天王星三夜

連休中は木星とランデブーする天王星も追いかけた。1月4日に互いに最も近くなった後は次第に離れつつあるが、30mm広視野接眼レンズでは同一視野内で見ることができた。そこで、毎晩18時過ぎに露光時間0.6秒で手持ち撮影した4コマを、それぞれコンポジット処理した上で、3日分の画像を恒星の位置が重なるように比較明処理してみた。

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レンズの収差と光軸の影響で、恒星がピタリと重ならないのが少々残念だが、天王星に比べて木星の移動が顕著で、1月4日の画像と見比べると天王星を木星が追い越すようにしてお互いに離れつつある様子が一目瞭然だ。ガリレオ衛星の位置も3日間で大きく変わっているのがわかる。こんな画像が手軽に出来るのも、手持ち撮影の便利なところだろう。
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by Nikon8cmtelescope | 2011-01-14 00:18 | 惑星

消えた縞模様

木星と言えば縞模様だが、その縞模様の1本がほぼ消えかけているという。そのニュースを目にしてから気になっていたが、なかなか見るチャンスがなかった。また望遠鏡を向けても、それと確認できるような条件にも恵まれなかった。

その木星が夜半過ぎに南天高く輝くようになって観望期を迎えた。そこで8月4日の晩にメシエ天体を眺める合間に木星にも望遠鏡を向けてみた。透明度が高い上に気流も安定しており、星雲・星団の観望はもちろん惑星の観望にも絶好の条件だ。折からガリレオ衛星の1つイオが木星の前面から廻り込もうというところで、木星本体に接するように見えている。

b0167343_1333039.jpg接眼レンズはOr 18mmとし、デジカメはLumixでISOは100で露出時間は1/8秒さらにズームを3倍に設定して手持ち撮影した。約8分間で集中的に撮影した60コマから16コマを選んでコンポジットした。昨年夏に撮影したものと並べてみたが、たしかに赤道をはさんで存在する2本の太い縞模様のうち1本がほとんど消えかけている。この消失しかけている縞模様は南赤道縞と呼ばれ今までにも時々淡化しているそうで、この縞が淡化する時には大赤斑は逆に濃化する傾向にあるということだ。

昨シーズンは大赤斑を捉えることができなかったが、今シーズンはチャンスだと言える。お天気と木星の自転の組み合わせを確認しながら、大赤斑の手持ち撮影を試みたいと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2010-08-22 13:06 | 惑星

ホワイト・バランス

木星の大赤斑を捉えるには、デジカメのホワイト・バランスも重要なのではと考えて、テストの機会をうかがっていた。4日の宵は、ちょうど大赤斑が見えるはずなので、木星が晴れ間に出てきたところで望遠鏡を向けてみた。

雲の動きから予想された通り気流の影響が強く、木星の辺縁もユラユラして見えて条件はあまり良くない。どう目を凝らしても、目視で大赤斑の存在は確認できなかった。それでもカメラにあらかじめ設定されている4種類のホワイト・バランスで撮影してみた。

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一番良さそうなコマを白黒に変換したものと組み写真にしてみた。コマごとに気流の影響や手ブレの度合いが異なるので、これだけで一概には結論できないが、「晴天」が一番目視に近いものの、白黒で比較してみると「曇天」が縞模様のコントラストが一番はっきりしている印象だ。この2種類の条件で撮影したコマをコンポジットするといいかも知れない。

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時間が経っても気流は良くならないので、木星の撮影は早々に切り上げた。最後に雲のかからない満月を撮影した。
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by Nikon8cmtelescope | 2009-10-14 00:00 | 惑星

月曜日の木星

先週の月曜日の晩は久しぶりによく晴れていたので、平日ではあったが望遠鏡を出すと木星に向けてみた。透明度・気流ともにまあまあと言ったところだった。

例によって数分間集中的に撮影しては、条件のよいコマを残すという作業を繰り返した。だいたい5分間で100コマぐらい撮影して、デジカメのモニター上で10枚程度に絞り込んだ。その中で、特に条件の良いコマを選んで2-3分間で撮影された4コマをコンポジットした。コンポジットはガリレオ衛星を目印にして重ね合わせた。

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ほぼ30分の間隔で撮影された3組の写真であるが、中間の写真が一番シャープで赤道上の太い縞模様の濃淡がかなり鮮明に写っている。そして、衛星のイオが木星本体に近づくのと平行して、縞模様の濃淡が右から左へ移動して行く様子が見て取れる。木星の自転のスピードの早さに改めて驚かされる。

