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モザイク合成処理もどき

Nikon 8cmと30mm接眼レンズの組み合わせでコリメート撮影しているので、見かけが大きな対象は視野からハミ出してしまう。だから秋の王者であるM31アンドロメダ銀河は中心部分しか写せない。全体像を写すには、焦点距離の長い接眼レンズが必要になるが、30mmより焦点距離の長いレンズは基本的に2インチ・サイズであり、現在の光学系には合わない。

すっかり諦めていたところ、いつもコメントを下さるKameさんが0.5倍レデューサーレンズの使用を提案して下さり、未使用品を譲って下さった。しかし、手持ちの光学系そのままだとレデューサーレンズを装着して差し込み部分が長くなった接眼レンズは、天頂ミラーの差し込み口からハミ出してしまった。そのまま固定して空に向けてみたが残念ながら合焦せず、何か工夫が必要と判明した次第。こちらは課題として取り組みたい。

そうなると現有戦力に残された道はモザイク合成処理ということになる・・・・9月の新月期が近づいてきても不安定な天気が続くなか、北側の県境付近なら夜半過ぎに晴天の帯に入りそうな予報が出たので、少々寝不足気味ながら車に機材を積み込んで家を出た。予報から言えば長野県側まで入ったほうが確率は高そうだったが、空を見上げると予報より晴天の帯は南下している感じだ。そこで、瑞牆山山麓を目指すことにした。

みずがき湖でも十分に晴れの帯に入るはずと思っていたが、到着してみると北西方向にわずかに星が見えるだけだった。アレっ!予報より厳しいかな?と不安を感じつつも、時間とともに回復すると信じて瑞牆山の麓に向かった。目的地に着くと、ちょうど北西側半分が晴れている。盆地方面が曇っているので、街明かりが雲に遮られて見えている星空はいい感じ。他に誰もいないのは予想外だったが望遠鏡を組み上げた。

日付が変わると月が昇ってくるので、天頂にあるM31を最初からテスト撮影のつもりでNikon 8cmの鏡筒の下に潜り込むようにして導くと、32秒露光でコリメート撮影を始めた。星雲を中心にして9分割するイメージで各分画を5コマずつ撮影する算段でいた。ところが、ちょうど撮影地の上が晴天帯の境目にあたるようで、天頂方向が曇ったり晴れたりを繰り返していている。そのため、しばしば撮影の中断を余儀なくされた。

晴れ待ちの間に消耗したコンデジのバッテリーが、予定のコマを全部撮影する前に尽きてしまった。時刻は午前3時半。予定通りなら家に戻っている時間だった。少しでも早く家に戻って睡眠時間を確保したいと思い瑞牆山周辺を選んだのだが、県境を越えて八ヶ岳高原まで行っていたら雲に阻まれることなく予定のコマを撮影することができて、かえって早く帰宅できたことになる・・・。

さて画像処理であるが、Photoshop ElementsにはPhotomerge機能があるので、それを使ってモザイク合成するつもりでいた。ところが、色々と試してみたが機能しなかった。やはり、レンズ収差による歪みがネックになっているようだ。そこで6コマを使って力ずくで自力合成を試みた。コマ同士が重なる部分は収差で星像がズレてしまうため、小さな区画に分けて貼り合わせて誤摩化した。そんな画像なので、大幅に縮小してアップする。

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各分画にコンポジットした画像を使った上で、周辺減光やカブリの補正も丁寧にすれば、もう少しマシな画像に仕上がるのかも知れないが、色々と試行錯誤した面はあったにしても、このお試しモザイク合成だけで数時間を要した。予定コマ数が撮影できずに銀河の全貌を捉えることが出来ていないこともあって気合いが入らず、お試し画像処理の段階で力尽きてしまった・・・
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by Nikon8cmtelescope | 2014-09-21 17:54 | 星雲

