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梅雨の合間の球状星団三昧(その3-M5球状星団)

どうやら梅雨が明けたようだが、月齢が進んできて夏の銀河をじっくり味わうには月末まで待たねばならない。

梅雨の合間の球状星団三昧(その3-M5球状星団)_b0167343_23211875.jpg6月21日の晩の球状星団シリーズの続きであるが、M3の次はM5を見た。M3とM5は、お互いに比較的近くにあるのでセットで見ることが多いのだが、驚いたことにM5の見かけの大きさがM13にも匹敵するというような記述もある。

いずれにしてもNikon 8cmで見る限りは、M3とM5はほぼ同じような規模に見える。ただ、以前に手持ち撮影した時にも感じたが、M5は周辺部に星が分離して見えるように感じられる点がM3と異なる。

そこで露光時間を3.2秒に設定して、簡易手動追尾で撮影したなかから、40コマを選んでコンポジット処理してみた。すると、中心部の大きさはM3と同じぐらいであるが、確かにM5の方が広い範囲にまで星が広がっているのがわかる。M13に匹敵するとは思えないが、この後にM13も撮影しているので、いずれ並べて見かけの大きさを比較してみたい。

# by Nikon8cmtelescope | 2011-07-10 23:24 | 星団

梅雨の合間の球状星団三昧(その2-M3球状星団)

梅雨の合間の球状星団三昧(その2-M3球状星団)_b0167343_1871421.jpgM53の次は「りょうけん座」のM3。見応えのある球状星団の1つとしてあげられるが、このサイズの口径では眼視で個々の星まで分離するのは難しい。しかしチリチリとした質感は感じることができる。三角定規のような3つの星の中心に収まる様も上品だ。

露光時間を3.2秒に設定して簡易手動追尾で撮影したなかから、37コマを選んでコンポジット処理してみたが、周辺部の星の雰囲気も含めM53をさらに近くして眺めたような感じに写っている。その均整のとれた美しさは球状星団の中で3本の指に入るだろう。以前の手持ち撮影でも周辺部の星は分離して写っていたが、比較してみると改めて追尾の威力を実感することが出来る。

# by Nikon8cmtelescope | 2011-07-09 18:08 | 星団

梅雨明けは近い!?

7月5日は日中から素晴らしい青空だった。GPV気象予報では、22時ごろからは雲が出てきて次第に広がるという。集中して仕事を片付けると夕食も急いで済ませ、ドブソニアン望遠鏡を車に積んで八ヶ岳山麓に向かった。現地到着は21時少し前で、月が沈みかけていた。双眼鏡であちこち眺めながら、望遠鏡の鏡が外気温に馴染むのを待っているうちに、月が沈んで素晴らしい星空になり、ドブソニアンで夏の星雲・星団を巡った。

梅雨明けは近い!?_b0167343_1372676.jpg予報より少し遅れて23時過ぎに北西から雲が広がってきた。一応は満足して帰えるつもりでいたが、なんとなく往生際悪くしていると、雲は南下して再び星空が広がった。するとどうだろう。南の低空に残った雲が街灯りを吸収してくれて、銀河が真っすぐに立っている様子がクッキリと夜空に浮かびあがった。

コンデジを三脚に付けると、ISOは2000とやや抑え気味にして、露光時間を6秒に設定して、ドブソニアンと一緒に銀河の前で記念撮影をしてみた。連続撮影した8コマをコンポジット処理してみたところ、銀河を複雑に分かつ暗黒帯も鮮明に浮かび上がってきた。

夏近し、そんな記念撮影になった。彦星と織姫星は写っていないが、ちなみに今日は新暦の七夕。梅雨空の上では美しい銀河が本格的な夏空を待ってくれている。

# by Nikon8cmtelescope | 2011-07-07 01:42 | 月・星のある風景

梅雨の合間の球状星団三昧(その1-M53球状星団)

梅雨の合間の貴重な晴れ間に敬意を表して、23時前には下弦少し前の月が昇ってくる条件ではあったが、6月21日の晩は平日の晩にもかかわらず盆地の山裾の観望地に出掛けた。いわゆる里山と呼ばれるような場所で、周囲には水田があるので、カエルの声が賑やかだった。現地に着いて望遠鏡をセッティングしたら既に月の出直前の時間になってしまったので、月明かりの影響を受けやすい淡い星雲の観望はあきらめて、初夏の空にたくさんある球状星団を対象に定めた。

梅雨の合間の球状星団三昧(その1-M53球状星団)_b0167343_0353674.jpgそんな中で最初に望遠鏡を向けたのは、かみのけ座のM53だ。望遠鏡で覗くと、面積を持った正円形の光芒で、個々の星にまでは分離されないが、その独特の風合いから球状星団だとわかる。露光時間を3.2秒に設定して簡易手動追尾で撮影したうち37コマを選んでコンポジット処理してみたが、以前の手持ち撮影に比べると周辺部の星が幾つか分離されており、かなり球状星団らしく写っている。

この夜は全部で7つの球状星団に望遠鏡を向けて簡易手動追尾で撮影を行って、まさに球状星団三昧という夜になった。

# by Nikon8cmtelescope | 2011-07-07 00:39 | 星団

冬空の忘れ物(M101回転花火銀河)

すでに4ヶ月が過ぎてしまったが、3月9日の晩に八ヶ岳山麓の厳しい寒さにも負けずに簡易手動追尾で撮影したM101の写真をアップしそびれていた。

冬空の忘れ物(M101回転花火銀河)_b0167343_273153.jpg画像は、露光時間を10秒に設定して撮影したなかで、星があまり流れずに写った23コマを選んでコンポジット処理してみたものだ。寒さが厳しい分空の条件は良かったので、非常に暗い対象ながら2本の渦巻き構造を追うことができる。回転花火になぞられるような華々しさは感じられないが、簡易追尾でなければ捉えられない姿である。でも、以前に手持ちで写った時の方が興奮したなあ。

寒風に指先が凍えそうになりながら気合いで撮影したのが、すでに遠い昔のように感じられる。

# by Nikon8cmtelescope | 2011-07-02 02:08 | 星雲