出来上がった写真には満足できたが、Steralliumでのシミュレーションと比べてみると、残念ながら大赤斑は捉えられていないことがわかる。より透明度と気流の良い晩を選ぶとともに、デジカメのホワイト・バランスを工夫してみる必要がありそうだ。

それにしても、子供たちが夜に机に向かっている横で望遠鏡を出すのは何とはなしに気が引ける。出来ることなら、週末の夜に条件の良い空が巡ってきて欲しいものだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2009-09-15 01:43 | 惑星

逃した魚は・・・

土曜日の晩は雲が多かったが、木星の輝きにいてもたってもいられなくなって望遠鏡を出した。

風はないが望遠鏡で木星を見るとチラチラと気流の影響が出ている。薄雲の少ないタイミングをねらって撮影していると、時間が経つとともに気流の影響がますます強くなってきた。それでも往生際悪く撮影していたが、画質の悪いコマが気流の悪化に比例して増えて来るのが実感されると、さすがに撮影はあきらめた。

b0167343_0125674.jpg薄雲の影響が少なかったタイミングで約3分間に撮影したコマの中から16コマを選び、8コマずつコンポジットしてみた。木星の自転の影響が出るほどの撮影時間ではないので、2つの木星の若干の差異は気流の影響とコンポジットの技術的な影響によると思われる。

「逃した魚は大きい」と言うが、それにしても思い出されるのは先週の土曜の晩の木星だ。気流の影響はほとんどなくて縞模様が非常にシャープだった。日食や流星群などの天文現象が一期一会なのは言うまでもないのだが、天気さえ良ければ毎晩見る事が出来る惑星であっても、やはり一期一会なのだと納得した。
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by Nikon8cmtelescope | 2009-08-28 00:17 | 惑星

梅雨明けの空(その2)

暗い海王星が写るようにとISO感度を無理に上げると、ノイズが強くなることがモニターで確認してもわかる。最終的にISOを400に設定して撮影すると、ノイズも減って5等星が明るく写ることがわかった。しかし、それでもモニター上では海王星が写っているのかどうかは確認できなかった。

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改めて望遠鏡を木星に向ける。右に示したStellariumのシミュレーションでは、大赤斑がこちら向きに出てくるころであるが、気流の影響が思いのほか強くて目視ではよくわからない。それでもと久しぶりの木星の姿を撮影しはじめると間もなく、雲に度々隠れるようになってしまい撮影はあきらめた。5枚の写真でコンポジットしたが、2本の縞模様がぼんやりと写っただけだった。

翌朝に赤道儀を取り込むためにベランダに出てみると、昨夜の雲はどこにいったのか不思議なくらいの青空が広がっていた。周囲の山々に目を移すと、高い山には雪渓が大きく残っているのが鮮やかに見える。気温は高いが、空の青さは梅雨入り前のような感じだ。

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さて海王星であるが、目標としたμCapという5.1等星は明るくはっきりと写っていたが、肝心の海王星はコンピューター上で条件を変えながら再生しStellariumのシミュレーションと対比させても、ノイズとは区別できなかった。

海王星は7.9等相当なのでμCapとの光度差は1.8等だから、明るさの差は5倍程度であるが、この光度の違いがコンパクト・デジカメの光学的には大きい意味を持つのだろう。目視では十分に確認出来るだけに、写らないのがとても残念だ。
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by Nikon8cmtelescope | 2009-07-19 12:16 | 惑星

木星の自転を捉える

地球の自転は24時間である。当たり前であるが、これがどのような意味を持つのか普段の生活で感ずることは難しい。ただ、飛行機で海外に行き結果的に1日のリズムが変化すると、いわゆる時差ボケで苦しむことになる。そう言えば若田さんが滞在する国際宇宙ステーションは90分で地球を1周するというから、1日に何度も昼と夜が来る事になるが、そんな中での体調管理はさぞかし大変だろう。

地球の自転が10時間だったら、一体どうなるのだろうか。想像すると面白いが、単純に今の地球環境がそのまま存在する事にはなるまい。こんな事を考えるのは、実は木星の自転が9時間56分だからだ。その自転による模様の移動を捉えてみたい、というのが6日の晩のもう1つのテーマだった。

夏至が近くて夜明けが早く、木星がケヤキの横から顔を出してから空が明るくなるまでに1時間弱しかなかったが、午前3時と午前3時45分の2回、集中的に木星を撮影してみた。その合間にじっくりと海王星を眺めたという訳だ。時間をおいて木星を眺めても、目視で分かる変化はなかったが、写真ではどうだろうか。