M78星雲 再処理

年末・年始休暇に少し時間が出来たので、画像処理方法について再検討してみた。昨年末のアイソン彗星とラブジョイ彗星の画像処理の時に、彗星本体の画像を一部のコマで合成した星像と比較明合成したことからヒントを得た。再処理したのは、以前にアップしたM78星雲のこちらの画像。
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コンデジのコリメート撮影では、画質の低さを多数のコマをコンポジットすることで補っている。しかし、個々の画像が少しずつズレているために、多数の画像をコンポジット処理すると周辺部の星において特にレンズ収差の影響が出てしまう。淡い星雲を持ち上げようとすると、なおさら収差の影響が目立ってしまい、星像が放射状になってしまう。また、淡い星雲を持ち上げる処理において微光星も強調されてしまっていた。

淡い星雲を持ち上げる強調処理では、背景カブリや周辺減光も目立つようになる。そこで、星マスク処理を併用して対象の星雲を強調処理した画像から、星雲と1つ1つの星を「スポット修正ブラシツール」を使って消した疑似フラット画像を作製して、減算処理していた。この処理は非常に有効ではあるが、手間がかかる上に強調された星像が浮かび上がるため、前述の星像の乱れが余計に目立ってしまうことにもなった。

今回の処理では、強調処理した画像から星雲のみを「スポット修正ブラシツール」を使って消した画像を使って減算処理した。すると、背景がフラットになった星雲のみの画像が出来上がる。そこに、星像の収差が比較的目立たないコンポジットの途中の段階の画像を、強調処理なしでコントラストを上げて背景を暗くした上で比較明合成してみた。すると、背景がフラットで星雲が強調された画像に、収差の影響の少ない星を重ねた画像が出来上がる。しかし、コントラストを上げることで微光星がほとんど消えてしまうので、強調された星雲と星とのバランスが悪くなる。

そこで、強調処理した画像から星雲を周辺部を含めて部分的に切り出して、星像用に用いたコンポジット途中の画像に、背景の暗さを合わせて合成した画像を作った。これは画像全体は強調処理していないので、元画像のままの背景のムラで比較的フラットであり、微光星までの星バランスがそのままで星雲が若干強調された画像になる。こうして用意した2種類の画像を適当な割合で合成して仕上げたものが、こちら。
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全部で53コマをコンポジットしてあったが、背景の星像は途中の12コマをコンポジットした段階の画像を用いた。そのため、周辺部の星像への収差の影響が減っている。またフラット補正が自然になって、星雲の淡い部分も前の画像より浮き上がっているように思う。視野いっぱいにひろがる対象だと使えないが、ほとんどの撮影対象は中心部に限局して写っているので、この方法が応用できる。「しし座のトリオ」も、この方法で再処理した画像でアップしなおした。
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by Nikon8cmtelescope | 2014-01-19 00:30 | 星雲

ギャラッド彗星とM92 再処理

2012年2月にギャラッド彗星がM92球状星団をかすめたことがあった。当時は単純にコンポジットし、トーン・カーブを使って調整するだけで仕上げていた。
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しかし、お互いに位置がズレたコマをコンポジットすることで周辺部の収差が酷く出ているし、あまりガイドが良くないコマも使っているので解像度が低下している。星マスクも使っていないので、明るい星がうるさく、飽和して色も失われてしまった。一方、恒星に合わせてコンポジットしているため、彗星の動きで彗星中心部が二重になっている。当時はまだフラット補正をしていないので、この画像から中心部をトリミングしてアップしていた。

その後2年近くを経て画像処理の引き出しが以前より増えたので、どこまでシャープになるか再処理してみた。まず位置のズレの少ない追尾精度が高めのコマのみ選んで、恒星に合わせてコンポジット処理した。一方、彗星の中心部に合わせて4コマずつ比較暗でコンポジットした画像同士を通常に合成した画像も用意した。そして、両者を比較明で合成した上で星マスクを使いながら強調処理を行い、星と彗星を消した画像を作って軽くフラット補正を追加した。

