広く星が広がっているので、確かに視直径がM13とドッコイドッコイなのも一応は理解できる。しかし、それにしても視直径のデータは、見れば見るほど?????となる。

全体的に見るとAstro Artsの方が写真のイメージに近いが、それでもM3の方がM22より大きい点はやや納得がいかない。あるいは、大型の望遠鏡で写すとM3はもっと広い範囲にまで星が広がっている、ということなのだろうか?

みなさん、どう思いますか?

# by Nikon8cmtelescope | 2011-07-20 01:41 | 星団

梅雨の合間の球状星団三昧(その4-M13球状星団)

梅雨の合間の球状星団三昧(その4-M13球状星団)_b0167343_9362287.jpg6月21日の晩の球状星団巡りの次なる対象は、王者M13だ。M13は、簡易手動追尾をはじめてすぐの冬の夜に八ヶ岳下しが吹き抜ける中を、露光時間6秒で撮影したことがあった。今回は月も出ているので露光時間は3.2秒に設定してコマ数をかせぐことにした。

全部で37コマをコンポジット処理してみたが、星が密集した中心部の大きさは王者の風格を感じさせる。ただ、画像をよく見てみると周辺部の星の広がりはM5と大きくは変わらないようにも感じられる。確かに、写真に写る周辺部の星の広がりは、眼視で見える中心部の大きさの印象とはかなり違う場合がありそうだ。

# by Nikon8cmtelescope | 2011-07-16 09:38 | 星団