それぞれ3分以内に撮影したコマの中から、ブレの少ないコマを8コマずつ選んでコンポジットしてみた。残念ながら前回に比べると気流が不安定で、出来上がった画像もシャープさに欠けるが、ともかく二つの写真を並べてみた。すると、どうやら縞模様の濃淡が時間の経過で向かって左から右に移動している感じだ。

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10時間弱で360度回転するのだから、わずか45分でも自転によって30度近く回転する計算になる。Stellariumのシミュレーション結果を横に並べたが、確かに写真でも同程度に移動している感じだ。午前3時に正面に見えている赤道上の縞模様の濃い部分が、45分後には右側に移動しているし、それに伴って赤道下の縞模様も移動しているように見える。

今後も機会がある毎に、同じ晩に時間差を置いて木星を撮影してみようと思う。気流の条件が良く有名な大赤斑が見えているタイミングであれば、もっと鮮明に自転に伴う移動を捉えられるはずだ。また、よりシャープな像にするには、コンポジットする写真も、もっと短い時間内で選別する必要があるだろう。まあ、これは気流の条件が良ければ必然的にクリアされる事ではあるのだが。

さて、惑星の自転のスピードであるが、そもそも太陽との位置関係や惑星の大きさで、自転のスピードには物理学的な必然性があるのではないだろうか?そして、自転のスピードが早くなったとすると、そのために木星のように赤道方向にひろがった楕円の球形になるのではないだろうか。そうなると環境は大きく変化することは確かで、生命の存在すら危うくなるかもしれない。

空想は尽きないが、梅雨で望遠鏡が出せない間の宿題として、自転についても機会があったら調べてみようと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2009-06-14 00:29 | 惑星

原因は露光不足!?

写真のフレーム外に出てしまったと思っていた海王星だが、フレーム内に収まっていた事がわかった。

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Stellariumという素晴らしいソフトがあるのを知って、早速に撮影した日時の星空を再現し、木星の周辺を拡大してみた。そうすると、ガリレオ衛星の広がりの3倍ほど木星本体から離れた位置に、海王星が存在していたことがわかった。つまり、前回の写真で木星と同じフレームに収まっていたことになる。

しかし、前回の4枚コンポジット写真を見直しても、それらしい位置に海王星と思われる像は確認できなかった。どうやら、露光が不足していたことが原因のようだ。

次の機会には、Stellariumを使って木星と海王星そして周囲の恒星の位置をシミュレーションし、目視で海王星を確認した上で、木星が露出オーバーになるぐらいの条件で撮影してみよう。

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それにしてもStellariumは素晴らしい。星空が美しいだけでなく、ガリレオ衛星の位置はもちろん、木星の縞模様の自転に伴う変化まで再現できるのには驚いた。
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by Nikon8cmtelescope | 2009-06-06 02:15 | 惑星

急いては事を仕損ずる

楽しみにしていた海王星との遭遇だが、目視で十分に確認もしないままに低倍率で木星を撮ってはみたものの、再生しても海王星が写っているのかどうか全く分からなかった。

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それでも少しだけ期待して、暗い星が少しでも見やすくなるように連続して撮影した4枚をコンポジットしてみたが、木星と一列に並ぶ4つのガリレオ衛星以外は、星なのかノイズなのかですら区別が難しかった。そして結論的には海王星は写っていないようだ。

準備やシミュレーションの不足といえばそれまでだが、習慣的に木星をほぼ中央に据えて撮影してしまった。今にして思えば、木星を四隅に置いて各方向を広く撮影しておいたら海王星を捉えるチャンスが増したはずだった。

7月はじめにも木星と海王星が接近するらしいので、次回はこの失敗を生かして、蒼く光る海王星をこの目で確認したいと思う。梅雨の最中ではあるが、週末の夜が好天に恵まれるように祈ろう。

海王星をあきらめた後も薄明の中で木星本体を撮影した。木星はかなり明るく、これまで撮影してきた土星に比べると眩いほどだった。デジカメの感度を最も低くしても露出オーバーで模様が飛んでしまい、ISOを100まで落としてもまだ明るい感じだった。

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刻一刻と明るさを増す空に急かされるように撮影した中から、11枚を選んでコンポジットしてみたが、思っていたよりも縞模様の濃淡がきれいに浮き上がってきた。これなら木星の自転による縞模様の動きなどを捉えられるかも知れない。ということで、木星もこれからが楽しみだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2009-06-05 00:33 | 惑星