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周辺部の星像の乱れは随分と改善し背景もフラットに近付いたが、彗星がスッキリした分だけ迫力が失われてしまった感じもする・・・
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by Nikon8cmtelescope | 2013-12-21 18:13 | 彗星

番外編:画像処理でも蘇らなかった天体(その2-M81/M82銀河)

今回は、昨年11月の新月期の明け方近くに八ヶ岳山麓で撮影したM81/M82ボーデ銀河の画像。二晩かけて80秒露光で86コマを撮影したのだが、コンデジの固定が緩かったのかコリメートの光軸が少々ズレていて、思うような画像処理ができずに放置してあった。これをフラット補正することで、片カブリ状態を改善させられないかと、年末・年始に画像処理をやり直してみた。

こちらはコンポジット後に従来の増幅処理を行った上で、汎用のフラット画像を使って補正してみた画像。
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Nikon 8cmに30mmの接眼レンズという組み合わせは、眼視だとM81とM82が程よい間隔で同一視野内におさまるのだが、コリメート撮影をすると周辺部には収差が出るため2つの星雲がともにその影響を受ける形になる。特に星雲の周囲にある輝星で収差が目立つと、余計に見苦しい仕上がりになってしまう。この輝星の収差は、星マスク処理することで、ある程度は目立たなく出来ると考えた。片カブリについては、4コマのコンポジットの段階でフラット補正を行った上で、それらの画像を再度コンポジット処理することで改善できると期待してやってみた。その結果は・・・・
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星の膨化は抑制されて周辺部の星像の見かけは改善したが、肝心のM81銀河の淡い腕の構造と色彩がフラット補正で随分と削られてしまった。また、その割に片カブリ状態も改善されていない。実は、この撮影では極軸合わせがやや甘かったのと、ガイド星にM81/M82から少し離れた星を選んでしまったために、時間を追って視野がズレてしかも回転してしまった。もちろんコンポジット処理の際には星が重なるように微調整しているのだが、ズレた画像を重ねることで収差が強調されて周辺部の星像の悪化を助長してしまっていた。

当然ながら画像処理でのカバーには限界があるので、撮影の段階で最大限の注意を払うことが成功の秘訣というのが、年末・年始の集中画像処理から得た教訓になる。ということで、画像処理をして改めて気がついた星雲・星団のコリメート撮影時の注意点10か条の覚え書き。
(1)極軸合わせは成功のための第一条件
(2)ガイド星は出来るだけ対象の近くを選ぶ
(3)ピンボケは画像処理では修正に限界があるので、ピント合わせは慎重に行う
(4)コンデジの絞りが開放になっていることを確認する
(5)片カブリの補正は難しいので、コンデジの接続に弛みがないか十分に確認する
(6)ダーク減算処理をしない画像だと惑わされやすいので、対象が中央にあるか十分に確認する
(7)フラット画像によるカブリ補正には限界があるので、ISOは低めに設定した方が良さそう
(8)コマ数が多い場合には時間とともに光害カブリの状態が変化するので、最初・中間・最後にそれぞれフラット画像を撮影しておく方が良さそう
(9)赤い星雲以外の対象では、LPS-P2フィルターを使うと色情報の変化と画質の劣化というデメリットが強く出る印象
(10)以上の9点に十分留意の上で、露光時間をタップリとかけてコマ数を稼ぐこと
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-19 23:57 | 手持ち撮影にこだわる訳

番外編:画像処理でも蘇らなかった天体(その1-M42オリオン星雲)

年末・年始休暇に、画像の再処理で見違えるようになる星雲の姿に励まされて、さまざまな天体の画像処理をせっせとやり直した。もちろん効果の程度には差があったが、概ね良好な結果が得られて、ショボショボする目を擦りながら、パソコンの画面を前に独りニヤニヤしていた。パソコンにへばりついて目を凝らしてばかりいたので、その代償として老眼がさらに進行したことは間違いない。その一方で、ウ〜ンそうかあ・・・と再処理の結果に幻滅した対象がいくつかあったことも確かだ。その代表がM42オリオン星雲だった。

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このM42を撮影したのは、昨年の10月の新月期。この夜は、Nikon 8cmの赤道儀のクセをつかむことで、極軸合わせの精度が向上して、最長で2分までの手動追尾を行った。その一方で、極軸合わせの精度が上がった分だけ赤経軸側のエラーが解消され、かえって追尾エラーが目立つようになってしまってもいた。さらに、星雲中心部はiPhotoの「ハイライト」機能で浮き上がらせたので、一番明るいハズの中心部がやや暗くなって不自然な仕上がりになっていた。

視野全体に分子雲が広がっているため、以前に中途半端にフラット補正を行ったところ、視野周辺部の淡いガス像が年輪状になってしまい画像を醜くしてしまっていた(上の画像は補正前のもの)。それなら、個々のコマに立ち返ってフラット補正を施してからコンポジットすれば、周辺部のガス像のマダラは解消されるのではないかと考えた。さらに、この画像に似非星マスク処理を行うことで、追尾エラーによる星像の乱れの過度な増幅が抑制できるとも期待された。

そんな訳で、明るい星雲の中心部を写すために行った短時間露光のコマは別にして、30秒以上の露光時間のコマは全て改めて汎用コンポジット画像を用いてカブリ補正を行った上で、再度コンポジットを行った。さらに似非星マスク処理とともに、星雲の中心部にもマスク処理を行った。最終的にHDR処理もブレンドして完成とした。
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結果はこの通り。簡単にまとめると・・・
(1)周辺減光は解消された。
(2)星雲中心部の明るい部分は、マスク処理によって画像の階調が狭められず自然になった。
(3)微光星の肥大が抑制されて、追尾エラーは目立たなくなった。
(4)フラット補正を行ったことで、周辺部の淡い部分が削られてしまった。
最初の3つは改善点で最後が期待はずれだった点なのでトータルには改善しているのだが、星雲の淡い部分が失われたことで、パッと見た印象としてはスゴクもの足りなくなってしまっている。フラット処理は本来なら背景に埋もれそうな淡い天体を浮かび上がらせてくれるハズなので、つまりは使ったフラット画像と処理方法が不適当だったということになるのだろう。

今回のフラット処理の方法は、対象の天体が視野の中心にある場合には効果を発揮してくれるが、M42オリオン星雲のように視野いっぱいに広がっている場合には向いていない、というのが結論になる。いや、それならいっそフラット画像での減算処理なってやめてしまって、周辺部の淡い部分まで持ち上げてしまった方が、結果的に全体がフラットになるんじゃあないか?と考えた。星がうるさくならないようにマスク処理とHDR処理だけやってみると・・・
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なんだ!?これもアリじゃあないか!!考えてみれば、八ヶ岳山麓の暗い空でISOも抑え気味に撮影しているのだから、なんでもかんでもフラット補正というのでなくても良いのかも知れない。暗黒帯の部分はそれなりにコントラストが出ていて、周辺部の淡い部分が視野いっぱいに広がっている、この仕上がりは悪くないように思える。

それなら、2つの処理方法の画像を50%ずつで、コンポジットしてみたらどうだろうか・・・
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ほぼ自分が最初にイメージしていた仕上がりになった!!

ヤレヤレ・・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-13 23:54 | 手持ち撮影にこだわる訳

画像処理で蘇る星雲!(その13-NGC4565銀河)

b0167343_22501330.jpg昨年2月に撮影したNGC4565銀河。

可愛らしいエッジ・オンの細長い姿だけでなく、中央の暗黒帯の構造が少しは捉えられるかもと期待して、せっせとコマ数を重ねた。ただ、1年前のこの当時は手動ガイドの限界を40秒程度と自分で壁を作ってしまっていたので、最終的に45コマをコンポジットしているが、累積の露光時間は30分程度だった。もっとも当時の極軸合わせは今から見ればかなり適当で、1分超えの露光時間だと追尾エラーよりも経度方向のズレが大きくなってしまっていたから、これは仕方がないのだが。

さすがに、簡易フラット補正を施すことぐらいで、撮影当時に期待ハズレに終わった暗黒帯の構造が浮き出てはこないことは判っているが、それでも円形の背景カブリと星の膨化を抑制することで、それなりに見栄えはするだろうと考えて、汎用フラット画像によるカブリ補正、星マスク処理、HDR処理と進めてみた。その結果・・・
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背景カブリが改善し、星の膨化が改善されてバランスは良くなったけど、背景ムラは解消できなかった。汎用のフラット画面を用いているし、露光時間が長くない上にISOが高く設定されていたのので、仕方がないところだろう・・・。

はたして露光時間を2分まで延ばすことで、銀河の構造を少しは写し出すことができるのかどうかは甚だ疑問だが、ぜひやってみたいと思う。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-09 23:44 | 手持ち撮影にこだわる訳

画像処理で蘇る星雲!(その12-M83銀河)

画像処理のやり直しシリーズは、昨年3月に撮影したM83銀河。
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この当時としては記録的な80秒露光も含めて撮影し、その結果として薄らと紫を帯びた銀河の色合いが出たとして、大喜びした対象だ。思えば、このM83で露光時間を延ばす事の意味を実感し、それまでの単なる観望記録や写って嬉しいという撮影から一歩前に出て、コリメート撮影の限界を探ってみようと思った記念の画像でもある。

しかし、不思議な形状の銀河の腕は比較的良く写っていたが、その周囲を取り巻く淡い部分を持ち上げようと、強調処理を重ねた結果として、星が膨化してしまっていた。また、高度が低い対象なので、光害カブリの影響が目立たぬようにと調整し、そのためにバックの色調が不自然に黒くなっていた。

ただし、さすがに元になった個々の画像にまでさかのぼってカブリ補正を施すのは大変なので、コッポジットしてあった画像に対して、汎用フラット画像でカブリ補正を行った。そして、星マスク処理とHDR処理を加えてみた。その結果・・・
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銀河の姿がより明瞭になるというような効果はなかったが、背景カブリが解消されて視野の端々まで文字通りフラットになったことと、背景の星々の明るさが飽和していたのが改善されて、星の色合いも蘇ってきた。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-05 23:37 | 手持ち撮影にこだわる訳

画像処理で蘇る星雲!(その11-馬頭星雲)

画像処理のやり直しシリーズは、昨年11月にLPS-P2とV4フィルターを導入して撮影した馬頭星雲の画像。
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空の条件が良かったにもかかわらず、極軸合わせが不十分で1分越えの露光ができなかった。そこで、フィルターの効果に期待して、とにかくコマ数を稼ごうと切り替えて撮影したのだった。撮影してコンポジットしたコマ数は実に112コマで、積算露光時間は2時間という頑張りにもかかわらず、コマ当たりの露光不足は誤摩化せなかった。しかも、ISO値を高く設定したため、コマ数の割には画質も粗かった。

その上に対象の馬頭星雲は淡いので、画像処理で持ち上げざるを得ず、そのために星が膨化するという、いつもの負のスパイラルに陥ってしまっていた画像だ。簡易のフラット補正も、ほとんど効果はなかった。

さすがにコマ数が多いので、コマ毎にフラット補正して最初からコンポジットをやり直す気にはなれなかった。そこで、LPS-P2とV4フィルターで撮影したコマをそれぞれコンジットした段階まで遡って、それぞれの条件用に作った汎用フラット画像でカブリ補正を行った。その上で、星マスク処理とHDR処理を加えてみた。その結果・・・
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星の膨化が矯正された分は見映えが良くなった。また、カブリが解消された分だけ増幅補正が可能になって、星雲は随分と明るくなったのは収穫。しかし、LPS-V4フィルターの影響で緑を帯びた背景の色調を補正しようと試みた結果、本来なら馬頭星雲よりも赤味が弱くオレンジの色調になる火焔星雲が随分と赤くなってしまっている。やはり、フィルターなしの撮影も入れてブレンドした方が良さそうだ。しかも、コマ毎の露光時間が比較的短かったため星雲の細かい構造が出ておらず、フラット補正で画質が平滑になった分だけノッペリした仕上がりになってしまった。いくらフラットが効いたからと言ったって、強調処理を欲張り過ぎると不自然になるなあ・・・。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-02-01 23:44 | 手持ち撮影にこだわる訳

画像処理で蘇る星雲!(その10-M33銀河)

b0167343_1412722.jpg画像処理のやり直しシリーズは、前回と同じく昨年8月の新月期に撮影したM33銀河星雲の画像。

淡い星雲なので、この当時としては相当にがんばって露光時間をかけて撮影し、コマ数も稼いだ対象だ。また天頂方向の対象なので光害の影響は少ない。しかし、外側の淡い腕の部分も持ち上げようと、画像処理で強調処理をキツめに施した結果、星が膨化して明るさが飽和してしまった。

その後に、簡易のフラット補正を追加してみたが、星の飽和状態は当然ながら緩和できていない。しかも、光軸のズレがなぜか強く、フラット補正の効果もいま一歩だった。

そこで、もう一度コンポジットの過程のコマに汎用フラット画像による補正を行った上で、コンポジットをやり直した。その上で、星マスク処理、そしてHDR処理を加えてみた。その結果・・・
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かけた手間に比べて、それほど劇的な効果は出ていないが、以前よりは背景がフラットになって自然な仕上がりになった。また、背景の星もうるさい感じがなくなってスッキリしたし、HDR処理の効果で銀河の微妙な色彩がいくらかは浮き出てきたようだ。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-01-26 23:44 | 手持ち撮影にこだわる訳

画像処理で蘇る星雲!(その9-NGC7293らせん星雲)

b0167343_1131655.jpg画像処理のやり直しシリーズ。昨年8月の新月期に撮影したNGC7293らせん星雲の画像。

この時期としては空の条件が良かったものの、まだまだ透明度の低い季節。しかも、高度が非常に低い天体なのに、撮影開始が南中時刻を過ぎてからになってしまった。そのため、撮影の後半は低空の靄で次第に星雲の写りが低下していくのが、カメラのバック・モニターでも確認できるような条件だった。撮影したコマ数は多かったが、各コマの露光時間が短い上にISOの設定は高かったため画質も低かった。それでも、Canon PowerShot S95は赤系統の星雲に強いことから、なんとか持ち上げて仕上げたのだが、背景カブリと周辺減光が酷い出来上がりになっていた。

この画像、星雲の淡い部分まで出せるとは思わないが、フラット補正で光害カブリが緩和されれば、いくらかは見映えがするのではないかと考えて、汎用フラット画像による処理と、星マスク処理、そしてHDR処理を加えてみたところ・・・
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もともとの写りが良くないので、「蘇る」というほどの劇的な効果は出ていないが、フラット補正の効果でそれなりにスッキリした仕上りになった。今年の秋は、LPS-P2とV4フィルターも使って、ぜひじっくりと撮影してみたい対象だ。

追記
Kameさんから、もう少し星雲の明るさを持ち上げてみたら!とのご指摘を頂いた。しかし、上の画像は、過剰なフラット補正の影響で星雲の淡い部分が削られてしまっていて、強調処理を追加すると不自然な感じになってしまった。

そこで、一番上の画像まで戻って星を消し、星雲の部分も周囲の背景を切り貼りすることで覆い隠して、フラット画像を作ってみた。それを使って一番上の画像の背景ムラを減算し、その画像をベースにして強調処理を施してみた。
b0167343_133973.jpg
少々手間はかかったが、背景はそこそこフラットに出来た。スタートの画像の段階で既に星が過飽和になっているので、星がややうるさい感じはするが、星雲を明るくすることができて中心部の青い色も少し持ち上げられた。
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by Nikon8cmtelescope | 2013-01-23 23:55 | 手持ち撮影にこだわる訳